トップ «前の日記(2006-11-06) 最新 次の日記(2006-11-08)» 編集

かにの泡ぶく


2006-11-07 忘れ去られようとしているもの。

_ 同番コンプリの考察。

同番コンプリって一体どのぐらいあるのか? という疑問が沸いたので、(なんの商業的意義もないことであるが)2SB型の古い型番(主にゲルマ)についてのみちょいと調べてみることにした。

私がいつもお世話になっているトランジスタ規格表の頁を参考にしつつ、2SB12から順に見ていってみると・・・やはりかなり少ない。
確認できたのは以下の10組のみだ。

2SB33   /  2SD33   富士通 PA
2SB34   /  2SD34   富士通 PA
2SB37   /  2SD37   富士通 PA
2SB38   /  2SD38   富士通 PA
2SB75   /  2SD75   日立   AF
2SB77   /  2SD77   日立   PA
2SB77A  /  2SD77A  日立   PA
2SB178  /  2SD178  松下   PA
2SB178A /  2SD178A 松下   PA
2SB187  /  2SD187  三洋   PA

しかしこのコンプリペア、ペアを組まされた相手の2SD型品番を見ているとなかなか面白い。
ゲルマニュームトランジスタは、PNP型が作りやすく、NPN型は作りにくい。そんな技術的背景もあって、ゲルマな時代には2SB型の品番の進みに対して2SD型の進みは遅かった。
例えば、日電の以下の2SB200番台のコンプリペア品番は、なんとか下2桁だけでも合わせようという努力が垣間見える。

2SB219 / 2SD19 日電 PA
2SB220 / 2SD20 日電 PA
2SB221 / 2SD21 日電 PA
2SB222 / 2SD22 日電 PA
2SB223 / 2SD23 日電 PA

2SB300番台になると、コンプリペアが用意された石は無い。需要が無かったのか、NPN型で特性を合わせるのが困難だったのか。
2SB300番台だって実はコンプリペアあったことがゲルマ屋本舗さんのコメントで判明。単なる私の勉強不足での誤記。申し訳ない。ここに訂正(2006年11月19日23:25追記)。

2SBも500番台になると、シリコンTr化されたせいもあって2SDも作りやすくなったためか、コンプリペアが多発する。しかし2SDはゲルマがあまり作られなかったせいもあって品番が若く同番コンプリは少ない。
あるのは2SB552 / 2SD552、2SB553 / 2SD553ぐらいか。中には不幸なペアもあって、2SB502は2SD102とコンプリであるが、その後に登録されたと思われる2SB585は2SD502とコンプリを組んでいる。これはおそらく、2SB502が出来たころは、2SDはまだ品番が進んでなく、仕方無しに下2桁だけあわせて102でペアを組んだが、2SB585が出来たころには2SDも品番が進み、2SD502になってしまったと。なんだか可哀想な話である。

2SDも100番台まではゲルマ、シリコン混在であるが、200番台以降はほとんど全部シリコンのみになってしまう。結局NPN型はゲルマでは作りにくかったため、ゲルマ時代は品番の進みが遅く、シリコンになってから一挙に開発製造されたということだろう。

2SB600番台になると、2SB645(東芝)を境に相手の2SDの品番のほうが進んでいるコンプリペアが目立ちはじめ、2SB700番台では圧倒的に2SDのほうが品番が進んでいる。PNP型で始まったトランジスタの歴史において、シリコン化により猛然と開発速度が加速され、時代の主流になっていったNPN型の勢いを感じずにはおれない。

_ 2SB22 / 2SD30 SEPPの実験。


2SB178 / 2SD178 SEPP OTLの音に気をよくした私。他にも使えそうなゲルマTrコンプリペアが無いか・・・と、部品箱を漁っていると、あったあった、2SB22 / 2SD30 というペアが。
右の写真の左二つは2SB178 / 2SD178。右二つが2SB22 / 2SD30。いまどきゲルマTrだというだけで貴重品だというのに、しかも二桁番台のコンプリペア。どんな音がするのかな?
スペックを見てみると、PPで1Wをターゲットにして作られたような出力段(電力増幅段)用の石。まさに、SEPPに最適じゃぁないですか。回路定数そのままで、2SB178 / 2SD178 と置き換えられそうなのでそのまま差し替えてみる。

