音楽は生活の一部だぁ!!


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そう。音楽は生活の一部、人生のエッセンスと言ってもいいでしょう。私は、音楽は物心ついた頃から好きだったようです。

『音楽は心で聴くもの』と、私は思います。オーディオにしてもそうです。だって、私がよく聞くクラッシックなどは、レコーディングが数十年前なんてのざらです。こんなのになってしまうと、どんなにすごいシステムを持ってしても原音再生なんて絶対ムリ。だって、原盤に情報がないのですから。

しかし、その原盤に刻まれた情報を、少しでも多く取り出したい。また、『自分の心によりうまく整合する音を出したい』・・・・そんな自分自身の思いが、自作オーディオの道にはまるきっかけだったのかもしれません・・・・・

同じ曲でも楽団や演奏者の違いによっていくつもの盤をお持ちなかたも少なくないと思います。また、同じ楽団や演奏者でも、録音年代によって解釈は随分違うものです。

私も、例えば、バッハのマニフィカトという曲は、レコードだけで5枚持ってますし、マーラーの大地の歌も、何枚かあります。自分の聞いたことのない演奏者、楽団のものが見つかれば同じものでもまた買ってしまうでしょう。それほどまでに同じ曲でも全然違った演奏のされ方になってしまうものなのです。

オーディオ自作沼にはまるとさらに事情は複雑です。だって、たんに、『スピーカーケーブルを替えるだけで』音が変わる。コンデンサなんて大変な騒ぎです。こういうお話をしますと、『本当に変わったことが判別できるか、おめーに目隠しさせて実験してみたい』と言い出す意地悪なかたがおられます(笑)。私の友人にも居たのですが、残念ながら、私は全部聞き分けることが出来ました。

だからどうこうってわけでないのですが、『音楽は心で聴くもの』。これだけは忘れないようにしたい思います。そのへんのAMラジオから出てくる音声であっても、いい演奏はいい演奏ですもの。
過去のあゆみ・・・

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右の図は、たぶん中学1年のころの私の机の上です。もうかれこれ うん十年前 ぐらいです。

当時の私は BCL / SWL 沼にもはまっておりまして(笑。これはこれでまた今度コーナーを作りたいですね)、写真の TRY-X 2000 を当時は使っておりました。壁に貼ってあるのは灯台から放送される気象通報(1669KHz / A3J)のマップですね。で、机の右の端に、真空管が4本たっているのがわかるでしょうか? これこそ、私が初めて半自作した、管球式モノラルアンプです。半自作というのは、どこかに業務用インターホンが捨ててあったのですね。それを拾ってきたのですが、シャーシの裏に張ってあった回路図を元に再度組み直したものなのです。幸いなことに、出力変成器(これがすぐ通じるかたは、歴史長いです)や電源トランスなどの大物はありましたので、復元は容易でした。
念のために補足しますけど、私は中学校の技術家庭で6石スーパーを作った年代です(笑)。真空管世代じゃぁありませんぜ。
この無事復活したアンプは、 TRY-X 2000 から音をもらってモニタ用に大活躍したのですが、 TRY-X 2000 本体の音よりも全然了解度がいいのですね。スピーカーはインターホンについていた、500オームとかいうとんでもないインピーダンスのものでした。


これで私はまず、『音』という要因へ非常に興味を持つようになりました。アンプとスピーカーを替えただけで、今まで雑音混信に埋もれて聞き取れなかった信号が、聞き取れるようになったからです。で、主にステレオ再生装置関係の本を急に読み始めます。で、スピーカーの仕組みや、アンプの仕組み、そのほかいろんなことを勉強して、まずは『スピーカーボックスを作ってみよう』とうことになりました。で、アキバに言って、8cmぐらいの小さいスピーカーユニットを一個確か980円で買いました。中学生だった私は金が全然なかったので、川崎から秋葉原まで、自転車で(たぶん25kmぐらいあるかな?)買いにいきました。てきとーな箱を木で作って、それにスピーカーユニットを入れます。スピーカーボックスのことをエンクロージャーとも言うのですが、これにユニットを付けるための丸い穴を空けるのがすごく大変でした。で、無事完成したものを、愛用の4球モノラルアンプにつなげると、なんだか随分音がおかしいです。自作スピーカーを TRY-X に直接つなげるとちゃんといい音で鳴ります。当時は、出力インピーダンスのことなど全然頭になかったのでムリもありません。4球モノラルアンプは、出力が500オームで整合するようになっていたのですが、私が買ったスピーカーユニットは確か4オーム。不整合だったわけです。結局、4球モノラルアンプはこの後火を噴いて破壊。私が不整合に気が付かないままこの世を去りました。

