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かにの泡ぶく


2011-04-01 四月馬鹿の日。

_ 毎週金曜日恒例(?!)近所の地表の線量測定。

『ちょっと鶴見川まで線量測りに行ってくるわ』
「は〜い」

いったいどこの国のなに時代の日常会話? みたいなノリで、先週に引き続き、近所の鶴見川河川敷に線量測定に行ってきました。相変わらず、ガイガーカウンターが見えないように紙袋に入れて・・・

先週に比べると随分静かです。β線も随分減少しました。やっぱ先週のβ線は放射性ヨウ素だったようです。また、その後、新たに放射性ヨウ素が補給されていないことも確認できました。先週以降、神奈川県を含め各方面のモニタリングポストの線量は安定して低下傾向であったことからも、福島第一原発からの新たな放射性物質の大規模空中飛散は発生していないようです。

というわけで先週分と合わせまして結果をご紹介します。

■鶴見川某所河川敷の線量測定結果
 測定日時:2011年4月1日(金) 14時〜14時半
      舗装された道(一般車両は通行禁止)から少し入った草木が生える土と芝生。
---------------------------------------------------------------- γ線のみ β+γ線 μSv/h cpm μSv/h cpm ---------------------------------------------------------------- A地点地面から1mの高さ : 0.18 12 0.18 12 土 A地点地面から1cmの高さ: 0.21 14 0.23 15 土 B地点地面から1cmの高さ: 0.27 18 0.30 20 芝生 C地点地面から1cmの高さ: 0.33 22 0.36 24 芝生
自宅ベランダ(高層階) : 0.18 12 0.17 11 ----------------------------------------------------------------
== 以下先週分 ====================================================
 測定日時:2011年3月25日(金) 13時半〜14時 ---------------------------------------------------------------- γ線のみ β+γ線 μSv/h cpm μSv/h cpm ---------------------------------------------------------------- A地点地面から1mの高さ : 0.24 16 0.33 22 土 A地点地面から1cmの高さ: 0.32 21 0.39 26 土 B地点地面から1cmの高さ: 0.27 18 0.48 32 芝生 C地点地面から1cmの高さ: 0.39 26 0.68 45 芝生
自宅ベランダ(高層階) : 0.12 8 0.11 7 ----------------------------------------------------------------

地面から1mの高さでの線量は、どの地点もそう大きな違いは無かったのでA地点のみ定量値を表示しているのは先週に引き続き同様です。

まず、先週に比べて全体の線量が有意に低下しているのが見て取れます。また、自宅ベランダの線量と、A地点の1m位置線量が今週はほぼ同じレベルになったという点も注目すべき点です。先週時点では、地表面だけでなく地上1mぐらいのところでも、降下放射性物質の影響を受けていたということを暗示する結果と言えます。

先週に比べて各測定点でのβ線量が著しく減少している点についても注目すべき点です。放射性ヨウ素はβ崩壊でβ線を出しますからこれはすなわち、福島第一原発爆発事故で飛散降下した放射性ヨウ素が半減期を向かえ、または雨で洗い流される等して濃度が減少していることを示唆しています。

先週に比べてA〜C地点のガンマ線量も減少している点ですが、自宅ベランダでの測定結果は先週と大差ないか、むしろ上昇傾向であることから考えますと、これは明らかに地表付近にあったガンマ線源が減少したと言ってよいかと思います。放射性セシウムは半減期約30年。β崩壊で半減期2分半の放射性バリウムになります。放射性バリウムはガンマ崩壊でガンマ線を出しますので、ひょっとすると放射性セシウムも降り注いでいて、そいつが洗い流される等で薄まったんでしょうか・・・ね、きっと。

いずれにしても、河川敷地表の線量は落ち着きつつあることを確認できました。


2011-04-04 新入生、新社会人達、新たな門出おめでとう!

_ スパムコメント削除したらキャッシュがおかしくなってしまった件。

今日の明け方、スパムコメントが大量に投稿されてしまったのでいちいち削除するのが面倒になってデータファイルをいきなり編集して対応したのですが、そしたらキャッシュがおかしくなって一部の機能(Latest "Tsukkomi"等)がおかしくなってしまいました。

が、かにの泡ぶく 本体には影響なさそうです。少しご不便おかけしますが、ご了承くださいませ。

_ 福島県飯舘村の被曝放射線量について-さらに補足。

ここ かにの泡ぶく も最近まじめな話ばかりで少しおかしな感じですが、4月2日の東大病院放射線治療チームのblogの記事への感想を求められたツッコミをいただき、こちらで返答させていただきました。

この返答に対してメールで何名かのかたからご意見をいただきました。こんな、放射線素人な私の言っていることをあんまり注視されても正直私も困るというか、全く責任が持てないのですが、あくまでも自己責任、そもそも私がここで言っていることは全て素人の戯言であるという前提で、少し追加的にお話したいと思います。

以下の話をお読みになる前に、まずは私が書いたコメントを良く読んでください。字が小さくて読みにくいし、リンク先を見るのも少し大変かもしれませんが、素人なりにかなり真剣に書いたつもりのコメントです。これをお読みいただいた前提で以下、話を進めます。

_ 言っていることは恐らく同じ。

福島県飯舘村の被曝放射線量について、4月2日のblogでの東大病院放射線治療チームの見解は:

    『もちろん現時点で、私たちは、この数値(放射線量)の被ばくが、一般の方々の健康に影響を及ぼすとは考えていません。しかし、妊婦の方に対しては、万が一のことを考え、政府や関係機関が対策を検討すべき観測量に達していると思います。』

に要約されていると思います。また、彼らが推計した被曝線量も、私の試算とそう変わりありません。

それに対して、私が3月31日に触れた見解は:

    『少なくとも、お子さん、妊娠されている女性、これから子供を作る可能性のある男女は、万全を期すべく今からでも避難すべきレベルだと私は思います。』

です。

立場の違いで表現は異なりますが、言っていることの性質は実は同じなんです。それは、私が書いたコメントをお読みいただければご理解いただけるかと。

よく報道で聞く言葉『直ちに健康被害は無い』ですが、これはすなわち『今、少しの間そこに居るだけなら害は無いけど、ずっと居たら知らないよ』ということと意味することが同じであるように、上記見解も、意味することは同じと思ってよいのではないかと。ただ、『直ちに健康被害は無い』ことは事実であり、自分がいつまでその状況を甘んじて受け入れることができるのか? は、各人で判断するしかないのです。少なくとも今の日本では。

_ 避難判断というのは実に難しい。

『青木さんはどのぐらいになったら避難するつもりです?』という質問を実は多数頂いてます。メールで個別に真摯に返信差し上げておりますが、こればっかりはそのときの状況によりますから、ほんと単純に言えないんですよね。

それに、私が今まで考えていたのは、浜岡原発と東海村の事故でしたから。

浜岡原発と東海村に関しては、なんらかの放射能汚染事故が起きた際に、いつの季節にどうなったらどこに避難するのがbetterか? という案は、結婚後からずっと検討しつづけています。季節により風の吹きかたが変わりますから、避難基準も変わります。子供が産まれて基準はさらに厳しくなりました。

今回の福島第一原発は完全にノーマークだったので、正直情報収集に明け暮れる毎日でした。

避難する方向とか、場所、距離はまぁ簡単に説明できないので控えますが、空間線量だけで言えばざっとこんな感じです。


ウチの平時は、0.18〜0.21μSv/h ぐらい。
1μSv/h 超えたら「ぼちぼちやばいかな?」。避難準備開始。
1μSv/h が1ヶ月以上継続し、今後も継続するようなら、避難検討。
但し、そのときの状況により、10μSv/h 程度の継続であれば避難しないかも。
10μSv/h が2日間継続し、今後も継続するようなら、避難検討。 20μSv/h が1日間継続し、今後も継続するようなら、避難検討。

    上記基準はガイガーカウンターCDV-700で測定した数値を基準にしていたのですが、その後、堀場Radi PA-1000を導入したり、シンチレーション検出器を自作するようになったこともあり、かなり正確に空間線量を観測できるようになりました。
    また、福島第一原発事故に関連して多くの情報や知識を得たこともあり、避難基準を大改定したので消しておきます。
    具体的な判断基準は説明が難しいので紹介することは控えますが、単純な線量上昇だけで避難判断するわけではなく、置かれた状況により速やかに避難するという方針にしました。

    線量上昇が観測されずとも、事前に避難する場合もあるということです。

結構アバウトでしょ。娘が乳幼児のころはもっと厳しめにしていたのですが、中学生になって少し見直した結果がこんな感じです。浜岡原発と東海村はウチから比較的距離がありますから、準備の時間も安全に取ることができます。上記はそんな背景も考慮した目安です。

でもこれも、あくまでも一つの目安に過ぎません。場合によっては(例えば超近隣の川崎市川崎区の浮島で原子炉爆発したとか)わずかな線量増加でも速攻避難するかもしれません。


2011-04-05 どうなっているのだ?!

_ 朝日新聞致命的ミス! 100mSv被曝時の発がんリスクについて。

    以下の記述は、2011年4月5日 09時40分現在の青木@管理者の知識に基づく指摘です。単に私が無知なだけで実は朝日新聞の数値は正しいかもしれません。そこんところお含みおきください。
    なお、朝日新聞には当該数値の出所について問い合わせ中であり、返答があり次第、こちらで改めて報告します。(21:13記)

今朝、いつものように珈琲飲みながら朝刊読んでいたのですが、思わず珈琲噴き出しました。

『100ミリシーベルトでがんリスク5%増』という見出しで、これをICRPの数値として紹介しています。

ICRPの被曝による発がんリスク上昇数値は、1Sv(すなわち1000mSv)のときに5.5%としているのであって、これから100mSvなら0.5%という数値が一般には使われています。低線量被曝の影響は比例計算で補間できるという根拠からです。

    上記ICRPの発がんリスク 5.5% / Sv は、「致死がんリスク」でした。よって、致死でないがんも含めると、もっと大きな値となることになります。
    ICRP勧告の原本がWebで参照できなさそうなのでオリジナルに当たれないのですが、RISTの資料「放射線被曝によるリスクとその他のリスクとの比較 (09-04-01-03)」によれば、ICRP 1990勧告では被曝集団に対する絶対リスクとして、致死がん 5.0% / Sv、非致死がん 1.0% / Sv という値が紹介されていますので、これをふたつあわせた 6.0% / Sv を、発がんリスクと考えればよさそうです。
    すなわち、1Svの1/10である100ミリシーベルト浴びると、 0.6% 発がんリスクが高まる。その内訳は、0.1% が非致死がん、0.5% は致死がん(被曝でがんになった人の83%はがんで亡くなる)ということかと。
    (2011年5月3日 09:49 追記)

    どうも上記の「非致死がんリスク」についての解釈は、かなり怪しいようです。ということで一旦取り消し線引きました。もう少し調べてみて、はっきりした数値を得る根拠が出来たらまた追記します。(2011年5月3日 18:12 追記)

おいおいって感じですよね。誰もチェックしてないのかこういう数値を。定量数値のミスだけに非常に重大なことですこれは。

大切なことなので、この忙しい朝の時間に緊急で書きました。(09:40記)

    あれ? ちょっと待てよ・・・
    上の『100ミリシーベルトでがんリスク5%増』の件ですが、ひょっとしてこれ、発がんリスク自体の数値が5%増えるってこと?
    例えば、日本人の生涯がん罹患率は約50%ですが、これが5%増えて52.5%になるってこと? それにしてもICRPの数値の1Svのときに5.5%増と合わない。
    今出先で詳細確認できないので、今晩にでもまた調べてみます。というわけで、一時取り消し線引いておきます。


    自宅に帰還後、いろいろあちこち調べてみたのですが、どうしても100mSv被曝で発がんリスク5%上昇という数字は見つけられません。よって、取り消し線は解除しました。
    本件数値の出所について朝日新聞に問い合わせ中です。出所がわかりましたら改めて報告します。(21:13記)

_ 朝日新聞しれっと訂正?! 100mSv被曝時の発がんリスクについて(2011年4月24日 10時53分追記)。

今日2011年4月24日の朝日新聞朝刊。いつものように朝の珈琲飲みながらつらつら読んでいますとなんだかつい先日見たのと同じような記事があるではありませんか。

『放射線、体にどんな影響があるの?』というタイトルのコーナーにおいて今度は、ICRPの数値として、100ミリシーベルトでがんリスク0.5%増という値を紹介しています。

上でも触れていますが、これが、ICRPが出している正しい数値です。

では、上で私が間違いを指摘した4月5日の朝日新聞朝刊のICRPからの引用数値「100ミリシーベルトでがんリスク5%増」と今朝朝刊の記事の数値の矛盾は、どう折り合いを付けるんですかね朝日新聞さん。

『4月5日付け御社朝刊で紹介されていたICRPの発がんリスク数値と、本日4月24日付け御社朝刊で紹介されていた同じICRPの発がんリスク数値が、同じ100mSv被曝時で10倍も違うのですがなぜですか?』 という質問をしてさらに突っ込んでみるという手もあるのですが、大人気ないのでやめておきましょう。

事実上の訂正記事ですよねこれ。世間に向けて正しい数値が紹介されたので、これでよしとします。

ちなみに朝日新聞さんからは、今現在、上記私の質問への回答はまだありません。恥ずかしがりやなんですかね?