  ぉぉぉぉぉぉぉぉおおお・・・

って感じで、とてもよい感じ。なんと言ったらよいのか、秋晴れの空の下、清里の高原で朝日を浴びつつ、作りたての牧場ソフトクリームを食べる感じと言ったらよいか・・・(いやちょっと違う。12月上旬の深夜の野辺山。突き刺すような寒さ、シーイング良い星空の下、西に沈み行くシリウスを眺めながらストーブで沸かした湯で呑むサントリー山崎12年のような感じか・・・13:40追記)

見た感じ2SB(D)178よりも小ぶりでチューブにくるまっていちゃたりするもんだからいまいちパワー無さそうな外見。でも、音は互角どころか、音の透明度というか、リニアリティーというか、微小信号時の分解能は、もしや2SB22 / 2SD30のほうがよいかもよって感じ。

おそるべし昔のゲルマTr。

_ 2SD178緊急調達。

たまたま手持ちにあった2SB178 / 2SD178で組んだSEPPアンプ。たまたま手持ちにあったってのはたまたまでなく運命だったのかもしれないが、ゲルマTrにすっかり惚れ込んでしまったここ数日。

しかし手持ちのタマは少なく、今後を考えるともう少しキープっておきたいところだと思い、あちこちいつも行きつけのショップを探してみるも、2SB178はなんとか調達できそうにあるものの、2SD178がほぼ全滅。

やっとの思いで遥かみちのくの地に2SD178を5個発見。早速保護した。

今週中には我が家にやってくるかな。楽しみ楽しみ。

_ 試聴は続く・・・

自室に居るときはとにかく、試作アンプをCDプレーヤーをソースにして、30cmバックロードで鳴らし続けている。電源は単三x8本=12V。

ブレッドボード状態なので回路定数の変更は極めて容易。FETに流すドレイン電流をちょこまか変更したりしながら、自分なりに気に入る音に少しでも近づけていく。

最近、あまり回路定数をいじらないで、長時間BGM的に聴き流せるようになってきたので、ぼちぼちユニバーサル基板に組んでもいい頃合かもしれないな。

恐怖の超クリティカルバイアス調整は、結局カップリングコンデンサを一個追加してDCを遮断することで解決。本当は信号経路にコンデンサは入れたくないのであるが、これがないと決してアンプに背を向けられない、電流計常時ワッチのどきどきアンプになってしまうので、止むを得まい。

このコンデンサのおかげで、ようやくBGM的にお気楽に流せるようになった。

オーディオ好きの人の中には、コンデンサを毛嫌いする人が非常に多い。気持ちはわかる。時定数を持った部品だからね。でも、コンデンサ2個を削除するためにさらに複雑な電源機構やバイアス制御、バランサー等を実装しないといけないことを考えると、私はそんな無理しないで、良質なコンデンサを入れて回路構成自体をシンプルにする方向を選ぶ。

まぁ、趣味だからね。難しい理論の回路はメーカーさんにお任せしておけばよいと思うし、いまさらメーカーでは作れないような、単純な構成の古典的な回路を楽しむのも趣味の醍醐味ではないだろうか。

それに、何事もそうであると思うが、シンプルであるということに勝るものは無いと思う。これは私の信条でもある。

今後はコンデンサだけに止まらず、コンプリペアが無いトランジスタのためにPPトランスを使ってみようかとすら思っているぐらいだ。

_ 実験評価どころでない2SB22 / 2SD30 SEPP。

再生テストのつもりでモーツァルトのレクイエム(ウィーン・フィル / ワルター / 1956年のザルツブルク音楽祭の録音)を再生してみるとあまりにもすごすぎる。素晴らしい。急遽実験中止。部屋の照明を落として色温度2500K程度の間接タングステン照明に切り替え、ニッカの竹鶴をロックで。

ほんとうにこんな小さい石が、30cmバックロードなんていう大きなものを駆動しているのか?

