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かにの泡ぶく


2011-04-22 よんどころない話・・・

_ 節電目標15%に緩和。

YOMIURI ONLINE( http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110421-OYT1T01145.htm )より。

節電目標、15%に緩和…大企業・家庭一律に

・・・省略・・・

 東電は21日、政府に対し、15日発表段階の5200万キロ・ワットから300万キロ・ワット程度上積みした電力供給見通しを報告した。東日本大震災で運転休止中になっている火力発電所の復旧や、夜間に余剰電力で水をくみ上げて昼間に発電する揚水発電などで供給力が増えるメドがついたためだ。
(2011年4月22日03時06分 読売新聞)

相変わらず実に小出しにしてきますが、結局のところ、おそらく電気は足りているんでしょう。ここ最近、すごい勢いで電力事情のことを調べてきて、いろいろなことがわかりました。検索エンジンを使えばすぐに情報にアクセスできますのでここでは改めて触れませんが、結論から言うと原発が無くても現状でどうやら電気は足りている。原発を動かしたいがために、原発以外の発電所をわざわざ休止、出力調整運転しているということが、わかりました。

原発が電力の3割をまかなっているわけではなく、原発に3割をまかなわさせるために他の手段での発電電力をわざわざ低下させているのです。

このへんの事情を東京電力は全く開示してきません。あたかも原発がないと電力が3割不足するかのように思わせる、巧妙な仕掛けで情報を出してきます。

そして、今回のように、原発の有用性をあくまでも訴え続けるために電力が足りない感を演出している。こういうことなんじゃないですかね。

さらに深いのは、これは東京電力だけの意図でやっているわけではなさそうだ・・・という点です。これについてはもう少し自分なりに解明してからお話ししたいと思います。

湾岸地帯にある、東京電力以外の工場が持つ自家発電量だけでも相当なものがあります。これらを稼動させて電力を買い上げれば、全然余裕で足りそうですよ。しかし、工場はここ数年、自家発電設備をほぼ停止しており、東京電力から自分で発電するよりコストの高い電気を買っているそうです。

自分で発電したほうが電気代安いのになぜ東京電力から電気を買わねばならぬのか・・・二酸化炭素排出規制です。これがあるために自工場の発電所を稼動させることができず、東京電力から電気を買わざるを得ない。

で、二酸化炭素を出さずにクリーンな電気を発電できるという触れ込みの原発が、今までは猛烈に推進されてきたわけです。

調べれば調べるほど、謎が深まる原発。二酸化炭素排出規制は地球温暖化防止が目的ですが、原発の冷却により上昇する海水温は、地球温暖化にダイレクトに影響してそうな気もするのですがどうなんですかね。よくよく考えてみれば、二酸化炭素だけで縛るというのは論理に無理があるように思います。そもそも私は、二酸化炭素が地球温暖化の要因だという説には甚だ疑問を感じているものです。これは巧みに設計された陰謀だ・・・ぐらいに思っているのですが、これについてはまた別の機会に触れましょう。

原発から出る放射性廃棄物を無害化する処理を研究するより、火力発電所から出される二酸化炭素を吸着する処理を開発するほうが、よっぽど安全だし実現性が高いと思うのですが(調べてみたらすでにいくつかなされれますね。例えば四国電力の「二酸化炭素の回収方法及び二酸化炭素吸着剤」)。

どうしてこんなにまでして原発を造りたがるのか・・・はじめは単なる利権絡みのおカネの問題なのかと思っていたのですが、調べていけば調べるほど、どうもそんなに単純でシンプルなものでは、なさそうであるということがわかってきました。

資源の乏しい日本にとって、原子力はぜひ手にしたいエネルギー源である・・・という考え方も、どうもあまり当てはめられそうにありません。ウランは人形峠等で試験採掘されたものの、結局埋蔵量とコストが見合わず全量輸入に頼っているという状況です。事情は原油となんら変わりありません。

化石燃料の枯渇が叫ばれたのは1970年代の石油危機のころ。この頃は、あと30年で原油は無くなるとか言われてましたが、いまだに普通にあります。普通にあるからってもちろん無駄使いしてはいけないのですが、まぁ、これはその当時に推定された取ることのできる埋蔵量からざくっと試算した数値でしょう。その後新しく油田が発見されたりで量が増えたのかもしれませんが、ウランだって使っていれば枯渇する資源であることに変わりはありません。使っていればいつかは無くなります。

となると、目指しているのは高速増殖炉なのでしょか・・・あれの仕組みも、頭ではわかるのですが身体でわからないというか、私の感覚ではこんなの無理だろ・・・って感じです。限りなく不可能に近いことをしようとしているようにしか見えません。

なんだか取り留めのないただのヨタ話になってしまってますが、なんとなく考えていることをつらつらと書いてみました。

原発を止めるためにはどうしたらよいのか・・・ということを考えていると、いろいろなところに寄り道していかねばならず、あっという間に時間が過ぎ去っていきます。

_ 風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算。

asahi.com( http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY201104210510.html )より。

風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算
2011年4月22日5時0分

 環境省は21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3〜11基分が風力でまかなえる計算だ。
 同省は震災復興にあたり、風力発電を含めた自然エネルギーの導入を提案していく方針だ。

すごい試算です。しかも試算条件はかなりコンサバ。こういう原発代替の自然エネルギー試算が政府から出てくるということは、とてもよいことだと思います。

いいぞいいぞどんどんやれ!

