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かにの泡ぶく


2007-04-12 仕事に没頭。

_ 久しぶりに簡易スタジオ設営。

今日は自オフィスで本業のひとつである撮像システムのチューニングに没頭。

リニアマトリクスやトーンカーブ(ガンマカーブに変調かけちゃうんだけどね)の調整、低照度下でのノイズリダクション調整、ベイヤー補間と偽色の戦いをしたり。

撮像システムのチューニングというのは非常に難しい作業だ。

解が一つでなく、また、理想値というものもあるにはあるが到底全部の要素が理想値を満たすなんてことはあり得ないわけで、根性で理想値を追い求めて作業を行うのではあるが、最後は落としどころの模索になる。

月面着陸船から月面を見た際、目前に広がる荒れた地面を見て『話がちがうじゃんかよぉ・・・』とぶつぶつ言いながらも降りるしかないので少しでも理想に近い着陸地点を探して降ろすのに似ているかな。月面着陸がどんなものなのか知らないが。

特に低照度下では、ノイズとディテールは相反する。すなわち、ノイズを取るとディテールも損なわれるし、ディテールを残そうとすると、ノイズもある程度許容しなければならない。

だから、チューニングの際に重要なのは、画像処理の知識も必要だけど、クライアントがどういう画を求めるているかを把握し、自分の感性をクライアントの要求にどれだけバイアスさせ、マッチングさせることができるかという点にもある。

チューニングも進み、後半戦真剣勝負になってくると画作りの方向性でぶつかることも珍しくない。「俺はこんな画作り絶対ヤダ!」みたいな。そうすることは可能なのだけど、やりたくないみたいな。

でもまぁそのへんは、大人の対応ってことで私も最近は随分丸くなってきたなぁ・・・と、自分でも驚くことがあるぐらいだ。サラリーマン時代は会議中にあんまり頭にきたんで上司に向かって「私はそんなことやれますけどできません」って言ってそのまま自宅に帰っちゃったこともあったなぁ。そんときのテーマは画質チューニングではなかったけど。今にして思えばさぞかし扱いにくい部下だったろう。

そう思うと、歳取るってのも、あながち悪いことばかりじゃないのかもね。

というか、自分の感性が世間の感覚と乖離してきたように感じることがあって、それに対して、最後まで自分の主張を押し通すだけの気迫を持てなくなってきたってことなのかなぁ。

処理前の元画を見ちゃうとね、どっち転んでもたいした差は無いよなぁ・・・って、思っちゃうってこともあるかも。

でも、そのちょっとの差を追い求め、ちょっとの差であっても差を付けることが出来たとき、ほんとにほんのちょっとかもしれないけど、この業界の中で頭ひとつ出ていられることが出来るんだろうなって、思う。

だからこそ、この仕事、とても面白い。

_ 太陽が欲しいっ!

低照度は現在5Lux(EV1 at 18%Gray)までは安定した再現ができるのであるが、高照度側がウチの場合、3000Lux(EV10+1/3 at 18%Gray)ぐらいまでしかいかない。

高速シャッター領域の評価にはせめて、10000Luxぐらいまで出てくれればなぁ・・・

仕方ないので今は、被写体を真っ白い紙にしてやっている。

でもこれだと、ただの真っ白なので写実的な表現の確認はなんにもできない。

人工太陽灯はおおげさすぎだしなぁ・・・

色再現の最終チェックは太陽光下で行うようにしているが、屋内で再現性のある環境下での調整も非常に重要だ。ゆえに昼白色光(何年たってもこの表現には違和感を覚える)蛍光灯を使った照明での色チューニングも行うのであるが、蛍光灯だと放射スペクトルが均一でないので、具合がかなり悪い。

スペクトル均一で5000K前後で10000Luxぐらいって考えると、現実的な解としては太陽しかない。

田崎真珠は、真珠の選別を行うためにいろいろな光源を研究したが、最終的には太陽光しかないという結論になり、神戸は六甲山麓に太陽光を採り入れるために最適化設計された真珠選別の工場を作ったそうな。

かにこむも六甲山麓にカラーマネジメント研究所を作ろうかな。なんちゃって。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ まつ (2007-04-12 23:19)

確か、六甲山に反射した(?)太陽光が最適なので<br>北向きの窓をあけた... のでしたっけ?

_ 青木@管理人 (2007-04-12 23:50)

そうそう。まつさん、詳しいですね。<br>私、全然別件でなのですが真珠のこと調べたことがあって、田崎真珠のこの話を知ってたいそう感動したものです。俺も六甲だ! みたいな。<br>馬鹿ですね>俺。<br>でもあの近辺って、独身時代に3年間ほど住んでいたこともあってなじみ深いんですよね。大変住みやすいですし。

_ まつ (2007-04-13 07:01)

> でもあの近辺って<br>小学生時代 2年ほど 夙川に住んでいたことがあります。<br>なので、私も西宮 (芦屋・六甲山あたり) は<br>懐かしさを持って思い出す一帯です。<br><br>で、六甲山といえば ロッコール、でもありますよね。<br>(私はミノルタカメラとは縁がありませんが、<br>あ、もちろん真珠とも全く縁がありません)

_ 青木@管理人 (2007-04-13 10:05)

ロッコール大好きな私です。<br>でも、ミノルタのカメラは、一時期CLEを持ってましたけど今はもうありません。<br>六甲山から見る夜景は確かに綺麗でした。「関東煮」なるものをはじめて食べたのも、あの六甲山の売店でだったかな。<br>実は私、「六甲のおいしい水」の採水プロジェクトに関わっていたのですが、そのころは毎日六甲近辺うろついていました。


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