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かにの泡ぶく


2006-09-22 私ももうすぐ独立10周年・・・

_ 世の中捨てたもんじゃないけど、思っている以上に厳しいと思え。


『独立したいと思うんですが、食っていけるかどうか心配です。』
『独立して儲けるためにはどうしたらいいんですか?』
・・・・

独立して食っていくには・・・

    なにか秘策があれば、ぜひ私も知りたい。

独立して儲けるには・・・

    儲けるためだけの目的なら、わざわざ苦労して独立するまでもないだろう。そんなくだらないことのために独立なんざ、するもんじゃない。



食っていけるかどうかを考えて独立するかしないかを決められるうちは(逆の言い方をすれば、食っていけない可能性があるとした場合、独立しないでもいいという判断が出来るうちは)、無理して独立なぞしないほうがいいだろう。そのうち壁にぶち当たったとき、『やっぱ独立しなきゃよかった』なんて後悔の念が脳裏を過ぎっちゃうよ、そんなことじゃ。

これはあくまでも私の考えだが、独立するときには『自分の好きなこと』『没頭できる分野』で独立すべきだと思う。そうでないと、壁に当たったとき、貧乏になったとき、困ったとき等に、その独立路線が維持できなくなっちゃうだろうから。

それと、この世の中、そんなに甘くはない。勤め人から独立するってことは、一切の枠がなくなり、世間の荒波に身一つでさらされることを意味する。防波堤のある海水浴場で泳いでいるのではなく、太平洋のど真ん中で一人泳いでいくようなものだ。だからこそ、『自分の好きなこと』『没頭できる分野』で独立しないと、つぶしの効く仕事できないし、すぐにへこたれてお仕舞いになるだろう。

あるところには、世間の流行に便乗してうまいセールスしてさっと一儲けしちゃうすごいセンスの持ち主もいるようであるが、ここはそういう流行りモノは対象外。あくまでも、ある程度の継続性を持って個人で独立して事業を営んでいくというスタンスを前提としたい。

私が勤め人を辞めて独立を決意した理由を挙げてみよう。もちろん、非常に強く私個人の考えや志向が関係しているが、それ以上に重要なのが私を取り巻く環境(家族やその他いろいろ)だ。この両者がタイミングよく合致して実現できることなので自分の決断だけではなかなか独立は出来ないってことは事実だと思う。しかし一方で、自分の決断が確固たる意思に基づくものであるならば、説得により周囲の人達をも動かし、独立に向かうことは充分可能だろう。そももそ身内を説得できないで独立なんて、顔洗って出直して来いレベルの話だ。身内を説得できずして世間を説得して食っていくなんてこと、到底出来るはずがない。

私が勤め人を辞めて独立を決意した理由は主に以下の通りだ。

  1. 自分のやりたいことに全力没頭したい。

  2. 自分の力を試してみたい。会社という枠が無くなったときの自分は一体どの程度世間から相手されるものなのか?
  3. 個人が個人としてどこまで世間と対等していけるのか、身をもって検証してみたい。

  4. 自分のコドモにみせて恥ずかしくない生き方をしたい。

言うなれば日本という先進国でありながらかなり封建的風土の残ったこのご時世において、自分というただの一個人の存在がどういうものなのか、身一つでどこまで生きながらえることが可能なのかという点を検証してみたいとともに、たとえ貧乏であっても、自分のやりたいこと、自分の出来ることに全力没頭し、自分自身の持つポテンシャルを最大限に発揮表現してなにかに貢献したいというところかな。

かっこつけすぎ? かもしれないが、しかし、本心、本音だよ。建前じゃなくて本音。

建前でやっていけるほど自営業は甘くはないのだ。


現状逃避でもなく、単にスキルアップしたいなんていう軽い気持ちでもなく、自分のやりたいことにとにかく没頭したくなって、その世界でなんとしても食っていこうと決意が固まったそんなときが独立するときじゃないかな。

そんな理由で独立したいと思うのなら、心の底から応援するよ。

頑張れ! 頑張って生きれば、まだまだこの世の中、捨てたモンじゃないぞ。


_ 人脈は宝だ。

どんなに頑張っていようとも、徹夜で仕事をこなしていようとも、決して自分一人の力だけで明日の米を買っているわけではないってことは、常に肝に銘じ、お世話になっているみなさんへの感謝の気持ちを忘れてはならない。

当たり前のことだけどね。でも、初心忘るるべからず。これは大変に重要な点だ。

お客さま、クライアントあっての自分。どんなにすごい技術やノウハウを持っていたとしても、それで食っていくためには、それらを誰かに認めてもらって、対価をもらって明日の米を買わねばならない。

人脈は金で買えるものではない。仕事でもプライベートでも、なにかを通してお互いなんらかの信頼関係を構築しつつ、時間をかけて作っていくものである。

人脈は大切に。そして、信頼は決して裏切ることの無きように。

_ 『法人化』を嫌うわけ。

税制上法人化すると、利益をいろいろな形で法人という枠に留保できるので税制上は比較的有利であることは事実である。私も過去に何度か法人化を検討してみたことはあったし、今でも取引先からは法人化を要望されることも多々ある。

が、なぜ、法人化を嫌うか?

それはやはり、独立したときの心として「個人が個人としてどこまで世間と対等していけるのか、身をもって検証してみたい。」というものが非常に強くあるからだ。

売上が上がってきて、キャッシュがある程度コンスタントに回転するようになると普通は法人化する。が、私は、なんとしても、個人でやっていきたいという気持ちが根底にあるのだろう。個人でどこまで行けるのか、どこまで生きて行けるのかって点はぜひ検証したいし、あとに続く独立志向のエンジニア達の参考例にもなれれば幸いだし。

ただね、日本の会社の場合、やはり個人は軽視されがちな面がある。

個人だと取引口座作ってくれないってのからはじまり、契約上の云々、ISOがらみのことなどなど。組織を構成するのは個人であるにも関わらず、法人という枠がないと信用されない。ちゃんとしっかりやっている個人であれば、むしろ法人よりも信用度高くてもよいと思うのであるが、なかなかそうは行かない。

とあるクライアントであるが、どうしても個人事業所とは契約ならびに口座開設できないので、関係会社を経由して契約したいという申し出を受けたことがある。私は、『私個人と直接取引できないのであれば、残念ですが御社とのアライアンスは白紙ってことでまたの機会に・・・』と、お断り申し上げる旨内々に打診すると、急遽先方社内法務部と協議の上、個人事業所かにこむとの契約が可能になった例もある。これは一例だが、今まで法人前提でしか契約できなかった会社において、対個人との契約実例が出来たってことは、今後のその社の方針にも少なからず影響を与えるだろうし、個人(契約)に対しての考え方もより前向きに変わるだろう。これはもちろん私の努力だけでなく、それ以上に先方の、私とやりとりしていただき、かつ、社内での調整に奔走された担当者さまの血と汗と涙と努力の賜物であることは言うまでもない。感謝感謝である。

が、少しずつだけど、このようなところからも私は、日本国内においてちゃんと活動している個人(事業所)の地位向上に努めていきたいと思っている。


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