ただね・・・数値は正しくなりましたが、相変わらず放射線障害をなんとか過小に思わせようという意図がありありと感じられます。記事中、この0.5%の発がん率上昇について、日本人の3人に1人はがんで死ぬから、0.5%ぐらいどってことない。たばこを吸うほうが危険だって言ってますが、この考え方は大きな間違いですから騙されないようにしてくださいね。

0.5%の発がんリスク上昇についての私の考え方(というか、私の意見ではなく論理的にも正しい考え方)はこちらをご覧ください。

あとね、たばこと比較されてもねぇ・・・たばこ吸う人は健康を害することを承知で吸っているわけですから自由意志で発がんリスク上昇させているわけです。放射線障害はそうでは無い(ラドン温泉とかに進んで行く人を除く)。無条件に、回避できない一方的に降りかかってくるリスクなわけです。自分はたばこを吸わないのに、隣の人が吸ったたばこの間接喫煙で肺がんになったら冗談じゃありませんよね。それがたとえ0.5%であっても、ないほうが良いに決まってます。

飛行機事故との比較もナンセンスです。飛行機事故に遭いたくなければ、飛行機に乗らなければリスク回避ができます。しかし、放射線障害はそうでは無い。

原発事故以降、国が定めた暫定基準値もそうです。あれは汚染食材を流通させるための騙しですから非常に危険です。各地のスーパーで開催されている「東北応援フェア」も私はどうかと思っています。本来東電と国が全量買い上げるべきものですよ。実は現地でもそう思われている人も多いようです(福島県農民連事務局長 根本 敬さんの発言)。自分は食べてもいいですが、子供には食べさせません。被曝したってよいことはひとつもありませんから・・・特に子供は。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ 青木@管理人 [小笠原さん、こんばんは! 私のところにも質問した翌日には返信があったのですが、その返信内容があまりにも的を得てなか..]

_ こんにちは [ICRPの数字(1 SVあたり5%)は、集団全体に対する絶対リスクであり、しかも、「発ガン」リスクではなくて、「ガン..]

_ 青木@管理人 [改めて調べてみました。 なるほど。確かに100mSvで0.5%は致死がんリスクでした(ICRPの1990年勧告)が、..]

_ こんにちは [どうも。 「発がんリスクとしては、これをあわせて 0.6% / 100mSv」→そこの記述を読むとそう思われるのは..]

_ 青木@管理人 [> なんども投稿すみません。 とんでもないです。こちらこそ、間違った解釈をご指摘いただきまして感謝であります。あり..]


2011-04-06 桜咲き誇る春満開・・・

_ 豊かさとは何か? 生きるとはなんぞ?

福島第一原発事故をきっかけに、原発のこと、省エネのこと、いろいろなことを改めて考えさせられたみなさんは多いことと思います。私ももちろん同様です。豊かさとは何か? 生きるということは何なのか? という、哲学的領域にまでその思考は及んでいます。

以前にもここで少し触れましたが、私は今まで原発容認派でした。資源の無い国日本において、現実解としてこれ以外のエネルギー政策は無いだろうという思いと、根っからの理系人間ですから、原子力は適切に制御すれば安全であるという考えからでした。しかし、原発の安全性はどう担保されているのか? ということを、まじめに、本当に真剣に考え、検討したことはありませんでした。なんという適当で無責任な容認根拠だったんでしょう。

我ながら深く反省です。

今回の出来事をきっかけに、原発のこと、安全対策のこと、さらには、福島第一にはじまり福島第二、東通、女川、東海、浜岡原発等、個々の原発についてもかなり詳細に調べました。ここ3週間以上、まさに狂ったように調べたおかげで、かなりいろいろなことがわかりました。これらのこと、そして、私の新しい原発観については、また日を改めてお話ししようと思います。

福島第一原発事故を受けての深刻な電力不足のため、計画停電が実施されているのはみなさんご存知の通りですが、その実施は今日現在で連続9日間見送られました。4月10日(日)までは計画停電回避できる見込みである旨すでに告知されてますから、都合連続13日間、計画停電無しってことになりそうです。

電力事情が逼迫しなかったから・・・というのが、その理由なのですが、最近になって私はふとした疑問を感じはじめております。

果たして電力は本当に不足しているのか? 原発をこんなにも作らないといけないほど電力は本当に必要だったのか?

ということです。

東京電力はオール電化を猛烈に推進していましたが、本当に電力が不足しているのなら、むしろガスとのハイブリッド住宅を推進するほうが真っ当な判断なように思います、電力が足りない(それだけでなく脱火力発電所という側面もあったのでしょうが)にも関わらずオール電化を推進し、原発を作り続ける。少なくとも3月10日までの東電・・・日本政府のエネルギー政策はそのような路線であったハズです。

冷静に考えると実におかしい。

計画停電の実施見送りには、鉄道各社が運行本数を減らす等の協力をした影響が大きいという話もありますが、最近の電車は相当省エネになっています。私がよく使う東急東横線は、日中のみ普段の80%程度の運行本数で各駅停車のみとなっておりますが、この程度の鉄道各社の運用で、どの程度の節電になっているのかは時間を見て試算してみたいと思っています。

いちばん大きいのは、各家庭、個人個人が節電に努めるようになったからじゃないのかな? って、実は考えていたり。今までも、電気を大切に・・・とか、CO2を削減しようとかいう掛け声で夏の冷房温度を高め設定推奨・・・とか言ってましたけど、夏なのにめちゃ寒いオフィスとか部屋とかロビーとかありましたから、節電に対する本気具合はいまひとつ他人事度50%みたいなところがあったのではないでしょうか。

冷暖房温度だけでなく、ほんの些細なことですが照明のこまめな点灯管理。今までなにげなく点けていた照明を、本気で消灯すれば1世帯100ワット程度の節電は難なくできるはずです。神奈川県は約386万世帯。1世帯100ワットの節電で、38万キロワットの節電になります。神奈川、東京、埼玉、群馬、栃木、千葉、茨城、山梨県の合計で、ざっと1690万世帯ですよ。1世帯100ワットの節電で169万キロワットの節電です。頑張れば100ワット以上の節電も可能でしょう。

今年の夏は、さすがにみな本気で節電すると思います。そしたら、案外乗り切れてしまうのではないでしょうか・・・

あとは、湾岸部にある工場が持つ自家発電設備の活用です。湾岸部にある工場はかなりの規模の自家火力発電設備を持っています。最近ではそのほとんどがアイドリング状態にあり、東電からの給電を受けて操業しているようですが、これらを稼動させて、東電が電力を買い入れることで相当量の電力をまかなえると思います。

これについても、近々時間を見て試算して・・・もう、調べたいことが山ほどで、いくら時間があっても足りませぬ・・・

とにかく今までは、本質をはずしたところの豊かさを追い求めるがために、自分達で不要なほどに電力を消費しまくり、電力足りなくなりそうだから原発増設・・・みたいな感じで、本当に必要な電力が足りなくて原発を増設していたのではなく、原発を作りたいがために本来不要であった電力をあたかも必要なんだと錯覚して消費していただけなのではないのか? なんて、考えたりしています。実際節電モードでいつもより蛍光灯の照明本数が減ったスーパーの店内、まったく問題ないどころかむしろ今ぐらいがちょうどいい明るさな感じです。

今まで原発容認派を明示していた私が急にこんなこと言い出してもまったく説得力ないんですけどね。

でも、自分の間違いに気がついたら、謝って直ちに修正しなければなりません。バグを見つけたら潰すまで夜も寝られないのが私の性格なのです。


2011-04-09 計画停電の謎。

_ 電力は本当に足りないのか?

先般まで行われていた計画停電について、当面は実施せず、今夏も可能な限り実施しない方針がすでに出されております。

ここでも4月6日の泡ぶくで、節電努力と周辺工場からの電力買い上げで電気は足りるのではないのか? という話をしましたが、ここにきてさらにまた一つの疑問を抱きました。

今まで実施された計画停電は、本当に必要だったのか?

停止中だった火力発電所を急いでスタートアップさせたり、地震で被害を受けた発電所を急ピッチで復旧稼動させた成果だとは思いますが、あれだけ混乱しながらも強行実施された計画停電。こんな短期間でこんなにあっさり計画を撤回出来るものなのでしょうか。それとも、もともとの需給予測が甘かったってことなのでしょうか。

あまりにも穿った見方かもしれませんが、電力は逼迫してはいるものの実は足りていた。しかし、原発路線を維持するためには原発の重要性をことさらアピールする必要があり、地震による原発停止のために停電させねばならないというストーリーを描き、その通りに計画停電を実施した。実は火力と水力をフルパワーで動かせば原発分余裕で補えるけど、それだと原発不要じゃん・・・ってことになってしまうので足りない感を演出した・・・と。

私もこんな穿った見方はしたくないのですが、今まで開示されている情報だけでは、これを否定する根拠が無いんですよね。

今回の地震で止まったのは原発だけでありませんから、実際電力不足は事実なんだと思いますが、あんなことになっている福島第一原発のことばかりが報道されているおかげで、今の電力不足=福島第一原発の影響 と感じている人が多いことも事実です。

でも実際問題どうなんでしょう。以前、東京電力の原発事故隠蔽工作がバレて、東京電力管内の原発が全部停止したことがありましたが、「大停電大停電原発停止で電力完全不足状態」って騒がれていたわりには火力水力フルパワーと節電努力で乗り切れましたよね。

そこで今回の計画停電です。予想される需要電力から不足する電力量の概算値のようなものは公表されておりますが、こんな数字だけではよくわかりません。私は、こんな情報の開示を要求します。

■東京電力が持っている発電設備一覧
・原子力発電所
・火力発電所
・水力発電所
・その他
■震災前の発電設備それぞれの供給可能電力と発電量一覧 ------------------------------------------      原子力  火力  水力  その他 ------------------------------------------ 最大出力 xxxx KW/h  xxxx KW/h  xxxx KW/h 定格出力 yyyy KW/h  yyyy KW/h  yyyy KW/h 現在出力 zzzz KW/h  zzzz KW/h  zzzz KW/h
■震災後に稼動可能な発電設備それぞれの供給可能電力と発電量一覧 ------------------------------------------      原子力  火力  水力  その他 ------------------------------------------ 最大出力 xxxx KW/h  xxxx KW/h  xxxx KW/h 定格出力 yyyy KW/h  yyyy KW/h  yyyy KW/h
■実施された計画停電の効果について ------------------------------------------ 3月28日 第二グループABCで実施した結果、xxxx kWの節電効果があ      り総電力供給量は、yyyy kWとなりました。

被災地を停電に陥れるようなことしておきながら最も電力消費の大きいと思われる東京23区内は対象外。今まで実施された計画停電の効果についても、全く公表されておりません。

計画停電の区域分けと実施については不公平感があるという報道もなされておりますが、それ以前に、この計画停電自体の有効性が疑問ですし、実施判断に至る経緯も実に疑問です。このへん東京電力の今までの説明は、あまりにも不十分と言わざるを得ません。今回の震災で、なにがどれだけ不足しているので、停電は避けられないごめんなさいという詳細な説明があってしかるべきでしょう。

東京電力から出された計画停電実施について、日本政府の対応もあまりにもお粗末です。「已む無し」ということで速攻了承しましたが、本当に必要なのか? なにがどう足りないのか? 等をはっきりさせてから判断するべきでしょう。ひょっとしてそのような資料がすでにあるのであれば、開示、説明してしかるべきです。

いち民間企業に日本経済、住民の生活品質がコントロールされているわけです。よくよく考えるとこれは異常な事態です。そして、今の日本政府は、このいち民間企業をコントロール下においているとは、とても思えません。福島第一原発対応にしても、電力供給体制にしても。

非常に危険です。

_ 計画停電分の基本料金の返納。

これも問い合わせてみようと思っているのですが、計画停電を実施された区域に居住の電力使用者には、計画停電時間分の基本料金は払い戻されるのか? という点です。

サービスの一方的な遮断をしているわけですから、少なくともその時間分は契約不履行ということになりますよね?

それとも、電気事業法にこのへんの規定もなされているのかな?

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

_ うめ [「計画停電は原発の必要性アピールのため」という読みは、私も同感です。 それ以外に必然性が見あたりません。ここまで分か..]

_ 青木@管理人 [普通に考えておかしいよね、いろいろと。 > 今日の朝日新聞に、計画停電の実績に基づいて料金を割引するという記事があ..]

_ うめ [どういたしまして。(^o^) 東電の「お上意識」が出ている良い例でしょうね。 「電気を供給してやってるんだ」という..]

_ 青木@管理人 [もし民営化をこのまま継続するのなら、電力自由化を本気で検討しないといけないね。 あと、東京電力が発電所を扱うことが..]

_ うめ [原発全体はやむを得ないでしょうね。 これだけの被害を出して(まだ出そうですが)、新しく原発を建てるというのは理解され..]


2011-04-10 春爛漫!