以後、中学〜高校にかけていろんな知識を得て、さらには、高校ではバイト(学校では禁止されておりましたが・・・家庭教師のバイトしてました)をするようになって経済状況もかなりよくなってきました。で、まずは、プリ〜メインアンプ〜スピーカーまでを全部自分で作ってみようということになります。

初めて作ったオーディオシステム
 ● プリ部  : 4558 オペアンプ使用の EQ アンプ
 ● メイン部 : STK-441 というハイブリッドパワーアンプ用 IC 使用パワー
          アンプ出力20W。IC 一個でステレオ分入っている。

          これは私のオリジナル設計(と言っても NFB 量の決定だけだ
          けど)で、私の秘密の蔵を探したところ、今でも図面が残って
          ました。その図面によりますと、NFB が何 dB かは明記されて
          ませんが、f 特:20-100 KHz / -3 dB で、THD 0.3% とありま
          す。結構気合い入れたのね>俺。

 ● スピーカー: テクニクス 10F-10 (10 cm)のフルレンジ

          これも図面がありまして、10 cm のフルレンジのくせに内容積
           18271 cm^3 のバスレフで、ダクト部の計算など、全部自力で
          やっております。メーカー推奨箱が確か 4000 cm^3 かそこいら
          だったような記憶があるので、これも結構気合い入ってます。
          ダクト部は、56.6 Hz に共振させていたようです。


このシステムをベースにして、以後、スピーカーボックスばかりを大量に設計 / 製作します。私の場合、既存の図面は一切使わず、全部自力で設計製作していたことが当時の私の性格を反映しております。
 ● フォステクス FE-83 の小型密閉
 ● コーラル FLAT-5 II を使った平面バッフル
 ● ナショナル 9P30S( 8cm フルレンジ)ドロンコーン
 ● コーラル FLAT-5 II を使ったバスレフ
 ● 8cm フルレンジ(ユニット記載なし)超小型バックロード
 ● 8cm フルレンジ(ユニット記載なし)小型密閉
 ● コーラル FLAT-5 II を使ったバックロード
 ● テクニクス 16F-10 の小型バスレフ
 ● テクニクス 16F-10 の大型バスレフ(40 リットル)
 ● 10F-10 改造ウーファーと 8cm フルレンジを使ったカーステSP
 ● 14F-10 を使った 22 リットルバスレフ
 ● フォステクス FE-103 での無線用密閉モニター
 ● フォステクス FE-207 を使ったバックロード
というのが秘密の記録に残っております。

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発掘された秘密のノート。当時実験していた、430MHz のキュービカルクワッドのデータや、オーディオアンプの回路図などが書いてある。途中で挫折したものも多数あり、見ていて面白い。



『こんなにたくさんどこに置く場所あるんだぁ?』

という疑問がわきますが、これは、弟の部屋に押し込んだり、友人知人にあげたり、無期限に貸し出したりで、なんとかどこかに置いていました。

上のリストの最後にある、フォステクス FE-207 を使ったバックロードは、私の自作歴で最新の作品でして、大学の頃に製作、以後、スピーカーの自作はしておりません。

では、以下に、発掘された数少ない写真での記録を元に、今までの歩みの一部をご紹介しましょう。



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これは、私が初めて自作したコンクリートプレーヤーと、当時使っていたシステムの一部です。時期は大学生の頃でしょうか。今から12年かそこら前ですね。今までの自作オーディオの歴史の中では、比較的新しい頃のもので休止状態になる数年前のものです。この頃のものしか残念ながら写真がないのです。
プレーヤーは、木枠の中にコンクリートを流し込むという手法で作成されておりまして、約 30 Kg ぐらいの重量がありました。
アンプは、パワーアンプがアキュフェーズの P-20 で、これは今も実家の弟の部屋にあります。
上に載っているのが、パイオニアのプリメインアンプ(型番失念)で、こいつは実は改造されておりまして、プリ部出力に同軸を半田付けして P-20 に入力しております。
さらにその上は、FM チューナーですね。これは、トリオブランドだっけかなぁ・・・・失念です。

