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かにの泡ぶく


2006-12-03 壊すために作っているのか俺は・・・

_ 2SB22/D30ヘッドフォンアンプさらに進化。

昨晩『今度こそまずは一段落できるのではないかと思いますが・・・』なんて書いたにも関わらず、昨日の改造が与える予期せぬ副作用を発見してしまいました。

読みが甘すぎ・・・>俺。

試聴していて、ライブ録音モノの場の雰囲気感の低下ならびに、チェロの表現が痩せてしまったのを感じたのです。ちょいと看過できないレベルの副作用でしたので原因をいろいろ考えていましたら昨日カップリングラインのインピーダンスを下げたことによる副作用で、カップリングコンデンサの容量不足で低域のインピーダンス上昇が発生していたのでありました。とは言え、影響は20Hz以下の超低音域。ヘッドフォン再生であればあまり気にしないでもいいかなって思える帯域なのですが、しかし、それをわかってそうしたのではなく、意図せず発生したスペックダウンなわけです。結果的には気にしないでもよさそうな帯域ではあるのですが、でも、この場合結果オーライというのが実に気に食わないので、躊躇なくアンプの分解を決意します。

あとですね、積層セラミックコンデンサは、100オーム程度のローインピーダンスを駆動すると高調波歪発生しまくりだってことも、実測で判明しましてですね、これらの対策を取る必要もあって、これの対策もついでにやってまおうということで。

でも、でも、でもですね、本当に今度こそ、『今度こそまずは一段落できるのではないかと思いますが・・・』。

それらの対策を講じてまた組みあがったアンプを試聴するに、やはりやっただけの効果は明確に確認できます。また、自分の心の気持ちとして、作ったものに現状考えられる最善を尽くし、一点の曇りもない状況で鳴っている音というものは、聴いていてもまさに爽快なわけです。

だからこそ、ちょっとでも気になる点があると即修正したくなってしまうのですが。

音はかなりブラッシュアップされて、相当によい感じになってきております。と、思います。

今回の試作ゲルマTrヘッドフォンアンプとしては、取りあえずはこれでFixしてもいいかなって思えるぐらいまでに来ていると思っているのですが、でも、また、試聴を続けるうちになにがあるかわかりませんので、もうしばらくは、油断せずに聴き続けたいと思っております。

_ 入力段の考察。

SEPPはエミッタフォロワの組み合わせなのでゲインはありません。0dBパワーアンプであればSEPPのドライブ段をいきなりソースフォロワで構成してもよいのですが、K501のような比較的ハイインピーダンスなヘッドフォンを駆動することを考えると、ライン入力に対して電圧利得が少しは欲しいです。

ということで今回2SK170をソース接地でドライバ段に起用して、ゲインを期待したのです。これはこれで特に問題なく成功だったと思っているのですが。

実は昨日、このFETの単段アンプの特性をいろいろ調べてみたのです。

その結果、普通のソース接地回路で負荷をドライブした場合、負荷のインピーダンスを相当低くして重負荷にしてもですね、入力インピーダンスにはほとんど(全くと言ってもよいぐらい)影響が無いってことがわかったのです。

ま、等価回路で考えてみれば自明なんですけどね。

ってーことはですね、[2SK170] - [SEPP] という、3石構成でのアンプでも条件が限定されますが充分動きそうだな〜なんて、思っていたわけです。

ただ、ひとつ気になる点は2SK170の入力容量です。

前段(前置機器)には、現代の半導体アンプ出力しか繋がないぜっていう保証があれば、入力インピーダンスを20Kオームぐらいにしてしまえば30pFに打ち勝てるだけの高域特性が得られますし、かつ、入力カップリングコンデンサを無くすことができるというメリットも生じます。

が、前段(前置機器)に真空管プリのコンデンサカップリング出力繋げるかも・・・なんてことを想定しちゃうと、入力インピーダンスを250Kオームぐらいに上げたくなるのでそうすると30pFの影響が無視できなくなります。

現状私が進めているヘッドフォンアンプは、ご丁寧にも2SK30Aのソースフォロワで受けて、そのあとに2SK170に渡してます。ここ数日、いろいろ実験検討試行錯誤していて、この2SK30A要らないかなぁ・・・なんて思うこともあったのですが、でも、やはり、いろんなことを考えちゃうと、入れておきたいし、気分的に外せない。前段(前置機器)には一切の影響を与えず、見かけは仮に50Kオームであっても内部的には高インピーダンス入力で受けるというのが私なりのひとつの流儀となっております。

ということで、やはり今回もこの重鎮には、居てもらわねばならないようです。

_ 2SB22お宝画像。

その界では有名な「ゲルマ屋本舗」さんから、超貴重な「正真正銘の2SB22」お宝画像を頂戴しました(ゲルマ屋本舗さん、ありがとうございます)

 すげぇカッコいい。

 純正の放熱フィンを身にまとったその姿は、なんとも風格がありまさにPA用ゲルマニュームトランジスターとしての存在感バリバリです。

    その後の彼ら。普通のメタル缶を経てなんであんなチューブの姿になってしまったのでしょうか・・・それも時代の流れというやつなんでしょうかね。

 あまりにもお宝なので、ご紹介させていただきます。サムネイル先には少し大きな画像がリンクされております。心して拝んでくださいませ。



 貫禄あるなぁ。品番も刻印ですよ、刻印。素晴らしい。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ ゲルマ屋本舗 (2006-12-11 20:24)

放熱板付をやめちゃったのはコストの問題だと思います。<br>コスト掛けてPc値を稼がなくても、上位規格に2SB405/2SD72という強力なコンプリが存在しますから。

_ 青木 (2006-12-11 22:04)

もったいないですね。放熱板つきオリジナルの2SB22/2SD30どっかに各4個ぐらい在庫ないかしら。保守部品流通在庫で外国のパーツ屋に眠ってたりってことあるかもですね。


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