_ 花見日和。

統一地方選挙の投票に行ってきました。世間はすっかり春爛漫の花見日和。少し汗ばむほどの陽気につられて、カメラ持ってお散歩がてら桜めぐりです。



すっかり満開の桜。いつ見ても綺麗なものですね?。




鶴見川沿いの土手道を歩きつつ、ふと、道端に目を落とすとすごい小さいながらも綺麗な花が沢山さいているではありませんか。足を止めて、しゃがみこんでじっくり観察してみます。




本当に小さい花なんです。個々の花は直径1cmにも満たないぐらい。でも、よ?くみるとどれもとっても個性的で実に可憐で美しい。桜めぐりを急遽中断して、道端の花めぐりに変更です。



残念ながら私は植物にはあまり詳しくないので、いつもなら、道端に生えている草は全部ひとまとめに『雑草』扱いなんですがさすがにこれだけ個性的で可憐なお花たち。失礼すぎて『雑草花』なんて呼ぶわけにもいかず、家内に写真を見せてみると、「これはムラサキカタバミ、これはホトケノザ、これは・・・」と、全部の正式名称判明。

へぇ???って、感じです。





お邪魔しました。

_ 開票速報。

只今23時12分。各方面から統一地方選挙の開票速報が流れてきます。

なんなんですかね・・・

民主主義って、時間の経過とともに劣化していくものなんですか?

それとも私が世間から乖離しているってことなのかなぁ・・・

もちろん主義主張は各人各様であるべきだと思います。だから、私が民主主義の日本の今の時勢にあれこれ言うのもおかしな話だとも自分で思います。

でもこうなんというか・・・

それが民意なら仕方ないのか。


2011-04-12 再度の電源全喪失。

_ 福島周辺集中余震発生。

昨日の夕方の地震で、福島第1原発再び電源全喪失して1〜3号機の原子炉への注水が約50分中断しました。

おいおい、バックアップしてないのかよ電源車。これだけ余震が続いているんだから東北電力外部電源喪失ぐらい普通に想定内でしょ。外部電源落ちたらすぐに別の手段での注水に切り替えられる体制が無かったってことに本格的に怒りが沸いてきました。と、同時に現地対応に当たっている皆さんの境遇があまりにも哀れすぎる。

現地はそれこそ大変な決死の作業だと思います。一日も早くゆっくり休めるときが来ることを祈るしかないですが、全体をちゃんと見て現状分析し、指揮管理できる人間が現場に居ないか、著しく不足しているということがこれで判明しました。

無駄に時間と人手とリスクを浪費することのないよう、まともな指揮官を直ちに現場に置く必要があります。

これが普通の会社の平時なら、馬鹿な上層部組織に見切りをつけて辞表を出すことができますが、今の現地はそんな状況ではありません。現場の皆さんは自分の気持ちを殺し、自分達でやるしかないという使命感のみで対応に当たっていることと思います。

せめて皆さん全員が、まともな指揮官の元で作業できることを切に願います。

_ 海洋投棄は本当に避けられなかったのか。

先日、日本政府と東京電力は、福島第一原発の集中廃棄物処理施設に貯まっていた低レベルの放射能汚染水約1万トンを海洋投棄しました。

決定から実行までわずか数時間。関係機関、近隣の漁協等への事前通告無し、周辺国への事前打診も無しにです。

日本ってここまで低レベルな国家になってしまったのかと、いち日本国民として実に悲しい思いをしています。

協議している時間は無いかもしれませんが、政府のしかるべき省庁に指示を出せば、周辺国や漁協など関係者にせめて事前に一報入れることぐらいは出来るでしょう。

そもそも、原子炉の水位が維持できずに注水を続けなければならない状況を見れば、水がどこかに漏れているなんてことは馬鹿でも分かることです。素人な私ですら建屋から放射線が非常に高レベルな水が見つかった際、「あの注入水は建屋にじゃじゃ漏れになっているんだろうなぁ・・・建屋のどこかから染み出て海にまで行ったヤツらが、海で高濃度で検出されているに違いない」ぐらいなことはすぐに想像つきました。

であれば原子炉建屋内で見つかった高レベルのじゃじゃ漏れ水は注水を続ける限り今後も増え続けるってことも馬鹿でもわかることです。その時点で、なんで原発敷地内に穴掘って汚染水を貯める準備するとか、しなかったんですかね。出来なかったのだとしたら、その説明が必要でしょう。

現場を知らない私にこんなこと言う資格は無いかもしれませんが、あまりにも安直に放射能汚染水を海に流す判断がなされてるようにしか見えません。

低レベルだから影響ないとか、そういう問題では無い。先進国であり、非核三原則を掲げる日本が、自分の意思で海に放射能汚染水を流したのです。この事実は非常に重い。国際法がどうなのか知識は無いですが、そんなことに関係なくこれは明らかに世界に対する犯罪行為だと私は思います。

海に流さないようにするための充分な努力を行ったのか。意地でも海を汚さないという姿勢が少しでもあったのか。

そして日本政府は、「絆」なんて各国新聞に掲載する暇があったら、放射能で海を汚してしまったことについて世界に向けてお詫びするべきです。詫びて済む問題ではありませんが、詫びるしかない。

それが元来の日本人の心というものでしょう。

_ レベル7になったことよりも今まで隠していたことのほうが問題だ!

asahi.comより(http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120085.html

福島原発事故、最悪「レベル7」チェルノブイリ級に
2011年4月12日12時39分

「福島第一原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、これまでに放出された放射性物質が大量かつ広範にわたるとして、国際的な事故評価尺度(INES)で「深刻な事故」とされるレベル7に引き上げた。原子力史上最悪の1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する。」

・・・途中省略・・・

「内閣府の広瀬研吉参与(原子力安全委担当)は「3月15〜16日に2号機の爆発で相当量の放出があった。現段階は少なくなっていると思う」と話した。」

少なくとも先月時点ですでにとっくにわかっていたことなのだと思います。なぜ今まで隠蔽していたのか?

先月12〜15日にかけて次々と爆発した福島第一原発1〜4号機。その後、福島県を中心として周辺各県土壌から検出された放射性物質の量や、東京都にまで飛んできて水道水を汚染し、ウチの近くの鶴見川でも線量の明確な増加が確認できるほどの放射性物質飛散を考えれば、少なく見積もってもレベル7相当以上であることは、『専門家のみなさん』ならすぐにわかることでしょう。

それを今頃公表する。

実に分かりやすい選挙対策ですね。

日本がこんなにも駄目駄目になっているにも関わらず、統一地方選挙前半戦の投票率はどこも軒並み50%割れかちょい超えるぐらい。「大震災による自粛ムードが・・・」とか言ってますが有権者達、棄権してどうする。自粛と棄権はまるで違うぞ・・・ってことを思いつつも、自分の打った字が液晶モニタ上で空しく表示される様を、思わずじっと見つめるしかないのか・・・

_ 混ぜりゃそりゃ薄まるよ!

「福島県の原乳出荷規制解除予定」というニュースを見て、『随分早い解除だなぁ・・・原乳の放射線量なんてそんなすぐに下がらないだろう』と疑問を抱いた私。

気になったので少し調べてみたらなんと!『今回から検査方法を改め、前回(3月29日)に暫定基準値を下回った市町村の原乳は戸別検査をせず、県内10の乳業メーカーなどが、他の市町村産と混ぜた後の原乳で測定した』(msn産経ニュースより)んだと!

おいっ! もうなんでもありなんですか日本は。品質が高く安全だと思われてきた国産の食材が、いまや一気に一番危険な食材となりつつあります。

先日は、茨城県知事が厚労相に放射性物質が検出された農産品に対する出荷制限について、暫定基準値を引き上げるように要請したとかいう話もありました。(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110325/plc11032521280051-n1.htm

どう考えてもおかしいです。

確かに農家や酪農家のみなさんは大変な被害を被っていることと思います。が、茨城県知事がすべきことは厚労相に暫定基準値を引き上げて汚染食材を出荷させろと交渉することでは無く、茨城県ブランドを守るため、検出された放射線量の値を正しく開示し、汚染された食材は責任を持って流通を止め、それを全量東京電力に買い上げさせるか、受けた被害を東京電力に請求することだと思うのです。そして、被害を受けた生産者に資金援助すべく、県を挙げて、国にお願いして、資金確保する。

生産者にだってプライドがあるハズです。あるハズだと信じたい。基準値引き上げてもらったからって、汚染された食材を出荷したがる生産者が居るはずがないのです。

汚染原乳をまともな原乳と混ぜて薄めて出荷OKとか、暫定基準値引き上げたから昨日まで汚染物扱いだったものが今日から出荷OKとか、そんなことやっているから国民は東関東で生産された食材を怖がって敬遠しちゃうようになるんです。

これは、風評被害でもなんでもありません。得体の知れない食材に対するごく真っ当な、自己防衛行動です。

・・・・と、実は私はさらにふと考えていることがあります。

汚染原乳希釈工作にしても、放射性物質出荷制限暫定基準値の引き上げ要求にしても、本当に現場の生産者のみなさんが、そんなこと望んでいるのだろうか? 現場の生産者のみなさんはそんなことまるで望んでいないのではないか? この、一連の動きによる国産食材に対する国民の不信感は、意図があって誘導されているのではないのか・・・? ということ。

そう、TPPです。

福島第一原発事故のレベル7引き上げ発表が選挙連動シナリオ? という推測の延長線上にこの一連の暫定基準値を巡る動きがあったとしたら・・・

私の考えすぎですかね。

ぜひ私の考えすぎであって欲しいです。本当に。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ 青木@管理人 [そうそう。そもそも暫定基準値が甘すぎなんですがね。 国民側も勉強しないといけないのですが、本当はそんなことも、政府か..]

_  [暫定基準ってのは、文字通り一過性の「一時的な摂取」を前提にした数字の筈なんですよ。それを今回のような収束未定の事態に..]

_ 青木@管理人 [最近、「検出されず」という表現をよく見るようになりましたが、あれが、測定の結果ゼロだったのか、暫定基準値以下だから「..]

_ yimamura [僕が違和感を感じる表現は「ただちに人体に影響はない」です。 そりゃないだろうよ、「ただちに」は。]

_ 青木@管理人 [放射線障害で直ちに出てくるほどの影響つったら、即死に等しいですからねぇ。 ほんと気をつけなければなりません。]


2011-04-13 生きるということ。

_ 日本政府は国民に真摯に説明せよ!

福島第一原発の放射能汚染事故を巡っては、東京電力の対応のまずさ加減は明らかで、これは断じて許されるものでは無く、事態が収束次第(っていつ?)時間をかけてきっちりと検証し、責任所在を明確にし、しかるべき対応を取らせ、国民としてもしっかり監視してゆく必要があるのは言うまでもないことですが、一方で、原発政策を推し進め、あまりにも過小な想定を前提に『絶対安全』神話をまことしやかに提唱しつづけた日本政府(歴代与野党政権云々の問題は置いておいたとして・・・)の責任も当然ながら回避できますまい。

もちろん、そんな日本にしている我々有権者の責任も同様に・・・です。

昨日、福島第一原発の放射能汚染事故がレベル7に格上げされたことはすでに周知の通りですが、この事態を日本政府はすでに3月17日の時点で認識していたとの報道も出ております(菅政権の政府高官の話として by asahi.com)。

こんなに早期にレベル7を認識していながら、相変わらず避難指示圏を拡大しなかった日本政府。『直ちに健康に害は無い』といい続け、飯舘村や浪江町、その他の原発周辺の市町村を放射線に対して野ざらしにした日本政府。これはどんな理由があっても許されることではありません。

そして今日。

菅直人首相が「原発周辺についてそこに当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのかということになってくる」という発言をしたと報道され、福島の人には本当に申し訳ないのですが、私は、やっと日本政府は本当のことを言い始めたのか・・・と、思いました。しかし、その直後に菅首相は「私の発言ではない」と直ちに否定。

一方で佐藤雄平福島県知事は、「私どもは1カ月間、1日も早くみんな古里に戻ってもらいたいと思って苦労しているのに、そんな報道があったとはとても信じられない。その一言だ」と述べたと。

地震津波の天災は日本に住む以上想定し、受け入れていくしかないことですが、これらにさらに追い討ちをかけて原子力災害で避難生活を強いられる苦労は当事者にしかわからないものだと思います。気持ちは分かります。でも、事実は事実であり、福島第一原発周辺区域が放射性物質に高レベルに汚染されてしまったということは、確かに今、起きていることなのです。感情論を述べる前にやるべきことは、県市区町村を率いる立場の人たちは、現状を正確に把握分析し、住民達の今後の生き方をどうするのかを考え、丁寧に、しかし迅速に住民に説明することです。もしすでに実施されていたらごめんなさい。

事故が起きて一ヶ月以上が経過しました。今までの日本政府の対応並びに情報開示姿勢を見ていれば、政府の指示が出るタイミングは全てにおいて事象の後追いであることは明らかです。

福島県内にホットスポットが生じることはかなり以前に、SPEEDIの予測やアメリカの予測から判明していたことです。そして、ほぼ予測通り、3月15日以降、空間線量急上昇です。この時点で子供には安定ヨウ素剤飲ませて翌日には避難させるべきだと以前にも書きましたが、今になってようやく「計画避難」です。その理由も、「被曝線量がそろそろ限界だから」というもの。3月31日の泡ぶくで、飯舘村の累積被曝線量を計算してみましたが、原子炉建屋爆発による線量急上昇があった場合、その被曝強度は爆発直後が最大でだんだんと弱くなっていきます。放射性ヨウ素は一ヶ月経つと1/16の量に減少します。すなわち、初動が非常に大切なんです。

