結局既製のミニコンを買いましたぁ


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1/23、家の近くのダイクマから、先日の日曜日に注文したミニコンが入荷した旨連絡あり。で、早速取りに行ってきました。

結局ですね、今は他にやりたいこと、やるべきことがたくさんあるし、もちろん自作もしたかったのですが、自分の関心がこれ以上分散するのも好ましくなかったので、先日の日曜日にダイクマの店頭で実際に見て決めたミニコンを使うことにしたのです。

買ったのは、ビクターのFS―1というもので、定価不明ですが4万5千8百円で買いました。定価たぶん6万とか7万ぐらいですかね。で、私はここ数年のオーディオ事情がどうなのかまったく浦島状態ですので、このFS―1が市場でどのような評価を受けているのかわかりません。ただ、この価格帯ですと、見かけ倒しのミニコンが多いなか、実に誠実さと気合いを感じる製品でしたので、決めました。

結果は、実に満足で、素晴らしいクオリティーです。8cmのフルレンジなのですが、ここまでチューンできるのかぁ・・・・って感じで、いや〜、いい仕事しますねぇ、ビクターのエンジニアのかた。
FS―1に決めるまで・・・

私の主な用途は、 BGM用にFM放送を聴くこと、CDをやはり気楽に再生したいという2点でしたので、MDとか、カセットデッキとか、そんなのは全く不要です。もともとあまり、既製のミニコンには期待していなかったので、まぁ嫌みでない音が出ればいいや・・・てな感じで選びに行きました。

過去の歩み を見ていただければわかっていただけると思うのですが、とにかくシンプルを愛し、接点、コンデンサを敵とする私にとっては、へんな音質悪化機能はないに越したことはありません。今時トーンコントロールをあえて装備しないほどの気合いの入ったミニコンはもちろん存在するわけないでしょうから、まぁトーンコントロールは百歩譲って勘弁しましょう。しかし、グライコ、へんなサラウンド、そんなもんは地獄行きです。

で、ダイクマ店頭で、予算5万円ぐらいで見てみますと、あるある、見かけ倒しミニコン軍団。20cmぐらいのウーハーと、ツィータの2ウエイ構成で出力100w+100wなんてどうどうと書いてありますが、スピーカーコードを見ると、もう輪ゴムぐらいの細さの頼りなさ。これ、100w流したら燃えるんじゃないか? これこそはったり、見かけ倒しの代表です。しかも、100w+100w=200wなのに、最大消費電力が120wなんてのもあります。おいおい、おめーはどっからエナジイもらっているんだぁ? 日常聴く分には、実効出力1wもあれば充分だよ。まぁ、ものがミニコンなので、ある程度その方向に走ってしまうのもほんと、仕方がないとは思うのですが、なるべくまともなものを探します。

ソニーの、なにかやけに四角いヤツがデザインもよく、まともな作りだったのでよかったのですが残念売値で9万円台と、予算オーバーです。で、いろいろ見てみると、小粒だけどもひときわ輝く製品を見つけました。それが、ビクターFS―1です。

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機能はシンプルで、CDとFMとAUXと光(私の感覚だと、このランクで光があるってのが驚きだが)だけで一体構成というシンプルさ。しかも、この値段だと、見た目のはったりを追求した2ウエイ100W機がわんさかとあるなか、8cmのフルレンジに10w出力と、実につつましいです。

『結構キてるなぁ・・・』

と思った私は、すかさずスピーカーをひっくり返してコードをチェックします。あ、そうそう、よく店頭で音を聞いてるかたをお見かけしますが、その時の心象を真に受けてしまっては危険です。まぁ、どんな傾向の音か・・・ぐらいはわかりますので、もちろん鳴らせるのであれば鳴らすに越したことはありませんが、周囲の環境によって、音の回り方は随分変わってしまうものです。で、スピーカーコードの続き・・・


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『げっ』

私は驚きました。(ミニコンにしては)すごい豪華なケーブルです。なんと、無酸素銅を使ったケーブルではないですかぁ。はったり仕様2ウエイ出力100wのミニコンよりも数億倍品質の高いケーブルが、8cmフルレンジ出力10wのミニコンに採用されております。う〜〜〜〜ん、これを企画・設計したエンジニア達の気合い、気迫を感じます。きっと、心底音楽・オーディオが好きな連中が作ったのでしょう。あなた方がスピーカーコードに託したメッセージは、確実に私はキャッチしましたよ(笑)。私は無意識のうちに次の瞬間、『すいませ〜ん、コレお願いしま〜す』


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残念ながら在庫なしで、今日入荷・受け取りに行って来ました。早速接続してラックに入れてみます。まずはFMで第一声を。

『おっ・・・なんか、ドンシャリだなぁ・・・』

トーンコントロールを見てみると、低音+2、高音+1の設定の上にさらに、デフォルトでスーパープロサウンドとかいう、ラウドネスみたいなトーンエフェクト(低音ブーストか?)がオンでした。まぁ、仕方ないですね。このぐらいは。で、全部ニュートラルに戻して再度ならしてみますと、それでもそれでも、実に素晴らしいサウンドです。

目隠しされたら8cmフルレンジとは思えないでしょう。いえこれは、誇張ではありません。ほんとうにそうなのです。小口径フルレンジの特徴である音位のよさもばっちりです。素晴らしいです。ミニコンもなめたもんじゃないな・・・・って、再認識です。

せっかくですので、このベストチューンされたスピーカーを調べてみましょう。 もちろん図面なんか添付されてませんので、推測でスペックをはじき出します。

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外見測定より、体積は約 1600 cc です。で、エンクロージャーの形式はバスレフ。背面にダクトが見えます。小口径ユニットの場合は、背面ダクトというのはユニットの背圧を効率よく利用できるというメリットがある反面、定在波を拾いやすくなるという難しい面もあります。しかしながら、ユニットの取り付け位置は当然センターからずらしてありますが、このダクトの取り付け位置も、かなり壁によったところにあり、これはもしや積極的に定在波を利用しているのか??? とも思える設計であります。当然私の推測でありますので、真偽はわかりません。


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で、このダクトの共振周波数ですが、開口断面積が約3cm^2で長さが約10cmですので、体積は30mlとなります。この値を元に、ダクトの共振周波数を計算してみますと・・・(式省略)・・・約30Hzですねぇ・・・・。う〜ん、ちょっと信じがたい数値です。ユニット自体は、恐らく8cmなので、共振周波数はぜいぜい100Hzでしょう。と、なると、普通は60〜70Hzぐらいにダクトの共振周波数を持ってくるのですが、1オクターブ低いですね。う〜ん、う〜ん、う〜ん・・・・(激しく悩む・・・)


まぁ、そういう難しいことは専門のかたにおまかせするとして、当面の問題は、FMの電波が弱いことです。私の住んでいるところは、鉄骨の賃貸マンション。すごいシールドパワーなのですね。で、今、ためしに、TV用のアンテナにつないでみました。周波数がかなり違うので、指向性が反転してしまう場合があるのですがそんなこと気にせず接続です。まぁ、多少ましになったのですが、どうも、壁にあるコネクタから普通のビニールケーブルで3m近く引き回しているため、ロスが多いです。若干ヒスノイズが混じります。ここは、3C2V程度の同軸を調達して、ちゃんとやらないとダメですね。モノラルならば、充分な品質です。まぁ、しばらくはモノでいいかな。

うん、かなり満足な買い物でした。


おしまい。