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時期的に上のやや後です。これは、まず、プリアンプが先輩から買ったメーカー名忘れた型番忘れたのプリ専用アンプです。これも、実家に現存します。当時はアマチュア無線にもはまっていたので(まただ)、JARL からもらった表札がひっついてますね。
プレーヤーは、あのコンクリートプレーヤーのせいで床が抜けかかるという非常事態になってしまったため、『重量で振動を押さえる』方針を180度転換して、『あらゆる方面から吟味して、共振点を可聴周波数帯域から追い出す』という方針で新たに設計したプレーヤーです。
ひのきの単板の上下をラワン合板で挟むというサンドイッチ構造のボデーに、ドライブ用モーターとアームを載せております。木の密度から音速を求めて、可聴周波数帯域内で定在波が発生しないような寸法にしたのですが・・・・そんなの実際どうだかわかりませんね。ただ、上記 30 Kg コンクリートプレーヤーに比べて、総重量 2Kg 弱と、床への負担は激減しました。

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2006年12月10日追記:以下 "2SK-30" と書いてあるものは、あのシルクハットの元祖 2SK30 では無く、角がまるっこい 2SK30A のことです。以下で言うところの”当時”は、2SK30から2SK30Aへの切り替え時期であったかと思われますが、サトー電気で「2SK30くれ」と言うと確か「30Aでいいかい?」と確認されたような記憶があります。当時の私は今ほど品種拘りが無かったので ^^)、同等スペックなら全くノー問題と思い、30Aで作ってました。
そして今日現在ですが、パーツ屋さんで「2SK30Aくれ」と言って出てくるのはほぼ間違い無く2SK30ATMです。

最近なぜか2SK30関連の質問やゲルマTrの質問が急増しておりまして、過去に書いたコンテンツ内の曖昧な表記について、気が付くたびに追記補足することとしました。


当時私は、オルトフォンの VMS-30 という MM カートリッジを好んで使っておりましたが、この写真にあるのは、この VMS-30 専用に自分で設計したプリアンプです。
2SK-30 という、当時HiFiオーディオ用になんか絶対使われない石を使って作ったのですが、非常に素晴らしい音がしました。
なんで 2SK-30 なんかを使っていたかといいますと、当時私は、トランジスタでいろんなアンプを設計・製作していたのですが(写真がないのが残念)、トランジスタの限界を感じていたのですね。まぁ、自分の技量のなさがほんとうはほとんどなのですが、私は、なんでもシンプル派なのです。この頃は、いわゆるメーカー製アンプのその内部構造の複雑さに嫌気を感じはじめていたころです。『複雑になればなるほど混沌とした音になる』と思った私は、トランジスタで極力部品点数の少ない、シンプルな回路をいろいろ試行錯誤しておりました。が、もともと電流素子であるトランジスタに、電圧を扱わせるのはムリがあるのでは・・・・という観点から、FET の勉強を始めたのです。
オーディオ用の FET は高価でしかもデリケートなものが多いです。そこで、少しぐらいじゃ飛ばない、しかも一個 30 円ぐらいの 2SK-30 で勉強兼ねて実験用のフレームワークを作ってみたのです。
電源は、ご覧のとおり、006P X 4 本で、36V 駆動です。
ところがこいつが、予想に反してすごくいい音が出てしまったのです。で、2SK-30 をベースにして、いろいろチューンナップするの図が、この写真です。

ちなみにこのプリアンプ、決闘の旅に何度も出撃しましたが、全勝です。まぁ、主観的な判定ですけどね(笑)。ケース込みで全制作費確か1万円しなかったんじゃないかな。コンデンサに2千円ぐらいの使ったりしましたが、なんせ、石が @30- なので、いいですね。2SK-30 2石構成で、ステレオで4石。電池は毎日使っても半年は軽く持ちました。