しかし、今の日本政府にこの初動判断と避難指示を勇気を持って的確に出せる人は、恐らく居ないでしょう。

私は神奈川県横浜市在住ですが、横浜に住んでいる私ですら、一時は避難を考えていました。今から7年前のことになりますが、東海村、もしくは浜岡原発がおかしくなったときに備えてガイガーカウンターやポケットに入れておける小さい線量アラームを用意し、合わせて放射能事故が起きたときの対応についての基礎も勉強しました。ウチの娘は今中学二年生ですが、娘が幼児だったら、あるいは、胎児だったりしたら、万全を期して今回程度の事象でもすでに避難していた(させていた)かもしれません。

逆に、娘がすでに成人していて身内に未成年者が居なかったりしたら、日々累積線量を気にしはしますが、まだまだ全然余裕で過ごしているでしょう。「おまえはまだ若いんだから、そろそろ逃げる心積もりしておけよ」ぐらいのことは娘に言うかもしれませんが。

正直言って、東海村や浜岡原発がおかしくなったとき、日本政府からまともな情報と指示が出るとは全く思っていませんでした。今でも思っていませんし、今回の福島第一原発の一連の流れを見ていて、悲しいことに私の判断は間違っていなかったことが確認されてしまいました。非常に悲しいことですが憂いてばかりも居られません。自分と家族の身を私が守らねばならないため、メディアで報道されている情報が事実なのか嘘なのかを見極める知識と手段が必要なため、こうして自衛しているのです。

日本政府からの情報開示は後からしか、やってきません。自分達はとっくに遥か先に逃げておきながら。

原発を抱える周辺地域の県市区町村を率いる立場の人たちは、放射能災害が起きた時どう行動するべきかを常に検討し、放射線障害はどういう性質のものなのか、最低限度の知識を得ておく必要があると思います。そして、有事の際には国はこんなぐだぐだですから、地方自治体権限で住民の命を守る判断をしなければならないのだと私は思います。そして、日頃から住民のみなさんにも、放射線障害についての基礎を周知させるべきだと思うのです。

被曝による健康被害がどういうものなのかを理解してもらえば、『若者、妊婦さんは自分のため、胎児のため、明日の日本のためにとにかくここから避難してくれ』『私らはもう高齢だし、ここの線量ならさほど顕著な被害はないだろうからここに残る』というような、冷静な判断が出来るようになると思うのです。

現実はそんなに単純じゃないとは思いますけど。

今後数十年、東関東、場合によっては日本全土は、今回の福島第一原発人災被曝と付き合っていかねばなりません。そんな時代になってしまったのは実に悲しく空しいことなのですが、すでに事実なのでどうしようもありません。

それとこれは冗談でもなんでもなく、天気予報でやっている花粉情報と合わせて、明日の放射性ヨウ素・セシウム飛来予想とか、明日の放射能汚染海流予想等をぜひやってもらいたいと思っています。

花粉飛来を予測できるのですから、発生源が「いまのところ」ひとつしかない放射能汚染予測は、日本の技術をもってすればかなり正確に出せるはずです。

放射能汚染情報を発表するのって、気象予報士の免許が居るのでしょうか。天気予報とはちと違いそうですから、今のうちならまだ誰がやっても大丈夫そうですよね。

ぜひお願いします。反骨精神旺盛なウェザーニュースでやってくれないかな。

_ 実際浜岡原発が爆発したらどうするか?

今回の福島第一原発事故で「やっぱりな」と思ったのは、福島県原子力センターと環境防災Nネットで行われているモニタリングポストでの空間線量リアルタイム更新が停止されたこと。今日現在でもまだ停止中です。停止の理由は不明です。

一方で、その周辺地域にある空間線量リアルタイム更新サイトは設備の復旧に伴い地震後間もなく、線量情報を公開しはじめました。

これらの情報は、非常に有用です。そして、線量が異常値を示しても「調整中」にせず、ひたすら淡々と生の数値を更新し続けてくれる運用には心から感謝するとともに、運用サイドの執念、プライドを感じました。

ウチで測定していた線量推移と、神奈川県環境放射線モニタリングシステムの川崎地区の値が非常に高い相関を示すことも今回確認できました。

もし、浜岡原発が爆発したらその周辺は酷いことになっていそうですから静岡県環境放射線監視センターでリアルタイム公開している線量情報は停電や機器の損傷等で運用停止することが想定されます。そうなると、神奈川県環境放射線モニタリングシステムに望みを託しつつ、自宅で線量測定しながら状況推移を見守ると言った形になるのでしょうか・・・

そうはならないと思っています。

今回の福島第一原発事故にまつわる種々の情報は、私が主たる被害が発生した地域の「外側」に居たから得られた情報であったという点には充分留意が必要です。

浜岡原発が爆発するほどの被害を受けたら、固定電話、携帯電話、インターネットインフラの途絶も想定しておかねばなりません。

地震による関東首都圏大規模停電も当然におきそうです。仮に、なんとかローカルで電力を確保でき、携帯基地局が生きていて、電波でインターネットに接続できたとしてもそんな状況ではまともにパケットは通りそうにもありません。

ウチには避難持ち出し用の中波ラジオは数台あり、最近では外出時には必ず1台持ち歩くようにしています。関東・東海地方に大地震が来て、東海村、浜岡原発がおかしくなったとしたら、恐らくはラジオから原発の異常を知ることになるのだと考えております。

交通インフラがどの程度稼動しているかは未知数です。このへんは状況を見ながら臨機応変に対応していくしかなさそうですが、自家用車での移動は極力避けるでしょう。他に手段が無く、道路が走行可能な程度の破壊であった場合にのみ已む無く使用って感じでしょうか。

まだまだ検討するべきことは、沢山あります。毎日少しずつでも、防災体制についての検討、整備を進めていきたいと考えております。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_  [まったく同意です。 特に、原発周辺自治体の首長には、感情的反応だけでなく、冷静な判断と対応をお願いしたいです。 国が..]

_  [自体収束→事態収束でした(^^;)]

_ 青木@管理人 [全くもっておっしゃる通りです。 特に、情報開示について。平時は近隣諸外国の言論封鎖や情報統制をさんざん非難していた日..]


2011-04-15 数値評価は客観的なものであるハズ。

_ レベル7を巡る攻防。

福島第一原発放射能汚染事故に対する国際原子力事象評価尺度(INES)を最悪のレベル7に引き上げたと日本政府が発表したのが4月12日。これを巡って、各方面で「過大評価だ」「いいや適切だ」「もっと前からレベル7だったろ」みたいな激しい攻防が起きています。

見ていて面白いですね(あ、不謹慎な面白さを感じているわけではありません)。

INESの基準を見てみます(リンク先はWikipedia)と、レベル7は以下のように定義されています。

国際原子力事象評価尺度によるレベル7「深刻な事故」の基準:
基準1「事業所外への影響」:放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で               数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出。 基準2「事業所内への影響」:原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能。

今まで発表されている内容から判断すれば、『大気中に拡散放出された放射性物質の量のみ』(←ここ重要!)で、原子力保安院の試算が37万テラベクレル、原子力安全委員会の試算では63万テラベクレルと、どちらも基準1を余裕でクリア。そして、水素爆発による建屋破壊、格納容器損傷、圧力容器もきっとすでに底に穴開き水じゃじゃ漏れ。再建なにそれ・・・みたいな状況を見れば、基準2も余裕でクリアです。

どこからどう見てもレベル7の最悪レベル決定ですこれは。

それを、この場に及んで『チェルノブイリと比較して事情は全然違うから、過大評価だ!』と言って、少しでも事態を過小評価したがる人たちは、もれなく全員原子力発電推進派だってのが、構図としてはっきりしすぎていて滑稽です。

レベル7とチェルノブイリの災害規模は独立しているものであり、比較できるものではありません。当たり前ですがチェルノブイリの災害規模を元にレベル7が策定されたわけではありません。レベル7は明確な基準あってのレベル7であり、チェルノブイリの災害規模はレベル7ですがそれがあまりにも超越しているということなのです。レベル7以上のレベルが無いので、これは仕方ないのです。

彼らの論理で行けば、時速100Km制限の高速道路を、インタークーラーターボ付きの軽自動車で時速150Kmで走行中スピード違反で警察に捕まったとします。『軽自動車で頑張ってここまで加速したのだからスピード違反では無い! ランボルギーニで300Km出したのに比べればあまりに軽微だ! スピード違反は過大評価だ!』と言っているのと同じです。

これを一般的には、逆ギレ、あるいは、頭がおかしくなった人 と言います。

スピード違反はスピード違反です。違反の程度は違うとしても、そこに確固たる基準があって、それを超えたものはスピード違反になるなんてことは、私が幼稚園児のころでも分かることです。

各国政府、高官、大学教授、専門家ら、本来は世の中を率いていかねばならない立場の層であっても原子力という利権の前には、ここまでおかしなことを平気で言い始めるんだなってことに、今更ながら驚きます。

あ、昔からそうでしたかね・・・? 失礼しました。

_ チェルノブイリ超えは確実か?!

4月12日の東京電力の記者会見を見ていて『おやっ?』と思ったことがありました。それは、いつもなにかと情報公開先延ばし隠蔽工作重要なことはその日の朝刊に間に合わないように朝4時以降に発表しているように思えるのは気のせいかな? の東京電力が、4月12日早々に『福島第1原発は放射性物質の放出を止め切れておらず、(放出量は)チェルノブイリ原発事故に匹敵、または超える懸念がある』(東京電力松本本部長代理)と言ったことです。

今回レベル7に認定された放射性物質の飛散試算は、あくまでも『大気中に拡散放出されたもののみ』なんです。海洋に漏れ出たもの、自分達で海に放出しちゃったもの(海に、世界に早く謝れ!)は含まれていないんですね。

おそらく、これらを合算すれば今の時点ですでにチェルノブイリの放出量を超えていると思われます。それを見越しての発言でしょう。実は2号機取水口近くから放射能汚染水が海に流れ出ているという報道があった際に、それがトレンチに溜まっている1200万ベクレル/mlの放射能汚染水と同じものだとして、どのぐらい放射性物質が流れ出ているのか試算したのですが、とんでもない数値になりました。あまりにも適当な予測に基づく試算なので具体的数値の公開は控えますが、ここ以外にも、建屋のヒビ等で地中に放出された分などもあるわけで、もうとっくにチェルノブイリどころの量ではなくなっている可能性が非常に高いです。


2011-04-20 春うららかな空の寂しさ。

_ 日本はなぜ原発を止められないのか。

福島第一原発の事故を受けて、非常に対応の早い反応を示したのはドイツとイタリアでした。

チェルノブイリ事故の時に稼動していた全ての原発を停止させたイタリア。その後のエネルギー不足から原発の新設をする方向で動いていましたが、一転して新設方針凍結です。

そしてドイツ。一旦は現在稼動中の国内原発の稼動期間を延長したものの、福島第一原発の事故を受けて国内原発の稼働時間を短縮することで国としての方針を決定しました。わかりやすく言えば、『一旦はまだまだ安全だと思って原発稼動期間延長したけど、やっぱ全然危険で間違った判断でした。ごめんなさい撤回して原発止めるようにします』ってことです。

国家の判断がこれほど短期間に180度修正されることもすごいとは思うのですが、よくよく考えてみればこれも極めてマトモであって当たり前の判断だと言えます。

とはいえまぁ、イタリアもドイツも日本とは事情がかなり異なり、地続きの周辺各国・・・原発大国フランスから電気を買うことができるということも大いに関係してはいると思うのですが。

一方で日本。

福島第一原発の事故で一ヶ月以上を経た今なお放射性物質を世界に向けて撒き散らし、今なお収束に向けての作業で人命を危険に晒し、恐らく数年以上の期間、国土の一部を事実上失い、震災に追い討ちをかけるように大勢の人々に原子力災害からの避難生活を強いています。普通のマトモな国ならば、とりあえず全ての原発を止めることを検討しはじめるべきだと思うのですが、なんでそういう声が全く出てこないのでしょう。ドイツやイタリアと違って、原発事故当事国であるにも関わらずです。

電源全喪失を想定した避難訓練をはじめたとか、現状よりさらに高い防潮堤を作ることにしたとか、ウチは福島第一とは構造が違うから安全だとか、動かし続ける気満々な前提に立って話を続けています。

当面の安全性を現状以上に高めるという考え方は間違ってはいないとは思いますが、今こそ、その先に、速やかなる原発停止という目標を立てるべき時だと思うのです。

何度かここでも書きましたが、私は2011年3月11日までは原発容認派でした。が、その後いろいろなことを調べ、勉強し、今ではすっかり反対派になりました。以前まで自分が原発を容認していた根拠の軽薄さ、無知さ加減を痛く反省しました。どうして「安全だ安全だ」としか言わない政府、電力会社の言い分をたいして調べもせずに受け入れてしまっていたのか。原子力の専門家では無いから詳しいことは分からないとかいう問題では無く、もっとちゃんと調べておくべきだったと猛省しています。と同時に、自分の無知ゆえ、2011年3月11日まで間違った判断をしていたことをこの世に、後世の人たちにお詫びしなければならないと思っています。

最悪「想定外」が起きたときであっても安全に制御できて安定化できないようなものを動かしてはいけません。

人類がどんな想定をしたからってそれは無駄であるということを、福島第一原発の事故から学べなかったら本当にこの世は滅び行くしかないと思います。

朝日新聞が4/16,17に行った原発に対する世論調査( http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104170324.html )では:

原子力発電は今後どうしたらよいか?
 増やす方がよい  : 5%
 現状程度にとどめる:51%
 減らす方がよい  :30%
 やめるべきだ   :11%

この期に及んで原発賛成、容認派合わせて56%の過半数超え。どうかしているとしか思えない私のほうが、どうかしているのでしょうか。

福島第一原発の事故で、今まで想定していた地震や津波の規模は全く当てにならないということが判明しました。

全く当てにならない想定の元で設計建造された原子力システムを今も、今後も動かし続けるというのは、狂気です。

日本はどうしたら原発を止められるのでしょうか。なんでこんな当たり前なことができないのでしょうか。

想定以上の地震は来ないと思っているのでしょうか。想定以上の津波は来ないと思っているのでしょうか。

謎です。

一方で管首相。参院予算委員会で日本の今後の原発のあり方について、『白紙からの検証をしなければならない』『何か決まっているからそのままやるんだということにはならない』と、従来の日本政府の原発中心路線を見直す方針であることを明言したことは少し明るいニュースだと思います。もっとも、今の福島第一原発の有様を見ればこう言うしかないのかもしれませんが、ただ、逃げようと思えば『今は福島第一原発の収束に全力を尽くすことが云々かんぬん・・・』なんて言うことも、出来なかったわけでもないでしょう。

ここはひとつ素直に、管首相の勇気ある発言を評価したいと思います。

これでまた原発利権ウマウマ派からの、管首相降ろし攻勢が激しくなるのでしょうね。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_  [私も同じく、物凄い絶望感に苛まれています。 各地の原発で(今ごろになって)電源の多重化やその喪失を想定した訓練が行..]