今日はこれにて終了。以後、リラックスタイム・・・

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
_ ゲルマ屋本舗 (2006-11-19 19:57)

2SB167-2SD167<br>2SB200-2SD100<br>2SB224,225,226,227-2SD11<br>2SB262-2SD162<br>2SB291-2SD191<br>2SB292-2SD192<br>2SB324-2SD178<br>2SB324-2SD352<br>2SB364-2SD104<br>2SB365-2SD105<br>2SB370-2SD170<br>2SB370A-2SD170A<br>2SB405-2SD72<br>2SB475-2SD367<br>2SB496-2SD96<br><br>通りすがりにて失礼。

_ 青木 (2006-11-19 23:23)

ぉおお、ゲルマ屋本舗さん、とても通なツッコミありがとうございます。つか、もしかして先日お世話になってたりしてるのバレてます?<br>2SB167/2SD167も貴重な同番コンプリだったんですね。ぜひ探さなくっちゃ。

_ ゲルマ屋本舗 (2006-11-21 00:45)

>ゲルマニュームトランジスタは、PNP型が作りやすく、NPN型は作りにくい<br>どこかで見たような言い回し・・・。<br>( ̄ー ̄)にやりっ<br><br>追記しておきます。<br><br>2SA277-2SC13<br>2SA278-2SC14<br>2SA282-2SC71<br>2SA283-2SC72<br>2SA414-2SC128<br>2SA415-2SC129<br>2SA458-2SC405<br>2SA459-2SC406<br>2SB43-2SD43<br>2SB43A-2SD43A<br>2SB335-2SD35<br>2SB336-2SD36

_ 青木 (2006-11-21 01:03)

>ゲルマニュームトランジスタは、PNP型が作りやすく、NPN型は作りにくい<br>この話は私が小学生のころ、サトー電気のオッサンから聞いたことあったのですよ。どこぞの大先生の商品説明にも同じ記載があったので、ほぉ〜って、思ったのです ^^)

_ 青木 (2006-11-21 08:48)

2SB/2SDの全コンプリペアを集めるのなんて、今となっては不可能ですよねやっぱ。でも、使ってみたいなぁ。


もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。
2000|04|
2005|01|02|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|08|09|10|11|12|
2014|01|03|04|12|
2015|09|12|
2016|04|05|12|
2017|12|
2018|09|12|
2019|02|03|
2006年
11月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30


最新ツッコミ

  1. 青木@管理人 (09-11)
  2. 青木@管理人 (09-11)



  • 03月24日
    備忘録:各所の照度。
    • 1. 各所の照度測定(自分用メモ)。
  • 03月02日
    修復完了~
    • 1. 過去の日記の挿入画像、いちおう全て修復完了したつもりです。
  • 02月18日
    突然ですが・・・
    • 1. 過去の日記の挿入画像を修復中です。
  • 12月31日
    時は淡々と流れる。
  • 09月11日
    かにの泡ぶく破壊!
    • 1. まったくもう。
    • 2. Google検索ボタン付けてみた。
  • 12月31日
    新しい第一歩に向けて。
  • 12月31日
    平凡な日々を積み重ねて生きたい。
  • 05月07日
    デジタルカメラの画像処理。
    • 1. 思えば遠くに来たもんだ。
    • 2. 大雑把な流れ。
    • 3. デジタルカメラのホワイトバランス。
    • 4. ホワイトバランスの動き。
    • 5. 感度比をどうやって求めるか?
    • 6. 固定ホワイトバランス。
    • 7. オートホワイトバランス。
    • 8. ホワイトバランスシミュレータ。
    • 9. お仕事絶賛募集中〜 (^^)/
  • 04月29日
    久しぶりに更新。
    • 1. 大変ご無沙汰しております。
    • 2. お仕事募集〜 (^^)/
    • 3. 近況。
    • 4. 鎖骨骨折。
    • 5. 快晴だけど風強し。
  • 12月31日
    日々を積み重ねることで見えてくるもの。