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かにの泡ぶく

内容は限りなくフィクションであり、嘘八百です。
本当だよ。

2006年09月14日(木) ラジオ検波回路再実験。

_ 動作原理の検証。

謎を謎のまま放置しておくわけにはいかず、いまさらなんら工業的意義も無いと思われるが、とにかく解明すべく再実験だ。

備忘録的メモなので、雑な記述はご了承をば。

_ 3A5検波回路再実験

3A5実験風景
3A5検波回路再実験


ただのグリッド検波から再実験してみた。

グリッドリークはもしや無いほうがいいか? と思い、グリッドリークを取って同調回路直結にしてみたところ、大変いい感じで動作するようになった。音質もなかなか。
これに気をよくして、プレート負荷抵抗をいろいろ変えて様子を見る。 単なるグリッド検波だとプレートの負荷抵抗を1Mオーム等、極端に大きくしてもあまり問題ないというか、そっちのほうがむしろいい感じ。なんなんだ?

しかし、再生かけると、負荷抵抗が大きいと再生が充分にかからない。
中波は50Kぐらいでいい感じにかかる。バルコニーに張ったショートワイヤーアンテナでローカル局は全局分離受信できる。我が家の場合、JORFラジオ日本(1422KHz)の送信所から直線距離で10Kmも離れてなく、ゲルマラジオ等ではJORFに潰されてJOLFニッポン放送(1242KHz)は完全に分離できない。もともと信号が弱くてただでさえ受信困難なJOQR文化放送(1134KHz)は、ゲルマラジオではさらにJORFのかぶりを受けて・・・という状況。なので、自作ストレートラジオの性能の定性評価としては:

・JORFとJOLFが分離できるか?
・JOQRが受信できるか?

がポイントとなる。あとは、ローバンドのNHK第一、第二が入るか。
話を戻そう。中波はよい感じだけど短波はだめだ。ダイオード検波(すなわち短波ゲルマラジオ)で聴こえるような超強力局は受信できるけど、再生が全くかからない。再生の帰還コイルの巻き数が足りない模様。巻き足そうかと思ったが、同調回路部はラジオ実験用の共通プラットフォームなので、やめた。

短波はまぁとりあえずほっといて、中波の再生検波がいい感じになってきたので、3A5のもう片方の三極管部で低周波アンプを組んでみたが、これはダメダメだった。なぜか全然ゲインが出ないで信号が弱くなってしまう。なんでだ。

このへんやっぱ、3A5の動作曲線をちゃんと見て定数決めないといけないな。 3A5についてはこのへんで、あとは後日の宿題。




_ 2SK192A-Y検波実験。

2SK192A-Y検波実験


まずは3A5でのグリッド検波をそのままFETに置き換えてみる。負荷抵抗は、9V時のIdssが3.8mAだったので、1Kオームとしてみた。

回路図上ではAF OUT1としてあるが、ここにはAFだけでなくRFも出てきているものと思われるが、この状態でも取りあえず検波作用は確認できる。小さいながらもちゃんとラジオ音声が聴こえる。

が、これって高周波増幅回路だよな。よく見てみると3A5のグリッド検波だって、増幅回路だし。

つうわけで、1.の回路のAF OUT1にゲルマニュームダイオードでの検波回路を付けてみると、大変よく聴こえる。1.の回路のままより、2.のほうがよく聴こえる。

次に、再生をかけてみる。3A5の2.の回路とまんま一緒。

これもよく聴こえる。3A5に同じく分離も良好。つか、3A5よりも感度も分離もよい感じ。しかも、短波でもちゃんと再生がかかる。うむ。

さらに、この3.の再生回路に検波回路を繋げてみると、なんと、3.だけのときよりより大きい音で検波できる。うむ〜、やっぱこれは、あくまでも高周波再生増幅回路で、確かにAF成分も出てきているもののRF成分も捨てちゃうにはもったいないほど多くあり、ちゃんとゲルマダイオードで検波したほうがよりまっとうだってことなのか?

・・・奥が深い・・・




_ 次に問題のトラ検だ。

トラ検の実験


簡単な評価回路を組む。実際に同調回路に繋げて聴いてみると、確かにゲルマダイオード一本よりは大きな音で聴こえるが、弱い局については妙に音が歪んだり、あるいは聴こえなかったりする。特に短波で顕著。

トラ検のベースに検波ダイオードを入れる・・・すなわち、検波とAF増幅という構成になるわけだが、こうしたほうが単なるトラ検より大きな検波出力が得られる。しかも、弱い局が歪むということもない。

ひょっとするとこれがトラ検(トランジスタ検波)が使われない理由なのか?