_ 青木@管理人 [率直な意見というか、感想を書きます。 多くの日本人は、なにかいつもと違う事態が起きると、自分では何もできない、判断で..]


2011-04-22 よんどころない話・・・

_ 節電目標15%に緩和。

YOMIURI ONLINE( http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110421-OYT1T01145.htm )より。

節電目標、15%に緩和…大企業・家庭一律に

・・・省略・・・

 東電は21日、政府に対し、15日発表段階の5200万キロ・ワットから300万キロ・ワット程度上積みした電力供給見通しを報告した。東日本大震災で運転休止中になっている火力発電所の復旧や、夜間に余剰電力で水をくみ上げて昼間に発電する揚水発電などで供給力が増えるメドがついたためだ。
(2011年4月22日03時06分 読売新聞)

相変わらず実に小出しにしてきますが、結局のところ、おそらく電気は足りているんでしょう。ここ最近、すごい勢いで電力事情のことを調べてきて、いろいろなことがわかりました。検索エンジンを使えばすぐに情報にアクセスできますのでここでは改めて触れませんが、結論から言うと原発が無くても現状でどうやら電気は足りている。原発を動かしたいがために、原発以外の発電所をわざわざ休止、出力調整運転しているということが、わかりました。

原発が電力の3割をまかなっているわけではなく、原発に3割をまかなわさせるために他の手段での発電電力をわざわざ低下させているのです。

このへんの事情を東京電力は全く開示してきません。あたかも原発がないと電力が3割不足するかのように思わせる、巧妙な仕掛けで情報を出してきます。

そして、今回のように、原発の有用性をあくまでも訴え続けるために電力が足りない感を演出している。こういうことなんじゃないですかね。

さらに深いのは、これは東京電力だけの意図でやっているわけではなさそうだ・・・という点です。これについてはもう少し自分なりに解明してからお話ししたいと思います。

湾岸地帯にある、東京電力以外の工場が持つ自家発電量だけでも相当なものがあります。これらを稼動させて電力を買い上げれば、全然余裕で足りそうですよ。しかし、工場はここ数年、自家発電設備をほぼ停止しており、東京電力から自分で発電するよりコストの高い電気を買っているそうです。

自分で発電したほうが電気代安いのになぜ東京電力から電気を買わねばならぬのか・・・二酸化炭素排出規制です。これがあるために自工場の発電所を稼動させることができず、東京電力から電気を買わざるを得ない。

で、二酸化炭素を出さずにクリーンな電気を発電できるという触れ込みの原発が、今までは猛烈に推進されてきたわけです。

調べれば調べるほど、謎が深まる原発。二酸化炭素排出規制は地球温暖化防止が目的ですが、原発の冷却により上昇する海水温は、地球温暖化にダイレクトに影響してそうな気もするのですがどうなんですかね。よくよく考えてみれば、二酸化炭素だけで縛るというのは論理に無理があるように思います。そもそも私は、二酸化炭素が地球温暖化の要因だという説には甚だ疑問を感じているものです。これは巧みに設計された陰謀だ・・・ぐらいに思っているのですが、これについてはまた別の機会に触れましょう。

原発から出る放射性廃棄物を無害化する処理を研究するより、火力発電所から出される二酸化炭素を吸着する処理を開発するほうが、よっぽど安全だし実現性が高いと思うのですが(調べてみたらすでにいくつかなされれますね。例えば四国電力の「二酸化炭素の回収方法及び二酸化炭素吸着剤」)。

どうしてこんなにまでして原発を造りたがるのか・・・はじめは単なる利権絡みのおカネの問題なのかと思っていたのですが、調べていけば調べるほど、どうもそんなに単純でシンプルなものでは、なさそうであるということがわかってきました。

資源の乏しい日本にとって、原子力はぜひ手にしたいエネルギー源である・・・という考え方も、どうもあまり当てはめられそうにありません。ウランは人形峠等で試験採掘されたものの、結局埋蔵量とコストが見合わず全量輸入に頼っているという状況です。事情は原油となんら変わりありません。

化石燃料の枯渇が叫ばれたのは1970年代の石油危機のころ。この頃は、あと30年で原油は無くなるとか言われてましたが、いまだに普通にあります。普通にあるからってもちろん無駄使いしてはいけないのですが、まぁ、これはその当時に推定された取ることのできる埋蔵量からざくっと試算した数値でしょう。その後新しく油田が発見されたりで量が増えたのかもしれませんが、ウランだって使っていれば枯渇する資源であることに変わりはありません。使っていればいつかは無くなります。

となると、目指しているのは高速増殖炉なのでしょか・・・あれの仕組みも、頭ではわかるのですが身体でわからないというか、私の感覚ではこんなの無理だろ・・・って感じです。限りなく不可能に近いことをしようとしているようにしか見えません。

なんだか取り留めのないただのヨタ話になってしまってますが、なんとなく考えていることをつらつらと書いてみました。

原発を止めるためにはどうしたらよいのか・・・ということを考えていると、いろいろなところに寄り道していかねばならず、あっという間に時間が過ぎ去っていきます。

_ 風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算。

asahi.com( http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY201104210510.html )より。

風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算
2011年4月22日5時0分

 環境省は21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3〜11基分が風力でまかなえる計算だ。
 同省は震災復興にあたり、風力発電を含めた自然エネルギーの導入を提案していく方針だ。

すごい試算です。しかも試算条件はかなりコンサバ。こういう原発代替の自然エネルギー試算が政府から出てくるということは、とてもよいことだと思います。

いいぞいいぞどんどんやれ!

_ 電源周波数の統一。

東日本50Hz、西日本60Hzの電源周波数。これを統一するわけにはいかないですかね。

狭い日本、なんでこんなことで分断されなければならないのでしょうか。3月14日のかにの泡ぶくで、関西電力が水力発電所の発電周波数を60Hzから50Hzに転換して東電に送電するという記事を紹介しましたが、これを見る限り発電所の発電同期周波数を変更することは、それほど大変なことではなさそうです。

日本のエネルギー国策としてまずすべきことは、電源周波数の統一じゃないのかな。

実際やろうとすると大変なんですかね、いろいろと。東 vs 西 みたいな感じで。

でも、このままほっておいたら日本が滅びるまで50Hz/60Hzなわけですよね。いつかやらねばならないのではないでしょうか。

_ 電力自由化のさらなる推進。

これももはや避けて通ることはできないでしょう。

結局、送電網を既設(=例えば東京電力)のものを使わざるを得ないという点が日本の場合問題(というか、新規事業者の参入障壁)となっているようですが、送電網はライフラインなわけですから国営管理にしちゃえばいいんですよ。税金でしっかり運用管理する。

で、利用者はどこの発電会社から電気を買うか、自由に選べるようにするのです。

まぁ、素人な私がここで適当な思いつきで言うのは簡単ですけど、実際はいろいろな問題があるのでしょう。

でも、今のような、民間企業に独占的権利を与えて、利用者はそれを『使わざるを得ない』構造というのは是正しなければなりますまい。

それができないのなら、電力インフラは水道と同じく、国営にするしかない。

大規模な発電所を遠くに作って、そこから延々と送電してくるというモデルも本当に良いのか甚だ疑問です。

面積あたりの住居世帯数によっては、例えば市区町村単位ぐらいで小さな発電所を作って、市区町村単位で送電するという方法もよいかと思っています。多少コストはかかるかもしれませんが、サテライト式にすることで災害にも強くなることが期待できます。

ライフスタイル含めて、いろいろなことを、改めて考えていかねばならないです。

_ 文明は発展するしかないのか? 生きるとはどういうことなのか?

原発のことをあれこれ考え、調べていたら遂に文明論、哲学論の領域にまで入ってきちゃいましたよ。

私は自オフィスで仕事しているときは、夕方気晴らし&運動不足解消目的で近所の河原を散歩してきます。だいたい8Kmぐらいの距離を、70分ぐらいの時間で歩いてくるので散歩というよりは速歩ですかね。

同じルートでも日により景色が異なり、飽きることがありません。道端に咲く花に目を落としたり、空を飛ぶ鳥を見上げたり。

雀って、雀で産まれて雀で死んでゆく。

雀がどういう生活を送っているのか、お話ししたことがないので詳しくは知りませんが、きっと毎日同じようなことをして、生の営みを繰り返し、死んでゆく。

雀は住みよい場所に移動したりはするでしょうが、積極的に自分から生活環境を変えたり、ましてや、道具を使ったり自分以外のエネルギーを使ったりは、しない。

大自然の中で、自然と一体となって、生きているのでしょうきっと。

実にうらやましい。

いいよなぁ・・・実にうらやましい。

雀だけでない、人間以外の生き物は、おそらくみんな、概念的には同じような命の営みをしているハズです。

人間は、唯一「火」を使うことができたので、今のような文明を築き上げたという点に異論、疑問はありません。「火」というのは、自分自身が持つ以外のエネルギーです。これが全ての間違いの元だったんですかね。間違いってなんなんだ? ということについてはここではとりあえず置いておきます。

デジカメの画素数は狂ったように数字だけ上がってます。

新幹線の速さも、たった数分を短縮するために、鬼のような研究開発がなされています。

少しでも移動時間を短縮するために、アルプル山脈をぶち抜いてリニア新幹線なんてものを建造しようとしています。

アナログテレビで全然困ることないのに、テレビ放送をわざわざデジタル化してみたりする。

どうしてこう、次から次へと、より高性能に、より速く、より新しい技術を産み出し、使おうとするんでしょうね。

そんな私も一応エンジニアの端くれとして、これらの活動の片棒担いでいるわけですが、原発問題と真剣に取り組むようになって、エネルギー政策について改めて考えてみると、ふと、なんでこんなことになったんだろう、なんでこんなことしているんだろう・・・って、思うことが多くなりました。

生活を豊かにするため? 改めて考えると豊かな生活って、なんなんでしょうね。

東京から名古屋まで少しでも速く移動することが豊かな生活なのか?

空調の効いた住居で通年同じ室温で暮らせることが豊かな生活なのか?

高性能なPCを使って複雑な計算を短時間で終わらせることが豊かな生活なのか?

