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かにの泡ぶく


2006-11-05 ヘッドフォンが\210(税込)で買える時代。

_ ダイソー\210-(税込)ヘッドフォン特性測定。

一昨日入手したダイソーヘッドフォンでアンプ回路の評価を続ける私であったが、いくら特性、性能面ではあまりアテにしていないとは言え、所有する唯一のヘッドフォンであり大変大切なデバイス。わけもわからず使うのもどうかと思い、今日は特性を簡単に測定してみた。

主要諸元は以下の通り。

ダイソー\210-(税込)ヘッドフォン主要諸元

品名     :ステレオヘッドフォン 1.5m 再生周波数帯域:20〜20000Hz 最大許容入力 :60mW インピーダンス:32オーム 音圧感度   :98dB / mW 定格入力   :40mW コード    :1.5m         (金メッキL型ステレオミニ(3.5mm)プラグ) 重量     :55g(コード含む) 価格     :210円(税込)

聴感上の再生可能周波数帯域。

愛用のケンウッドAG-203Dという信号発振器を使って、聴感上の再生可能周波数帯域を調べてみた。なお、言うまでもないがこの場合、測定は私の耳で行われるので、定性評価であることはもちろん、加齢に伴う高周波域の聴感劣化もあるかもしれないので、参考以下ということでよろしく。
    800Hzで普通に聴こえる信号レベルに設定してから、10Hzから30KHzまで連続で信号を入力してみる。

  • 正弦波入力で『聴こえ始めたな』って思える最低周波数:40Hz

  • 正弦波入力で『聴こえるって言っていいな』って思える最高周波数:13.5KHz

  • 正弦波入力で『かすかに聴こえる』って思える最高周波数:15KHz


  • 聴感上のピークは、3.4〜3.5KHzのブロードな範囲と、5.8KHz付近にあり。

インピーダンス測定。

測定方法は原理的にはこれに同じ
10Hzから100KHzの間で測ってみるも、かなりフラット。結果は以下の通り。
  • 10Hz:31オーム

  • 800Hz:31オーム

  • 5KHz:31オーム

  • 12KHz:36オーム

  • 20KHz:40オーム

  • 50KHz:51オーム

  • 100KHz:78オーム
上記結果はスポットで測ったわけではなく、オシレータの発振周波数をスイープさせながら、ピークがないかどうかを探りながらポイントをピックアップしたもの。
公称32オームはかなり正確。20KHzで40オームまで上昇するも、この程度であればほとんどフラットと言ってよい範囲。

スピーカのインピーダンスを同様の方法で(周波数の低いほうから)測定してみると、共振周波数付近で相当明確なピークが観測され、そのあと高い周波数に向かうにつれてだんだんインピーダンスがじりじり上昇していく傾向にある。
それに比べてみるとあまりにもフラットな特性だ。

ヘッドフォンのインピーダンスって、こんなにもフラットなんだ。

_ 2SK30Aソースフォロワを初段に入れる。

やっぱ、どうも30cmバックロード等の重負荷をかけると2SK170といえども1段では 2SB178 / 2SD178 SEPPを駆動しきれないようで、余波がインプット側にまで及んでいるようである。

ヘッドフォン専用で考えた場合、こんな重負荷は想定外でよいのであるが、しかし、制動力というのはヘッドフォンであっても表現力に反映されるであろうことは確実であるということを、ここ数日で確信するようになった私。初段に2SK30Aのソースフォロワを入れハイインピーダンスで受け、2SK170以降を充分に駆動し、かつ、インプット側とドライバ段が負荷で干渉しにくい構成にしてみた。

回路構成はまだ暫定でしかも、相当にクリティカルなバイアス設定が必要なものであるため、今日のところは未公開。

でもこれ、動作バイアスが決まると素晴らしい音が出る。ダイソーヘッドフォン、30cmバックロード問わず、その艶めかしさといったら最高である。テストのために再生したCDにしばし聴き入ってしまい、思わず実験を中断して鑑賞モードに入ってしまうほど。おかげで作業が進まない進まない。

しかし、電池の消耗に伴い、バイアス点がどんどんずれる。鑑賞モードであっても電流計から目が離せない。ソノ都度半固定抵抗2個を微妙なバランスでずらしていく。例えるなら、車の速度を時速120Kmで一定に保つため、エンジンルームに這いつくばってプラスドライバでキャブの開度を調整しているような感じ。ちょっとでも回しすぎちゃうと一気加速しちゃうし、閉じすぎると失速しちゃう。

これはちょっと、実用に供せる回路じゃないな。これを安定化する仕組みを考えねば。

肝は、0.4Vの電圧降下を発生させる方法だ。

シリコンTrなら、0.6Vでよいので整流用ダイオードでちょうどよいのであるが、0.4Vって微妙だよな。

FETを使った定電流回路を構成して、そこに抵抗を入れるかな。

でも、この電流が変動すると、終段のベースにかかる電圧が変わって、ゲルマTrは一気にメルトダウンの運命になるかも。バリスタで温度補償するって手もあるが、回路をあまり複雑にしたくないし。

_ 入手可能なデバイスの調査。

2SB178 / 2SD178 がナイスな同番コンプリであることが判明したとは言え、これで設計を進めても私てきにはなんら問題ないが追試したいという人にとってはなんの足しにもならない。2SB178 / 2SD178 を入手することはかなり困難であると考えられるからだ。

ということで、困ったときのサトー電気。Webでリストを見てみると、なんと、ゲルトラしかもコンプリペアがあるものはほとんど(というか、全部)全滅。これだから怖いよね、この世界。例えば2SB54なんて私が小学生のころは幾らでも入手できたし2SC372、2SC945使うようになってからというもの、2SC品番のほうが偉いと思っていたぐらいで2SBなんか見向きもしなくなった。が、気が付けばとっくの昔に廃品種でしかも超入手難。欲しくても買えない。

こういう経験をしちゃったもんだから、2SK19や2SK30A、2SC1815などの今、なじみ深い石も数十個単位で買っちゃうんだよね。10個ぐらいまとまると単価が安くなるってものあるけど、デバイス自体が気が付いたら無くなっていたっていう事態は悲しすぎる。2SA100もいまどき貴重品でしょ? 手元に8個あるけど、大切に使わなくちゃ。エアバリコンも、その手の代表デバイスだよね。

というわけで、今現在において入手が比較的容易なデバイスで、使えそうなコンプリペアをいくつかピックアップ、調達して音を出してみることにしよう。


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