トランジスタ一本使って検波させるより、ダイオード一個入れてトランジスタで増幅させたほうが感度的にも検波出力的にも有利。ダイオード一個だけならそうたいしたインパクトも無いだろうし・・・ってことになれば、ダイオード一個入れてより高性能にしたほうがいいだろう。

ちなみに検波とAF増幅だが、AF増幅段を2SK192Aにしてみると検波出力の大きさ自体はそう変わらないものの、選択度が格段によくなる(前段は今回はいきなり同調回路)。これは、普通のトランジスタに比べてFETのほうが入力インピーダンスが高いために、前段同調回路へ与える影響がより少なくなるためだろう。

そう考えると、トランジスタ検波ってのは確かに実装するのに気を使うものだ。本来トラ検を同調回路に繋げる場合は、中間タップから繋ぐ等インピーダンスに配慮しないといけない。




_ RFパスコンの評価。

ゲルマ出力RFパスコン実験


よくゲルマラジオや、ダイオードで検波した直後にある高周波成分を逃がすパスコン。100PFだったり0.01uFだったりいろいろなケースがあるが、極めて単純な回路の場合、パスコンはだいたいどのぐらいがよいのか? という点について実験してみた。


ゲルマ出力RFパスコン実験オシロ管面


左の管面写真は、上の波形が1MHzの搬送波信号。これは、1KHzの正弦波で30%のAM変調がかかっている。
下の波形は、検波信号だ。

結果から言うと、1000PF(0.001uF)がよさそう。ということになった。但し、私の実験結果では・・・だよ、あくまでも。

左の管面写真はちょっと小さいのでわかりにくいが、まぁ、ゲルマでよく使われる100PFでも、ないよりは全然いいかなって感じ。でも、1000PF(0.001uF)のほうが、より包絡線っぽくていい感じだ。
但し、0.01uFまでいくと、低周波までパスされてしまって出力波形が随分小さくなってしまう。これはパスしすぎ。

ゲルマ出力RFパスコン実験風景




_ かなり気が済んだ。

今日は前回の定性味見実験結果を元に、計画を立てて実験を行った。その甲斐あってか、いろんな回路を比較的定量的に実験することができて、これでかなり気が済んだって感じだ。

こんなことしてどうするんだ? という話もあるが、別にどうするつもりもない。今日やったことなぞ、そのへんの入門書や解説書に書いてあるような内容ばかりだと思われるが、それを見たり読んだりしただけでは満足できず、自分の眼や手、耳、肌で感じて実際に検証することがとても楽しいというそれだけの趣味の道楽なのだ。

まぁ、好きなのだから仕方ない。

_ 「電子工作物語」夕方到着。

昨日注文した「電子工作物語」到着。ラジオ実験を半ば終えて終盤に入ったころ。一通り終えてから、「トランジスタ検波ラジオが使われない理由」を読んでみた。

なるほど。要はTrの順方向電圧降下。0.6V以上電圧がないと流れない(検波できない)から、感度的には不利という内容。確かに今日の実験でも、弱い信号の検波に問題があるという結果が得られた。

うむ〜、これはシリコンダイオードでゲルマラジオが作りにくい(作れない)理由と一緒だな。

シリコンダイオードでゲルマラジオ(なんかヘンだ。シリコンなんだからシリコンラジオか?)の場合、バイアス与えて0.6Vのギャップを下駄上げしてやればちゃんと検波できることは私も子供のころ実験した。となれば、トランジスタ検波の場合も、バイアス与えてやれば・・・と思うのだが、ベースに0.6V与えるってどうすればいいのだ? それはそれで難しくないか? なんだかややこしいな。そんなことまでしてトラ検使わないでもいいだろうって気もする。

う〜〜む、なんとなくわかったようでわかってないような、数学の時間に因数分解の公式を丸暗記して、解けるようになったけど原理がわからずムカムカして気に食わないような気分だ。

これについては今後とも引き続き調査だな。

0.6V問題ももちろん大きな問題だが、私としては、他にもトラ検は入力インピーダンスが低いから扱い(前段との接続)に気を使うってのも、使われない理由のひとつではないかと思うのだが。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ 再生ラジオ興味津々 (2016年03月02日(水) 22:32)

凄いタメになりました。
教科書読んでも実験&考察の流れがないと、素人にはチンプンカンプン。(@@)
それは恥ずかしい事なのですが、こうして教わり自らも出来る実験をしてみる事で一層の理解を深める契機になる!…と信じています。(汗)
2006年の記事に今更ですがTr検のバイアス(0.6V)はシリコンダイオードをベース-GNDに入れるを考えたのですが部品点数を増やすだけだなーと自問。(でもVCC-ベース間に100KΩで1.5V1本でも十分動くシリコンD(15uAでは2本直列位嵩上げがいるかも?)もあるしそれはそれで電池1本という利点も?)
とにかくもありがとうございます。
お手本にして再生+Tr検ラジオを試組してみたいと思います。

_ 青木@管理人 (2016年03月03日(木) 13:19)

再生ラジオ興味津々さん、コメントありがとうございます!

ワンチップDSPラジオモジュールの時代に今更、再生検波回路組んでもまったくなんの意義も無いわけですが ^^)、でも、やっぱりこうしたシンプルで自分の眼で見て動作が体感できるアナログ回路は、いじっててとっても楽しいものです。

特に再生検波は、真空管で駆動すると本当に素直に「さーっ」ってかかって、実に見事なものです。ローカルAM局を再生軽めにかけて受信すると、本当にすごい良い音で検波できます。

こういう技術は、文化として後世に残したいものです。

_ RADIO KITS (2016年06月15日(水) 18:31)

6D6で再生検波させて見ました。 HI-FIな音で驚きました。
デジタル表示で周波数直読できました。

こういう技術は後世に伝えたいですね。

_ 青木@管理人 (2016年06月16日(木) 13:06)

RADIO KITSさん、6D6とはシブい ^^) ST管はカッコイイですよね。
6D6だとグリッド検波でしょうか。真空管のAM検波は本当に音が良いです。
再生検波だと正帰還で微発振状態なので、確かに周波数読めますね。
面白いアイデアだと思います。私も今度、実験してみます。

ありがとうございます。

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