なんか違うよなぁ・・・

どんなものにも限界というか、限りはあると思うのです。

相対性理論の世界で言えば物体の移動速度は、光の速度を超えることはできない。

寒いほうは絶対零度、熱いほうは宇宙の質量が有限だとすれば、その量から計算される論理温度(E=mc2 ですね。しかし実際には60億度ぐらいらいし・・・質量から計算される論理温度よりかなり低い)。

文明の発展も、そう考えると限りがあるのでしょうね。

地球上の全ての資源を使い尽くしたときがそれなのでしょうか。

実に難しいテーマです。


2011-04-23 ゲリラ豪雨に襲われる午後。

_ 日本は原発を直ちに放棄すべきだ。

これは、原発は後世にまでもいやおう無しに被害を押し付けてしまう危険物であるから・・・という視点から当然と言えることなのですが、福島第一原発事故発生から早40日以上経過した今、改めて事故後の対応を振り返ってみますと、日本は、国家としてとてもこんな恐怖な物体をマトモに扱える体制が整っているとは思えません。

現在進行形の原子力災害であり、今も被害に苦しむ皆さん、現場で決死の覚悟で対応にあたられている皆さんが居ることを思うと、こういう主観に満ちた発信は慎むべきことと思い、今までかなり我慢してきました。それに、私は完全に外野の立場。ウチの近所にも少し放射性ヨウ素や放射性セシウムは降って来ましたが、もっと直接的に被災されている皆さんに比べれば全然問題ないレベルの場所に居ます。

しかしそれでも、やはり言うべきことは言っておくべきだという気持ちがあり、さらに、事態の収束を待っているとそれこそ数年間にも渡って慎み続けなければならないということになりそうですので、方針を変換して思っていることを一旦ここで、書いてみることにします。

なぜこんなにまで時間をかけて、しつこく原発のことを書き続けるのか・・・ ましてや専門知識があるわけでもなく、その世界の事情に詳しいわけでもないのに。

それは、今回の事故をきっかけに、原発のこと、日本のこと、今後のエネルギーのこと・・・これら全てをひっくるめて一人一人が真剣に考えていかねばならない時こそが今だと思っているからです。

不完全な内容、知識で、かつ、外野の立場で無責任スタンスかもしれませんが、私は私なりに、思うことを書いていこうと思っています。日本国民として、いち有権者として、発言する自由と権利はありますから。

なお、私が今回の事故のことを知るにおいて非常に参考になったWebをご紹介しておきます。福島原発メルトダウングリーンウッド氏のWebです。

検索エンジンで調査中に偶然見つけました。氏は、天然ガス、LPG、LNG関連のプロコンやプラント開発を手がけられた専門家です。内容は正直に言って非常に専門的で理解するのが難しいのですが、客観的数値に基づくその考察は大変参考になります。そのへんの解説記事よりよほど正確かつ有用な情報に溢れています。

福島第一原発の状況を知る上で、私にとって大変貴重な情報源です。貴重な情報を公開してくださり感謝します。この場を借りてお礼申し上げます。

トップ頁はこちら。面白いコンテンツ山盛りなのですが、こちらのエネルギーと環境のコーナー、一通り読むと非常に面白いです。ぜひ読んでみてください。私はしょっぱなの「グローバル・ヒーティングの黙示録」からハマってしまいました。強くお勧めします。大変な量がありますので、寝不足にはご注意ください。

以下の内容も、氏のWebから勉強した内容がふんだんに盛り込まれております。

_ 自分らの置かれた状況すら正確に把握できてなかった東電と日本政府。

福島第一原発が震災津波被害にあって全電源喪失したのは地震発生後間もなくの3月11日夕方。日本の原発は災害時の全電源喪失を想定していない(!)のでこの時点ですでに、日本だけでは手の付けようが無かった。

一方でアメリカはおそらく同日深夜までに、福島第一原発向けに冷却材の輸送を開始した模様(3月12日の03:08、ロイター通信が伝えている)。

だが日本政府並びに東電はなんとこれを断る。

このニュースは当時リアルタイムで私も触れていたが、このアメリカ言う「冷却材」というものが、一体どんなものなのか今ひとつわからなかった。日本が断った理由は、冷却するための水は豊富にあるから・・・ということであったように記憶している(翌日枝野が記者会見でそう言っていた)。

アメリカのことだ。日本がどんな冷却材を持っているのかぐらいは当然知っているだろう。にも関わらずわざわざこんなに緊急に日本に届けようとしたからには、日本には無い非常に重要で、重大な物質であったに違いない。・・・だって、迅速すぎるじゃないですか。原発被災して数時間後にはもうアメリカが、いくら同盟国とは言え他国の事故にこんなに焦って対応するなんて。

私はそのことがずっと気になっていた。

その後、福島第一原発がどうしてあんなことになってしまったのかを調べる過程において、今まで知らなかった多くのことを知るに至った。それらを踏まえて考察するならば、アメリカは、あの東北地方太平洋沖地震が起きた時点、福島第一原発が津波で襲われ全電源喪失に陥る前にすでにこうなることを完全に予測していたのだと思う。

すなわち:

1) 津波による非常用電源設備、各種重要保安機材の流失損壊
2) 1)に伴う全電源喪失
3) ECCS停止することにより炉心の露出
4) 炉心溶融、水素爆発、放射性物質大量放出
5) 圧力容器破損・・・

こういう経過を辿るということを、とっくに予測していたのだ。

実際の被害状況は北朝鮮をいつも眺めているアメリカの偵察衛星を動かせば数時間ですぐに把握できる。これにより、アメリカ自身が自力で1)、2)を確認し、3)になる前、あるいはなってしまったとしても4)になる前に冷却材を炉に入れることで、被害を最小限度に食い止めようとしたのではないか。もはや廃炉は嫌だとか言っている状況ではなく、ここで冷却材を入れなければあとはなし崩し的に被害が拡大することを知っていたのだ。

福島第一原発を設計したのはアメリカのGEであるが、その彼ら自身が過去より同型炉の危険性を認め、指摘し、改善をかなり強く促していた。有事の際の相当精密なシミュレーションを行っており、今回の福島第一原発の事故も、ほぼ、その通りに進行した。

このシミュレーション結果は、過去に何度も日本にも提示されているとのことである。

一方で日本は、アメリカの冷却材の提供申し出を断り、なんとか自力で事態の収束にあたろうとするがまるでお話にならない対応しかできなかったのはご覧の通り。この時点で、日本とアメリカで、福島第一原発のおかれた状況認識に大きな差があったのだろう。どうして日本は自力で対応可能だと判断したのかが、未だに大きな謎である。どういう根拠で、自力で収束できると判断したのだろうか。この点は東電と日本政府は、事故が落ち着いた後の考察で、ぜひとも深く掘り下げて明らかにしてもらいたい。

冷却材の提供を断った理由として、東電が廃炉にするのを躊躇したということが世間では言われているが果たしてそうだろうか。私は、そもそもはじめの段階で被害状況の掌握がまるで出来てなくて、廃炉もなにも、なにをしたらよいのかすらわからない状態だったのではないかと推測する。現場に急行させた電源車を、いざ接続しようとしたらプラグの規格が合わず接続不能、電源電圧も異なり接続できても運転不能(これもなんでこんなことが起きるのか当時理解できなかったのだが・・・)。そもそも、津波で流失、水没してしまった設備に通電できたとしても、稼動するとは限らない。

事態は一刻の猶予も許さない状況である。

被害状況の掌握が正しくできていれば、あんな無駄なことを延々としはじめる前に、冷却材を投入する判断をするだろうと思う。

ここで私が思うのは、自分で扱っているものの素性も分からず、地震大国日本国内で原発を動かしておきながら地震が起きた際の被害状況の掌握、状況認識もロクに出来ず、すでに多くの知見と経験を持つ同盟国アメリカはもとよりフランス、ロシアからの助言にも耳を傾けず、わけもわからず場当たり的対応を続けた結果最悪の事態にしてしまうような管理能力しかない国が、今も、今後も原発を運転し続けるというのは本当に暴挙もいいところだということ。

事故発生後、現場の目の前に居る日本政府、東電、原子力安全・保安院がなにもできずに黙って見ているだけの数時間内で、海の向こうに居るアメリカのほうが福島第一原発の状況を正しく把握していたという事実を、国際社会はなんで黙って見ているのだろう。日本は原発を直ちに止めろ! と、外圧でも内政干渉でもいい。日本は原発を即刻停止せよ! と、国連で決議してもいいぐらい危険なことを今、しているのだと思う。

_ 福島第一原発事故の構造をうやむやにしてはいけない。

一義的に事故を起こしたのは東京電力であるが、少し考えてみればわかることだが福島第一原発は東京電力が勝手に設計建造して運転しているわけではない。

東京電力だけに限らないが、原発を作るには非常に多くの設計審査、基準審査があり、それらをクリアしてはじめて建設許可が降りる。これは普通のマンションや住居等の建造物でもそうだが、原発はその性質上、さらに厳しい審査があることは当然である。

と、なると、地震規模や津波の想定規模を過小に設定したという点は、非常に問題であるが、この想定云々については別の機会があればお話ししたい。少なくとも今回の事故で、人間が行うあらゆる想定は無意味であることが証明された。

一方で事故が起きた以降、謎だったのが内閣府にある原子力安全委員会と、経済産業省の原子力安全・保安院の役割である。

これについては各所で不要論や全く機能していない点について指摘が上がっているのでここでは触れない。私も、有事の際に役に立たない組織であるなら抜本的見直しをすべきという点には賛成だ。

事故後の対応にしても、本来であれば東京電力と対等の目線に立って、場合によってはそれ以上の権限を持って指揮すべき立場であるにも関わらず、その機能を全く持たないばかりか原子力安全委員会においては自分らの機能を自分らで否定する発言ばかり行い、全く無駄な存在であることが明らかとなった。

    2号トレンチ内で見つかった高濃度放射能汚染水の処理について原子力安全委員会の知見を求められた際、彼らは記者会見で 『原子力安全委員会ではこのような状況に対応できる知見は持ってない。原子力安全・保安院の指導を仰ぎたい。』 と平然と言ってのけた。
    民間企業の会議ですらこんな受け答えしたら直ちに叱咤されるし、私の部下ならただじゃおかないレベルの低さだ。問題を解決しようという意思がまるで感じられないばかりか、完全に他人事モード。自分らの知見で解決できないのなら、日本国内はもとより、アメリカやフランス、ロシア、諸外国の専門家に聞くなりして情報を集め、解決策を模索しろと言いたい。

これら、発電事業者、それを責任を持って監理監督する政府機関、外部から中立な視点でアドバイスをすることになっているハズの内閣府機関、それぞれの責任所在、事故後の対応、構造については、今後充分に議論究明していく必要がある。

特に、本来発電事業者の動きをチェックすべき政府機関の責任は、非常に重いと言える。

_ 放射能汚染に対する国家の対応。

なんで日本政府(本来は東電も含まれるべきであるが国家の緊急事態時にはまずは政府が動いて清算はあとですべき)は福島茨城千葉あたりの農作物、海産物、酪農品を全量買い上げしないのか。

暫定基準値なんてものを根拠も無しに勝手に作り上げて、なんとか流通させようとする。「買わないのは風評被害」とか言っているが、それは違う。

福島県農民連事務局長 根本 敬氏のメッセージがここに掲載されている。極めて正しい主張だと思うので紹介させていただく(注:このブログは偶然見つけたもので、私はブログ開設者とはなんら関係ないし、ブログ開設者になんらコミットするものでは無い)。

単体だと基準値超えた放射能汚染原乳を、綺麗な原乳と混ぜたらOKみたいなことして出荷規制解除している実態を知ったら、怖くて福島県産牛乳をもれなく買わなくなるのは当たり前のことだ。世間を風評誘導しているのは消費者ではなく、日本政府そのものだ。

なんでこんなにも無理矢理放射能汚染食品を流通させようとするのだろう。

賠償金を少しでも減らすために、少しぐらい国民を被曝させてもよいとかいう考えなのだろうか。それ以外の理由は考えられない。

日本政府は、今までさんざん無駄なことをして国の借金を増やしてきたわりには、国民の健康は削ってでも国の出費を抑えたいということなのか。

今回の一連こと、日本国民は決して忘れないだろう。

あるいは・・・ 壮大な人体実験を行うつもりなのか。非常に不謹慎なことを承知で言えば、日本という先進国において発生した今回の原子力災害は、普通であれば滅多に起きないことだと思う。人口密度の高い日本という国で起きた放射性物質飛散事故から得られる統計データは、後世においても、世界的に見ても大変貴重なものとなるだろう。我々が今回の事故を受けて、チェルノブイリのときの事例を大いに参考にしたように、さらに新しく正確なデータとして今後、福島第一原発事故のことが取り扱われることは間違いない。

先日発表された、学校の屋外活動の被曝限度も驚愕の 20mSv/年。時間で3.8マイクロSv/時と、放射線事業に従事する職業人が設定する放射線管理区域制限値 0.6マイクロSv/時の6倍以上の線量のところで子供を遊ばせてOKとか普通に考えておかしいと思うし、それに疑問を抱かず「国の指針に沿う」と直ちに子供を外で遊ばしている現場担当者は一体なにに洗脳されているのか。

計画的避難区域の設定に伴い、『避難しろと言われても行くところが無いのにどうしろと? 言うほど簡単じゃないんだ』という声を聞く。確かにそうだと思う。避難を強いられる立場の人に私はかける言葉も無い。が、放射能は目に見えず、直ちに影響が無いだけであって、若ければ若いほど、後発性障害は被曝量に応じて必ず出てくることはすでに学術的にも統計的にも明らかにされている事実である。

目の前に津波が押し寄せて来た時に『避難しろと言われても行くところが無い』と言ってそのまま津波に流されるだろうか。家が火事になって、逃げる猶予が充分あるのに『言うほど簡単じゃないんだ』と言ってそのまま自分が焼かれるのを待つだろうか。

すぐに結果が目に見えないというだけで、放射線障害だって、同じような災害なのだということをよくよく考えていただきたいと心から思うと同時に、そのような正しい判断ができるだけの説明なり説得なりが、丁寧かつ迅速に避難区域の住民の皆さんにはなされているものと願ってやまない。

これらを理解した上で、正しい判断ができる大人が、それでもその場に残るというのであれば私はそれは尊重すべきだと思う。

それは個人の自由、権利の範疇に入るべきものだと思うから。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ 青木@管理人 [初動対応に問題が無かったとはとても思えませんが、できる限りの対応をした というのは、その通りなのでしょうね。 でき..]

