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かにの泡ぶく


2006-11-02 一日中SEPP回路実験。

_ ヘッドフォンアンプの実験。


ひょんなことから、ヘッドフォンアンプを設計することになりました。

オーディオアンプは過去に何台か作ったことありますが、ヘッドフォンアンプってのは、作ったことありません。メーカーのWebを見てみると、ヘッドフォンってインピーダンスがまちまち。16オームだったり32オームだったり50オームだったり。ふ~ん・・・とか思いながら今回ターゲットとするヘッドフォンはAGKのK501で120オーム。8オームのスピーカーに比べると負荷は軽いものの、耳元に振動板があるわけで、音に集中するためには静的ノイズに気をつけないとなぁ・・・なんて思いながら、とりあえず久しぶりのディスクリートアンプなので教科書見ながら復習です。

ヘッドフォンだから、常用出力は100mWもあれば充分だろうという考えのもと、そのぐらいなら、定番2SC1815でいけるんじゃない? との思いもあり、取りあえず100個単位で手持ちがある 2SC1815 / 2SA1015 のピュアコンプリメンタリのシングル・エンデッド・プッシュプル(Single Edge Processor Packageじゃないよ)で実験をしてみました。

120オームの負荷を100mWで駆動するために必要な電圧と電流は3.3V / 28mAぐらいと計算されるので、電源電圧は単三電池8本の12Vとします。電池の消費に伴う電圧降下で8Vぐらいまで下がっても動くように。これなら電池の寿命一杯使えますもんね。
手持ちの2SC1815 / 2SA1015で大量にあるものは全部Yランクなので、hfeが100ぐらいとして、終段入力電流は、0.28mA。となると、前段は余裕を見てアイドル電流4~5mAとします。

前段(初段)は、個人的趣向によりどうしてもFETを使いたいので、まずはおなじみの2SK30A(GR)を前提に計算してみました。って言ってもシンプルな回路なのですぐですけどね。
アイドル電流を5mA、設計電源電圧を10Vとすると、ドレイン負荷抵抗1Kオームで負荷点の電圧は5Vとなります。ほんとは6.5Vぐらいがよいように思うのですが取りあえず試作ということで、わかりやすい値なので1Kオームの負荷で進めます。
ドレイン電流(アイドル電流)を制限するソース抵抗は、半固定を入れて実測で決めようと思ったのですが、短絡状態でちょうどぴったし5mAでした。実にナイス。ですので、あっさり取り去ってゼロバイアス駆動です。
終段はほぼピュアなB級増幅で動作するハズなのでアイドル電流は流れないはずなのですが、なぜか1mAほど流れます。でも、まぁ少しなのでよしとします(このへんアバウト ^^))。

この状態で一見よい感じなので、1KHz、1V p-p の正弦波を入れてオシロで波形を観測してみると、あれれ・・・かなり歪んでいます。おかしいなぁ。1V p-pの入力ぐらい軽くドライブできるはずなのですが・・・

あーでもないこーでもないと、いろいろ定数いじったり、電源電圧20Vまで上げたりしてみるも、結論は、2SK30Aの1段ドライブでは、いくらヘッドフォンアンプといえども荷が重いのでは??? ということになりました。2SK30Aだと二段にしないとだめっぽいです。

仕方ないので、手持ちのFETでドライブ能力高そうなものを探してみますと、2SK170というのがありました。以前、レコードカートリッジのヘッドアンプを作ろうと思って買ってあった超ローノイズのFET。2SK30Aに比べればこちらのほうがドライブ能力ありそうなので、さくっと交換してみます。足の配置が表裏なので、ちょうど石をひっくり返して換装して、ドレイン電流測るとなんとぴったり5mA。ほんとうに石を変えただけでOKでした。

波形を見てみると、なかなかいい感じどころか、ゲインがありすぎです。ゼロバイアス駆動で8倍ぐらいのゲインが出ています。ライン入力を受けるヘッドフォンアンプとして考えた場合、ゲインは3倍もあればOKですので、あまったゲインはNFBかけることにします。なんと贅沢な。

1V p-pも余裕でドライブ。波形も大変に綺麗です。

これに気をよくして、自室のCDプレーヤーと、30cmフルレンジのバックロードに繋いでみることにしました。2SC1815 / 2SA1015が8オーム負荷をマトモにドライブできるのか? という疑問は当然出てくると思いますが、3V出力で8オーム負荷だと約1W。それは無理にしても、50mA流せれば8オーム負荷で20mWの出力です。我が家のバックロードは能率かなり良いからこれでも結構な音量で鳴るに違いない・・・と思ってですね。

で、鳴らしてみたらば驚きました! かなりマトモに・・・いや、相当マトモに鳴るのです。かなりピュアな音。再生音は、音源の録音状態にかなり左右されます。というか、音源の録音状態がわかるほどの情報量はあるってことですね。2SC1815 / 2SA1015の音って、こういう音なのか・・・廉価な定番Trということで、取り立てて注目されることもないような石ですが、この音はなかなか素晴らしいです。

回路を見てわかるとおり温度補償してないので、最悪メルトダウンの可能性がありますので電流計とにらめっこしながら音量を上げていくと、我が八畳の自室では、五月蝿いぐらいの大音量で30cmバックロードが鳴り響きます。メルトダウンの可能性もなさそうです。

これ、パワー的にはヘッドフォン充分OKであることを確信しましたし、また、クォリティー的にも、これで充分いけるんじゃなですかね。

2SC1815 / 2SA1015のSEPPヘッドフォンアンプなんて、オーディオマニア氏から見たら鼻くそにもならないような構成かもしれないですけど、私としてはかなり満足どころか、30cmバックロードのBGM再生用メインアンプとしてしばらく使いたいぐらいの気に入りようであります。

取り合えずこれをベースにして引き続きブラッシュアップしていこうと思います。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ T.K (2006-11-03 00:51)

ちょっとしたプロジェクトになりましたね!気合入れて作らせて頂きます!<br>ところで、ヘッドホンは左右のマイナスが共通になっていますが、<br>問題ない?ですよね?

_ 青木 (2006-11-03 11:08)

はい。問題ないです。


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