_ 電源周波数の統一。

東日本50Hz、西日本60Hzの電源周波数。これを統一するわけにはいかないですかね。

狭い日本、なんでこんなことで分断されなければならないのでしょうか。3月14日のかにの泡ぶくで、関西電力が水力発電所の発電周波数を60Hzから50Hzに転換して東電に送電するという記事を紹介しましたが、これを見る限り発電所の発電同期周波数を変更することは、それほど大変なことではなさそうです。

日本のエネルギー国策としてまずすべきことは、電源周波数の統一じゃないのかな。

実際やろうとすると大変なんですかね、いろいろと。東 vs 西 みたいな感じで。

でも、このままほっておいたら日本が滅びるまで50Hz/60Hzなわけですよね。いつかやらねばならないのではないでしょうか。

_ 電力自由化のさらなる推進。

これももはや避けて通ることはできないでしょう。

結局、送電網を既設(=例えば東京電力)のものを使わざるを得ないという点が日本の場合問題(というか、新規事業者の参入障壁)となっているようですが、送電網はライフラインなわけですから国営管理にしちゃえばいいんですよ。税金でしっかり運用管理する。

で、利用者はどこの発電会社から電気を買うか、自由に選べるようにするのです。

まぁ、素人な私がここで適当な思いつきで言うのは簡単ですけど、実際はいろいろな問題があるのでしょう。

でも、今のような、民間企業に独占的権利を与えて、利用者はそれを『使わざるを得ない』構造というのは是正しなければなりますまい。

それができないのなら、電力インフラは水道と同じく、国営にするしかない。

大規模な発電所を遠くに作って、そこから延々と送電してくるというモデルも本当に良いのか甚だ疑問です。

面積あたりの住居世帯数によっては、例えば市区町村単位ぐらいで小さな発電所を作って、市区町村単位で送電するという方法もよいかと思っています。多少コストはかかるかもしれませんが、サテライト式にすることで災害にも強くなることが期待できます。

ライフスタイル含めて、いろいろなことを、改めて考えていかねばならないです。

_ 文明は発展するしかないのか? 生きるとはどういうことなのか?

原発のことをあれこれ考え、調べていたら遂に文明論、哲学論の領域にまで入ってきちゃいましたよ。

私は自オフィスで仕事しているときは、夕方気晴らし&運動不足解消目的で近所の河原を散歩してきます。だいたい8Kmぐらいの距離を、70分ぐらいの時間で歩いてくるので散歩というよりは速歩ですかね。

同じルートでも日により景色が異なり、飽きることがありません。道端に咲く花に目を落としたり、空を飛ぶ鳥を見上げたり。

雀って、雀で産まれて雀で死んでゆく。

雀がどういう生活を送っているのか、お話ししたことがないので詳しくは知りませんが、きっと毎日同じようなことをして、生の営みを繰り返し、死んでゆく。

雀は住みよい場所に移動したりはするでしょうが、積極的に自分から生活環境を変えたり、ましてや、道具を使ったり自分以外のエネルギーを使ったりは、しない。

大自然の中で、自然と一体となって、生きているのでしょうきっと。

実にうらやましい。

いいよなぁ・・・実にうらやましい。

雀だけでない、人間以外の生き物は、おそらくみんな、概念的には同じような命の営みをしているハズです。

人間は、唯一「火」を使うことができたので、今のような文明を築き上げたという点に異論、疑問はありません。「火」というのは、自分自身が持つ以外のエネルギーです。これが全ての間違いの元だったんですかね。間違いってなんなんだ? ということについてはここではとりあえず置いておきます。

デジカメの画素数は狂ったように数字だけ上がってます。

新幹線の速さも、たった数分を短縮するために、鬼のような研究開発がなされています。

少しでも移動時間を短縮するために、アルプル山脈をぶち抜いてリニア新幹線なんてものを建造しようとしています。

アナログテレビで全然困ることないのに、テレビ放送をわざわざデジタル化してみたりする。

どうしてこう、次から次へと、より高性能に、より速く、より新しい技術を産み出し、使おうとするんでしょうね。

そんな私も一応エンジニアの端くれとして、これらの活動の片棒担いでいるわけですが、原発問題と真剣に取り組むようになって、エネルギー政策について改めて考えてみると、ふと、なんでこんなことになったんだろう、なんでこんなことしているんだろう・・・って、思うことが多くなりました。

生活を豊かにするため? 改めて考えると豊かな生活って、なんなんでしょうね。

東京から名古屋まで少しでも速く移動することが豊かな生活なのか?

空調の効いた住居で通年同じ室温で暮らせることが豊かな生活なのか?

高性能なPCを使って複雑な計算を短時間で終わらせることが豊かな生活なのか?

なんか違うよなぁ・・・

どんなものにも限界というか、限りはあると思うのです。

相対性理論の世界で言えば物体の移動速度は、光の速度を超えることはできない。

寒いほうは絶対零度、熱いほうは宇宙の質量が有限だとすれば、その量から計算される論理温度(E=mc2 ですね。しかし実際には60億度ぐらいらいし・・・質量から計算される論理温度よりかなり低い)。

文明の発展も、そう考えると限りがあるのでしょうね。

地球上の全ての資源を使い尽くしたときがそれなのでしょうか。

実に難しいテーマです。


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