_ 通りすがり [なるほど相変わらず鋭い見方ですね 実際脱原発と言っても大変でしょうね ソーラーか風力か、そっちの方向になるのでしょう..]

_ 青木@管理人 [脱原発っていうとどうしてもそっち(=自然エネルギー)のほうに話が行きがちですが、どうなんでしょうね、もちろん有効活用..]

_  [最終段の「放射能汚染に対する国家の対応」に強く共感します。 もっと言うなら、国家の対応にはもう諦念を抱いているので、..]

_ 青木@管理人 [先日テレビのニュースで、自主避難区域におられる小学生のお子さんを持つ家族へのインタビューで、親御さんが『避難しようか..]


2011-04-24 実にのどかな春日和。

_ 朝日新聞しれっと訂正?! 100mSv被曝時の発がんリスクについて。

4月5日の朝日新聞朝刊に紹介されていた、ICRPの発がんリスク試算値に対して間違いを指摘したのですが、それが今朝の朝刊で、さりげなく正しい数値が紹介されておりました。

これに伴い4月5日のかにの泡ぶくを更新しましたので、ぜひご覧ください。

_ 防災ラジオ。

電気が当たり前に使えて普通にテレビやインターネットが使える環境に長らく居ると(って、それが普通なのですが)いざというとき、本当に困ります。

私は外出時にはほとんどの場合(ジョギングの時などは除く)、中波放送が受信できるアナログラジオ(AMラジオ)を携帯しています(他にもマグライトとかナイフとかタバコ吸わないけどライターとか・・・)。その理由は、いつ来てもおかしくない状況である東海大地震や南海大地震を出先で食らった際の情報収集手段としてです。

甚大な災害時の情報収集手段として中波ラジオは非常に強力です。例えば、首都圏を襲う大地震が起きたとします。こんな風になる可能性があります。

  • 送電線、電柱の倒壊等で首都圏は完全停電
  • 万一携帯電話繋がっても通話規制&ネット混乱でパケットは通らない
  • 街中の家電品は停電のため全て使用不能

携帯電話のワンセグは条件がよければ受信可能かもしれませんが、都内にある送信設備も被災で停波しているかもしれず、また、携帯電話の電池は将来の回線復旧時に備えてなるべく温存しておきたいです。そうなると、電池で作動するAMラジオは非常に強力な、場合によっては唯一の情報収集手段となります。

超短波帯を使うFM放送(80.0MHzのTOKYO-FMや、84.7MHzのFM横浜等、所謂普通のFM放送です)は、電波の性質上、届く範囲に制限があることから送信所が首都圏近郊にあるという事情もあってやはり被災で停波の可能性があり、また、送信されていたとしても、中波放送に比べて受信する側の状況によって受信状態が大きく影響を受けます。使っている周波数から来る電波の性質や、送信所の条件、電波の到達範囲から考えても、なんだかんだ言って中波放送はつぶしの効く非常に強力な情報伝達手段と言えます。

そんなわけでみなさんもぜひ、有事に備えて電池で動くAMラジオを手元にご用意されてください。

私が考える、有事に備えるラジオを選ぶポイントは:

  • 中波放送を受信できる。
  • 言わずもがなですね。
  • アナログラジオである。
  • PLLシンセサイザ等のデジタル選局でなく、ダイヤルを回して選局するタイプのラジオ。よくわからなければ、液晶モニタや時計が付いてない、普通の安いラジオのことです。
  • 長時間動作が可能である。
  • これはアナログラジオであることとも関係します。
  • 感度が良い。
  • 普通に売っているラジオであれば問題ないでしょう。
  • 軽くて小さい。
  • 普段持ち運んだり、いざ避難するときを考えると携帯が負担になるものは避けたいです。

アナログラジオであるという点を重視するのは、PLL方式だとそれだけで結構な電力を食うので稼働時間が不利になるのと、使ってないときでも結構な待機電力を使うので、「いざ」という時のために用意しておいても、「いざ」という時に電池が消耗していた・・・あるいは、「げげっ液漏れかよ」みたいなことにならないように・・・からです。

まぁ、日頃からよく使っているラジオがあるよ・・・というときはそのラジオをそのまま使えばいいのですが、そうではなく、有事に備えて置いておくという場合には、電源スイッチが「カチッ」というタイプの、電源オフで完全に電源ラインが切断されるアナログラジオのほうがいいと思います。安いですしね。もちろん、PLLタイプは絶対駄目かというとそんなことは全く無く、待機電力問題については電池を抜いて置いておけば解決する話ですから、手持ちのものがすでにあればそれで全然OKです。

というわけなのですが、そういえばウチにはアナログの携帯ラジオが一つしかなく、私がそのアナログ携帯ラジオを持ち出してしまうと自宅には使うのが小難しい中華ラジオしかなく、ちょっとウチの家内や娘が使うには厳しそう。私が外出中に有事が発生したら、家に居る家族は情報入手手段を全喪失してしまうことになり、これはまずい・・・ということで、中華アナログラジオを買ってみたのです。

この写真、白っぽいのがソニーのICR-S10というポータブルAMラジオ。単三電池二本で動くのですが、感度良し(昼間で関東圏外のAM局多数入感。地下街でも受信可能)、音質良し(非常にふくよかな優しい音)、電池の持ち良し(毎日2時間程度聴いていても数ヶ月持つ)で非常にたいそうめちゃくちゃ気に入っているのですが、なんで私がこれを所有しているのか記憶にないという謎ラジオです。自分で買った覚えは無いので、きっと、親父が会社の記念品等で貰ってきたものなのでしょう。私が大学生だったころにはすでに手元にありましたから、少なくとも1984年には所有していたことになります。昔の日本の製品は、妥協したところが感じられず素晴らしいものが多かったなぁ・・・(遠くを見る目)


この青いのは、先日買ったR-911という中華アナログラジオ。TECSUNという中国では非常にメジャーなメーカーのラジオです。中波に加えてFM放送(国際バンド仕様)、さらには短波9バンドの合計11バンドラジオという実に豪華なスペックです。こんなすごいラジオの購入価格はなんと \2,580-。駆動は単三電池二本でICR-S10と同じ。中華ラジオの通例に違わず感度は滅茶苦茶高いのですがそのせいかノイズが多い感じ。短波とFMは混変調が激しくて使えないことは無いけどなんだかな?って感じ。音質は、小型ラジオによくあるタイプの実に乾いたキンキンした感じの音で、これ単体で見れば悪くは無いのですがICR-S10と比べるとお話にならないなぁ(比べる相手が間違っているのですが)・・・ ってところで、これ読んだだけでは、良い印象まるで無さそうですが中波AM放送を受信するだけに限って言えば、全く問題ありません。

電池の持ちは、買ったばかりなので実戦では未評価ですが、消費電流実測ではICR-S10の1.3倍ぐらい。よって、ICR-S10より早めに電池は無くなりそうですがしかしさすがはアナログラジオ、省エネです。この程度の消費であれば全く問題ありません。中華ラジオ頑張ってるじゃん! と言ってあげてよいでしょう。

短波も、JORF強電界下の混変調にまみれながらも、ロッドアンテナだけで朝鮮半島や中国大陸、遠くはヨーロッパからの放送を感度良く受信してくれます。いや?、こういうアナログラジオで散歩する短波帯は面白いですね。微妙なチューニングに苦労しながら『バックラッシュが酷すぎるんだよ』とマジ顔で文句言っている自分に苦笑いしたり。

いや実に面白いです。これが \2,580- なら全く文句ありません(いままで散々言ってますが ^^))。

というわけで、愛しのICR-S10に自宅待機を命じ、私は中華ラジオを携帯するようにしたのですが・・・したのですが・・・こう、仕事で外回るときなどに荷物が多いときってあるじゃないですか。私はいつも、ノートPC持つときにACアダプタは持ち歩かないのですが(VAIO type-Gは連続5時間ぐらいは余裕で動くので)、外でコンパイルする用事があるときなどはやはり心配なのでACアダプタを持ち歩きます。それにデジカメに、携帯HDDに・・・なんてなってくると、ラジオがもっと小さいと幸せかなぁ・・・なんて思ってですね、せっかくだから自分で作ってみた(超)小型ラジオが、最後に紹介するあの黒い一口羊羹みたいなラジオです。

ラジオって、自分で作ろうと思うと既存の汎用部品を使うしかなく、どうしても部品のバリエーションに限度というか、制限のあるバリコンと同調コイルのサイズがラジオ全体のサイズを決定する主要因になってしまいます。


LMF501Tと2SC1815の間にある10Kの(半固定)VRは、とっぱらってしまって2.2uのコンデンサ1個で結合のほうが、よりシンプルになってよいかと思います。
念のために実装したVRですが、結局常時音量フルパワー位置状態で、音量調整はラジオの向きを変えることによるバーアンテナの指向性で調整可能です。(2011年4月26日 09:50追記)


そんなわけで、入手可能なバリコンと小型バーアンテナのサイズから、実装可能な最小体積回路を検討してみた結果、ミツミのLMF501Tという、外見まるでトランジスタと同じなワンチップAMラジオ専用ICを使った、ストレートラジオを作ってみることにしました。後段に2SC1815で構成した簡単な低周波アンプを加え、セラミックイヤホンを鳴らします。そうそう、イヤホン専用です。


少し専門的な話になりますが、今、世の中にあるラジオはほぼ全部、スーパーヘテロダイン方式という受信方式を取っており、ストレートラジオに比べると周波数安定度、感度、選択度どれをとっても非常に優秀なのですが、部品点数が多くなるという問題があります。それでも今は専用ICがあったりで簡単に作れるのですが、しかしそれでもLMF501Tを使ったストレートラジオに比べれば部品点数の少なさでは到底勝ち目はありません。

LMF501TというICは、すでに廃品種となっているSANYOのLA1050というラジオ専用ICとほぼ(全く?)同じものなのですが、これらIC、私はよい思い出がありません。過去に何度か使ってみたことあるのですが、間違いなく100%、10回作って10回とも発振するのです。Googleで「LA1050 ラジオ」等で検索すると製作記事が沢山ヒットします。多くの皆さんが作られているにも関わらず私が作ると間違いなくピギャーと発振。『俺の実装方法がよっぽどヘボなんだな』なんて凹んでいた過去を自分で葬り去っていたのですが、仕方ありません。覚悟を決めてまた製作です。


結果、やはり同じように発振しました。あははは・・・810KHzのFENあたりまではよく入るのですが、それより高い周波数になると「しゃーぴゅーぎゃーーーーーぷつっ」ってなってしまってなにも受信できません。

写真のごとく回路周辺をシールドしても効果無し。

今回は非常に不本意ながら、同調回路を2Mオームの抵抗でダンプすることで、発振を停止させました。LMF501Tは入力回路のインピーダンスが4Mオームと非常に高いのが特徴なのですが、まぁ、2Mをパラって1.3Mオームなら、Qの低下も許容範囲だろうということで、激しく悔しいのですが妥協しました。でも、2Mダンプで発振はぴたっと止まって実に豊かな音質で、ラジオ放送を受信してくれるようになりました。


自作で小型化しようと思うと、このへんが限度かなぁ???

電池はLR1130という1.5Vボタン電池1ヶ。消費電流は、ラジオ受信時で0.6mAぐらいですから、連続稼動時間は60時間ぐらいかな?。まぁ充分ですね。ほんとはLR44で100時間オーバーの稼働時間を実現するつもりだったのですが、そのつもりで買った電池BOXがLR1130用だったというドへまをやらかしてしまったことは内緒にしておきたかった事実です ^^)

感度はストレートラジオとは思えないほど高く、中華ラジオR-911に匹敵するか、それ以上かもしれません。選択度はさすがにスーパーヘテロダインには勝てませんが、それでも首都圏近郊7局(FEN含む)は全て分離できますから実用充分です。

重量はイヤホン電池込みで45g。中華ラジオが電池込みで212gですから、随分軽く、小さくなりました。


本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ 青木@管理人 [ご参考までに、今日中に回路図掲載しますね。]

_ 青木@管理人 [回路図本文中に掲載しました。]

_ 青木@管理人 [ごめんなさいコンデンサ一個抜けてました。 回路図修正しました。 低周波段をFETで作れれば、コンデンサと抵抗一個ずつ..]

_ T.K [回路図ありがとうございます。6石ラジオキットはまだ買えるようですが高っいですね。中華BCLラジオの倍位。]

_ 青木@管理人 [いえいえ。 LMF501Tと2SC1815の間にある(半固定)VRは、とっぱらってしまってコンデンサ1個で結合のほう..]


