1997年1月1日記
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1997年1月1日。私:青木康雄は独立しまして、『とびまるソフト』を開業いたしました。どうかよろしくお願いいたします。

基本理念

『オリジナルソフトの開発・提供を通して、個人のパソコン文化の発展に寄与・貢献する』


今までは主にオンラインを通じて、Macintoshのいろいろなソフトを提供してきました。それはレタッチソフトであったり、画像のサムネイル一覧を表示するソフトであったりといろいろですが、ひとつには自分の趣味のために、そしてもうひとつには、どこかの誰かがもしかしたら、『案外使えるじゃん』なんて言いながら使ってくれるかなぁ・・・・なんていう気持ちからです。

私一人の力は実に小さいです。個人が世間一般に対してなにか出来ることって、極めて限られていると思うのです。そんな弱っちい存在である私ですが、今まで趣味で作ってきたソフトをいくつか公開させていただいて、たくさんのかたから励ましのメールや、感想・要望のメール、苦情のメールをいただきました。

励ましのメールはもちろん嬉しいですが、たとえ苦情のメールであっても、嬉しいものです。それだけ期待されているということでもあるわけですから。

もともと私はコンシューマ向けの小さなソフトを書きたいという強い希望を持っておりました。それも、自分でマーケティング・企画・設計してです。かゆいところに手が届くような、個人向けのソフトと言ってもいいでしょう。で、趣味でMacintoshのソフトを作るかたわら、いつの間にか本業サラリーマンでもMacintoshのソフト開発をやるようになっておりました。

本業サラリーマンで、個人向けのソフトを作れるのであればそれでもよかったのですが、会社の方針もありますし、なかなか個人向けのソフトを作れそうな気配はありません。一方で、私は私なりに、『こんなの作りたいなぁ』という個人向けソフトの構想は膨らむばかり。しかし趣味では時間が限られておりましてなかなか思うように開発できません。すでにリリースしているソフトに対するユーザーの皆さんからの要望も積もる一方で手が付けられず、バグフィックスなどのメンテで精一杯の状態でした。

私は、まさか私の作ったソフトがこんなにたくさんの皆さんに使っていただけるとは思っておりませんでした。たくさんのかたから、いろいろなメールをいただいて、時にはみかんやお茶を送っていただいたり、信じられないような嬉しい思いをさせていただくこともありました。

『私のような人間であっても、ソフトの開発を通して、なんだか世間のためになるようなことが出来るみたいだ。』

私は正直言いまして、『人のためだけ』に生きることができる程殊勝な人間ではありません。しかし、自分のする事なす事が、例えほんの少しでも、なにかに貢献できるのであればこんなに嬉しいことはありません。もし、自分のする事なす事が、少しでも『どなたかのため』になるのであれば、私はとても嬉しく幸せだと思えます。これは本当です。

サラリーマンを続けて趣味で個人向けソフトの開発を続けるのもいいかもしれません。だって、私には妻もおりますし、そのうち子供も生まれるでしょう(希望)。あまり無謀なことも出来ません。それに、サラリーマンで仕事をすることだって、直接ではないにしても、間接的に少しは、世間のためになっているでしょう。世の中意味のない仕事なんか、存在しないんだ。どんな仕事でも、存在意義はある・・・とも思います。

しかし、私の究極な目標は、死ぬ瞬間に、『いい人生だったなぁ』と思える生き方をすることです。これは、金銭的や地位的に成功したかどうかなんていう小さいことではなく、たった一度の人生、どっちに転んでもみな同じ(乱暴な解釈 ^^))とすれば、いかに思いきり生きるか、いかに自分を納得させることの出来る生き方をするか、正直に生きるか、にあるわけです。

ComeBackImage をはじめとする私が作ったいくつかのソフトを通じて、日本全国幼稚園児(ほんとだよ)から80歳代のおじいちゃんまで、非常に幅広い友人知人先輩を持つことができました。みなさん、私のソフトを『便利なものをありがとう』と、やさしく受け入れてくれます。開発する側の私も、直接ユーザーの皆さんとやりとりが出来て、非常にやりがいを感じるプロジェクトでありました。私の作るものを、半分お世辞でも(笑)こんなに喜んで使っていただけるのであれば、もっともっといろいろなものを作りたい、実現したいという気持ちは高まるばかりです。

私に出来ることと、私のやりたいこと、自分の『とにかく個人向けソフトを作りたい』という気持ちを考えた時に、しかし、趣味でやるには時間がなさ過ぎる。ここはひとつ、『独立して、思うように思いきりやってみようじゃないか』ということになったわけです。

今後、私は受託業務もこなしつつ(いきなり自分のソフトで喰って行けませんからねぇ)、地道に、着実にオリジナルのソフトを開発・公開していくつもりです。オンラインソフトという文化は私は好きですので、主にシェアウエアという形態になるかと思いますが、最終的にはシェアウエアの収入で喰っていけるようになれればなぁ・・・と、思っております。

どこまで個人でやっていけるかわかりませんが、自分が初めてMacintoshを買った時の、あの不安と嬉しさの交錯する気持ちをいつまでも忘れないように心がけつつ、皆さんのお役にたてるソフトを提供していきたいと思っております。

どうかよろしくお願いいたします。


お気軽にメールくださいね。私は開発者ですけど、庶民ユーザーでもありますので、お気軽に(笑)。