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で、上の FET アンプに気をよくした私は、トランジスタとの決別を心に誓い、管球式アンプにはまっていきます。アキバの三栄無線で購入したキットをベースに、いろいろ手を加えていきます。あ、回りの木枠は、私が作ったのですよ。
P-20 がメインアンプだった頃は、スピーカーも 30cm + 16cm + ホーンツイータみたいな構成だったのですが、シンプル指向が強くなり、アンプが管球式になった頃から、だんだんフルレンジの素直な音、音位を好むようになってきました。

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これは、今の所最後の作品である、フォステクス FE-207 を使ったバックロード(オリジナル設計)の製作過程です。

2006年12月10日追記:その後(2000年秋〜冬)懲りずにまた作りました。詳細こちらです。

随分はしょった音道ですが、計算は一応、純粋なエクスポネンシャルホーンです。音道の半分ぐらいまでは、カットオフ 35Hz で、ユニットの背後のキャビティーとスロート部により計算されるクロスオーバーは、151 Hz です。ちょっと高いかなぁ・・・・って、設計段階から心配だったのですが、この心配は見事的中し、思った以上に低音が弱く、また、低〜中音部に鳴きがかなり入りました。これについては、図面も一緒にご紹介しましょう。方眼紙に書かれた図面、見たのは何年ぶりかわかりませんが、すごく懐かしいですねぇ・・・・・

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この上の画像は、全部図面です。方眼紙図面と、ワープロ打ちされた設計値と、板取り、それと、当時使っていたプログラム電卓で使ったと思われる、エクスポネンシャルホーン設計支援のプログラムリストが、まとめて B4 コピーに取ってありました。当時の俺って案外几帳面だったのかなぁ・・・?

このスピーカーは、私のお気に入りで、今でも実家にあります。吸音材は全く使っていません。背面の押さえの効いたレスポンスのいいスピーカーで、クラッシックも合唱曲もよく鳴りますが、小編成のジャズをならしたらもう最高です。

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これは、遂に生録も始めるの図で、なんと、SONY PCM-F1 という PCM プロセッサです。オーディオ好きな先輩でしたらご存じなかたも多いでしょう。β方式のVTRと一緒に使うもので、βカセットに、PCM 信号を書き込み、再生するものです。今ならば DAT でおしまいですが、当時はこんなに大がかりだったです。

トランジスタ決別宣言を受けて、行き場のなくなった P-20 が左側に転がってますね。



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PCM-F1 を使ってはみたものの、『やっぱ音はアナログだ』と思った私は、AKAI の 747 dbx を購入します。PCM-F1 はもうとっくに手元にありませんが、747 dbx は今でも実家の押入にあります。

あ、余談ですが、747 dbx の台になっているのは、30cm のセンターウーファーシステムですが、これは失敗でした(笑)



と、いうのは全部過去の話。


そして、今。



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結婚して今の場所に住むようになり真っ先に購入した小型のラジカセCDシステム。シャープ製で、確か3万円弱だったかなぁ・・・

『音楽は心で聴くもの』の私は、なんでもまぁ音が出ればいい。音がない生活なんて、いやだと思って購入したものだが、そのスピーカーコードを見るたびに、『・・・・・』


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で、今はもっぱら BGM は FM を流しているが、その BGM 専用 FM 機になっているのが、これ。
『SONY ICF-6800A』である。ちなみに、この機は、私が高校生のころ、生まれて初めてローンを組んで買ったもの。確か、5万数千円で買ったんじゃなかったかなぁ・・・・・

愛用すること15年、今でも現役だけど、だいぶ狂ってきている。



こんな私が、いよいよ部屋に BGM をメインにしたオーディオシステムを導入しようとしている。

  • 既製コンポのちょっといいものを買って、『心の耳』で音楽を聴くか・・・

  • 住宅事情に合わせて小型のスピーカー含め、自作するか・・・


  • 後者を選んだ場合、なんだか寝た子を起こすような気がして、私自身ちょっと恐い(笑)

    つづく・・・・・(1997.01.16)