2011-04-25 連休前進行・・・

_ 福島第一原発高線量瓦礫の謎。

福島第一原発事故で、原発建屋及びその周辺に吹き飛んだ瓦礫が、非常に高い放射線を出していて復旧作業に支障を来たしているということで、これを撤去したという報道がありました。

3号機近くでは900mSv/時もの、すさまじい放射能を帯びた瓦礫があったとのことですが、どうも謎なのが、『なんでこんなすごいものが瓦礫として存在しているのか?』ということです。

先日、ようやく東電と日本政府は、福島第一原発のメルトダウンを認めましたが、圧力容器の底が抜けたのか・・・という点についてはごにょごにょしていてはっきりしません。原発建屋の爆発も、「水素と酸素が建屋内で反応した水素爆発だ」と言い張ってます。

以下、あくまでも私の推測ですが、やはり3号機の爆発は、水素爆発では無くメルトダウンした燃料が圧力容器の底を溶かして下に落ち、水と反応して起きた水蒸気爆発だったのでは?・・・と思っています。

皆さんもすでにご覧のことと思いますが、あの3号機の爆発は、先行して爆発した1号機のそれとは明らかに異なり、煙も黒いですし破壊力も格段に高い。水素爆発で黒煙は出ませんし、あの煙の感じは巻き上げた粉塵レベルのものではありません。

3号機メルトダウンで圧力容器の底が抜けて、格納容器内に漏れ出た燃料棒溶融物が爆発を起こし、これらが瓦礫に付着して、瓦礫を非常に高い放射能で汚染したとしか考えられません。

原発建屋内というのは、燃料貯蔵プールの真横であっても平時であれば普段着で入っても全然平気なぐらいの線量しかありません。仮に、3号機の爆発が建屋内に溜まった水素と酸素による水素爆発なのだとしたら、今回の事故で多少の放射能漏れはあったとしても、瓦礫に900mSv/時もの放射能を帯びさせることのできる物体が周辺にあるわけもなく、あるとしたら燃料貯蔵プールの中に沈んでいる燃料棒(しかも破損してないと)ぐらいなものです。

3号機の燃料貯蔵プールは、爆発時のプール・ゲート破壊による漏水はあるものの、その後も湯気が出たり温度計測されたり水を補給されたりしておりますから、燃料棒が損傷して吹き飛ぶほどの事態にはなっていなさそうです。

となると、この高線量瓦礫の持つ放射能は、圧力容器内の物質由来としか、説明が付かないんですよね。

_ 謎の体重減少。

3月12日以降、なんか体重が減少傾向なんです。

それまでの間は、ここ一年間ぐらいは週単位移動平均でプラマイ0.4Kg以内という実に素晴らしい体重管理をしてきていたのですが、ここ一ヶ月あまりでコンスタントに右肩下がりの-1.0Kgです。以前と全く同じように飲み食い運動仕事していて・・・です。

はじめは『震災からくる精神的ストレスか?』『どっか病気なのか?』なんて思ったりしていたのですが、食欲はすごくありますし(むしろ以前より激しく空腹になるようになった)お酒も毎日美味しいですし、なにより至って元気です。先月受けたメタボ検診でもひっかかった数値はひとつも無し。

どうやら健康不良ではなさそう。

で、3月12日以前と以降でなにが変わったかというと・・・毎日猛烈な勢いで原発関連、日本のエネルギー事情の調査勉強を始めたこと。これは、従来の生活活動に純粋にアドオンされた活動です。

ということは・・・この新規に付加された活動によって、日々の消費カロリーが増えたってことでしょうか。

どのぐらい消費カロリーが増えたのか、ざくっと計算してみます。

体重減少率を 1.0Kg / 30日 とし、減少分は全部体脂肪とする。
体脂肪 1.0Kg のカロリーは、1.0 x 1000 x 7.2 = 7200 KCal。 よって、7200 / 30 = 240 KCal / 日 の消費カロリー増。

本当かこれ。240KCalっていったらすごい量です。ジョギング3Kmぐらいのインパクトです。ということで、脳の消費カロリーを調べてみたら、すんごいんですね、脳って。

よく、『頭を使うと腹が減る』って言いますがこれ本当なんですね。3月12日以降、本当にすごい勢いで原発のこと、日本の電力事情のこと等を勉強しています。この勢いで受験勉強したら、日本国内どこの大学でも受かりそうな勢いです。

というわけで、どうやら毎日やっている原発関連の勉強で、日々の消費カロリーが 240KCal ほど増えたというのは、あながち間違った推測ではなさそうです。

さてと、これで酒の肴を豪勢にする理由付けが出来たぞ ^^)

_ 読めたで(ランちゃん風に)。

ちょっと意味不明ですねごめんなさい ^^)

只今23時すぎ。完全に酔っ払ってます。以下の内容は、私がここ一ヶ月ちょいで猛烈に勉強調査して判明した事実を自分なりに検討して、導き出されたひとつの仮説です(あくまでも仮説のうちのひとつです)。推理小説読みすぎSF映画見すぎの完全妄想空想フィクションモードですので、その点お含みおきを。

    今回の日本政府の震災対応、福島第一原発事故に関連してのもろもろの対応、東電から申請された計画停電をなんら根拠を要求せずにあっさり認めた日本政府の対応、そして、当初告示された、夏の節電目標25%の数字・・・(その後発電量が上積みされて下方修正されましたが)
    この一連の流れの中に、私はある非常に強大かつ深遠な、とんでもない陰謀工作を見出しました。
    福島原発避難区域設定の変遷と子供が屋外で遊んでよいとする暫定線量基準等々・・・全ては整合します。

    その内容はあまりにもショッキングで、仮に少しでも事実を含むものだとしたら、それは身の危険を感じるレベルの内容になりますから今はまだ公表は控えます。しかし、確信が持てるだけの材料が揃って、検証が完了すれば、しかるべき行動を起こしたいと思っています。

マジでヤバイってほんと。しかも、恐らくは多くの当事者・・・政治家も含めて・・・は、自分が操られていることに気が付いていないんじゃないかな。

さすがの私も明朝正気に戻ったら、このエントリ削除するかもしれません。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_  [オラも猛勉強して一緒に呑むだ!]

_ 青木@管理人 [ぜひぜひ! 少しお高い(1万円/人ぐらいかな?)のですが、とっても美味い隠れ家的イタリアンが品川方面にあるのです。機..]

_  [機会は待つより作るもの……ということでよろしくです。(-_★)]


2011-04-26 行く年来る年いく久しゅう・・・

_ すっかり忘れてたkani.comの15周年。

実は2011年4月11日は、kani.comの15歳の誕生日(?)でした。

いや〜、もうすっかり原発だぁ実は電気は足りてるんだぁ放射能だぁ陰謀だぁの騒ぎで忘れ去ってしまっていましたが、このドメイン取ってもう15年なのかぁ・・・

日本で言えば、中学卒業したばかり。進学していれば高校1年生ですね。

もうそんなに経つのかね。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_  [15周年おめでとうございます。思えば私のドメインも同じく96年取得なのでした。共に祝いましょう。近日中に(笑)。]

_ 青木@管理人 [ありがとうございます。 祝いの酒はいいもんですね。なにはともあれ近日中に!]


2011-04-29 黄金週間突入。

_ ゆるゆると・・・

連休初日、なんとな〜く、ゆるゆると、過ごしています。

3月11日以降、毎日が非常に慌しく、すごい勢いでいろんな情報が団体でやってきて、それらを整理するだけで1kg痩せてしまった私ですが、4月25日以降酒の肴のハムを増やすとか、サラミをかじる等で240KCalぐらい毎日余計にカロリー摂取するようにしたら、その後ぴたっと体重減少は止まりました。

生命活動ってこんなに正確に行われているんですね。

_ ベクレルという単位表記の謎。

今日のお話しは、難しい話では無く本当に雑談です ^^)

チェルノブイリで放出された放射性物質の量が520万テラベクレルとか、福島第一で放出された量が63万テラベクレルだとか表記されますが、どうもこの表記、以前より少し『?』と思っていたのです。

520万テラベクレルをなぜ、5.2エクサベクレル、63万テラベクレルをなぜ、630ペタベクレルって言わないんでしょう。

これって、4GBのメモリカードの容量を、4千メガバイト、10TBのハードディスク容量を、1万ギガバイトって言っているのと同じですよね。

同じような表記で、光の速さは秒速30万Kmってのもあります。

デジカメの画素数で言うと、昔のVGA時代は35万画素って言ってましたこれを350キロピクセルなんてふうには誰も言いませんでした。

それが、100万画素を超えたとたんに、メガピクセルになりました。

このへんの表記ってどのSI接頭辞を単位表記のベースとするか、多くの人々がイメージしやすいものを柔軟に使う・・・みたいな暗黙の了解があるのでしょうねきっと。ベクレルで見てみれば、ハードディスクの容量増加で「テラ」という単位は身近になりましたが、「ペタ」「エクサ」なんて急に言われてもそれこそ『?!』って感じになっちゃいそうですもの。

・・・っと思いつつ「実はなにか決まりがあるのけ?」と思ってGoogleで調べてみると、どうも確固とした理由は見当たりませんでした。が、やはり、「イメージしやすい単位を使っているんじゃね?」という見解がメジャーなようです。

ついでと言ってはなんなのですが、『ベクレルとシーベルトってどう違うんだ?』という質問を何件かいただきましたので、簡単に説明します。

シーベルトとは被曝線量のことで、分母に時間が付くと、その単位時間当たりの被曝線量になります(このへん参照)。

ベクレルというのは、放射性物質が放射線を出す能力のことで、1秒間当たりの崩壊数を表します。放射線の強さは問いません。また、シーベルトと異なり、分母が無くても時間概念(1秒間当たりの崩壊数)がある点は要注意です。

よって、こうなります。

シーベルト = ベクレル x 換算係数

換算係数(正しくは、実効線量係数と言います)とは、放射性物質ごとに定義されている係数で、これが大きいと、その物質は、大きな被曝をもたらすということになります。

この計算式は実は非常に複雑な要素を含んでいます。その放射性物質の物理的半減期や生物学的半減期、体内被曝係数等々・・・を、全部ひっくるめて、推定総被曝量に換算しています。

そもそも『放射線ってなに?』って話があるわけですが、超乱暴に言ってしまうと「エネルギーを持った目に見えない粒」と思っていただければいいかと思います(ガンマ線は電磁波なので「波」なのですが、この概念を考慮すると説明が大変なのでまずは乱暴ですが全部「粒」として考えます)。放射性物質というのは、この目に見えない「粒」を、四方八方に撒き散らしている物質ということです。

で、この「粒」は、放射性物質により異なる破壊力(=エネルギー)を持っていて、同じ一粒でも、放射性物質の種類によって破壊力が異なるのです。例えば放射性ヨウ素と放射性セシウムでは、放射線一粒が持つ破壊力が異なるのです。

この粒を、1秒間当たり何個撒き散らすかが、ベクレルです。

非常に分かりやすい説明を見つけましたのでご紹介します。 東北電力さんのWeb「シーベルト(Sv)とベクレル(Bq)」です。

お金で例えるあたりセンスありますね。お金の合計金額がシーベルト(被曝量)で、硬貨の枚数がベクレル(=放射線放出能力(粒の数))、硬貨の種別の違いが実効線量係数(=放射性物質(破壊力)の違い)ということになります。

例えば1000円(被曝量)を用意するとき、500円玉(実効線量係数:破壊力500)なら2枚(ベクレル)でよいですが、1円玉(実効線量係数:破壊力1)なら1000枚(ベクレル)要るということです。

_ 遂に秋田県でも放射性降下物検出・・・

今までもたま〜に、微量の検出はあったもののほとんどず〜っと「不検出」でしたが、風向きの影響を受けてか4月27日〜28日と、濃い雲が流れてきたようで、いきなりどかっと降ってきてます(秋田県公表の観測データ)。

とはいえ東京都や神奈川県に3月23日に降り注いだ量に比べればまだまだ1/100以下ですから全然綺麗なものですが、しかしあれですね、奥羽山脈、出羽山地を遥々超えて日本海にまで影響が及ぶとは・・・まさに無差別汚染状態です。

4月13日には神奈川県内産の水産物からも放射性物質が検出されました。これが、福島から海を伝ってやってきたものなのか、3月23日前後に降り注いだヤツらが海に落ちて、それをプランクトン経由お魚が食べたせいなのか気になるところです。今のところ微量ですが、今後の数値の推移には注意していかねばなりません(分析結果が発表されればの話ですが)。

手持ちのガイガーカウンター(CDV-700)では、空間線量は測れても、食品のベクレルは測れませんからねぇ・・・

というわけで昨日、今使っているガイガーカウンターよりも二桁感度が高い、シンチレーションカウンターを手配しました。

品薄とのことで納期が6月とのことですが、これで食品の線量を測るとどう出るのか、納品されたら実験してみたいと思います。

もちろん測れることは測れると思うのですが、その数値をどう解釈したらよいのかというのはまた別問題。ベクレルがダイレクトに測れるわけではありませんから、なにかを根拠に目安程度の指標が立てられればいいなと思っています。

今使っているガイガーカウンターでも、買ってきたばかりのほうれん草にプローブ当てると線量上がります。これは、そのほうれん草が汚染されているというわけでは無く、福島第一原発爆発以前からそうでした。ガイガーカウンター買ったばかりのころは、面白がっていろんなものを測りまくったのですが、地面、ほうれん草、長ネギ、マンションの地下駐車場は有意に線量が上昇しました。

しかしその数値は自然放射線量+α程度なので、この低線量領域を高分解で測定するために、シンチレーションカウンターを買ってみたわけです。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ うめ [効能をうたう商品なんかでは、数字が大きくなるような単位を使ったりしますね。「タ×リ×1000mg配合」とか。「1gじ..]

_ 青木@管理人 [確かにね〜。 タウリン1グラムっ! なんて力んで言われても迫力に欠けるもんねぇ。]


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