RICOH DC-2E が見た西伊豆1泊2日の旅・・・
RICOH DC-2E が見た西伊豆1泊2日の旅・・・
1997年2月14日(金):晴れ
master@kani.com / 青木 康雄
昨晩の作戦会議で、今日は堂ヶ島の『ランの里・堂ヶ島』(『洋ランセンター』は旧称であるとのご指摘。西伊豆町にお住まいの唐戸さん、Thanks.)によって、そのあとは海沿いをひたすらのんびり走って帰ることに決定。
朝からこの豪華さである。なはははは・・・・すごいである。満足である。
部屋から見える土肥町の港の一部。定期連絡船がやってきては、去っていく。堂ヶ島行きかな?
土肥町から車でほんの十数分、恋人岬がある。訪れたカップルに恋人宣言証明書を発行してくれる(有料・無料あり。どう違うのかはやったことないので不明)ことで有名であるが、展望の良さでも有名なスポットである。
堂ヶ島に行く途中なので立ち寄ると、すごい騒ぎである。そうかぁ、今日はバレンタインデーである。駐車場は朝10時前であるにもかかわらず満車に近い状態で、駐車中の車のナンバーも、湘南あり、名古屋あり、大阪あり、習志野あり・・・と、まさに群雄割拠状態。みんなぁ、気合い入ってるねぇ・・・・
ぁあ、私も10年若ければ・・・・
咲き乱れる菜の花。綺麗ですねぇ・・・
しかしここは、2/13 にも書いた通り、以前妻と結婚前に来たときに立ち寄ったのであるが、その時はこんなに整備されていなくて、路面も土だったような。こんなお花畑もなかったんじゃぁないかなぁ・・・・
まぁ、いいか。
そういえば以前妻と結婚前に来たときは、ここらへん工事中だったような記憶が・・・
なにやら、『2人だけのテレカを作ります』というイベント会場。
すごいである。これ、朝10時ですよ、平日の。
お幸せにね〜
さて、恋人岬を目ざすも、本物の鐘方面は工事中で進入禁止。仕方がないので・・・
近くにあるほうの鐘の広場に行く。天気がよくてシーイングもいいと、富士山バッチリなんだが、今日はあいにくシーイングがよくない。鐘の右側、富士山の頭が見えているの、わかるかなぁ? 雲みたいに写っている。
恋人達の邪魔ばかりしていてはいけない・・・すぐさま堂ヶ島の『ランの里』に向かう。ここは洋ラン専門施設としてはかなり大きく、所要1時間半とのこと。ちなみに、初めての潜入。
すごいである。まさにランだらけ。すごく綺麗。こんな状況下では、DC-2E のオートホワイトバランスに若干不安を覚えるので隠しモードのホワイトバランス固定を試みるが、キーアサインをすっかり忘れてしまった。仕方がないのでそのまま通常モードで撮影続行。
むぅ、綺麗だ。それしか言葉が思い浮かばない。
なんじゃこりゃ。
まさにランのジャングル。
よく鳴き叫ぶ鳥もいる。
う〜ん、美しい。しかし、現物はもっともっと鮮やかで綺麗な色彩。オートホワイトバランスの宿命で、単一カラーの被写体だと、色が引っ張られてしまう。
ランの畑である。
こちらの鳥は、極めて落ちついたしっかりしたやつである。
堂ヶ島の『ランの里』内には、あちこちにこのようなふくろう?? の石像がある。なんなのだ? マスコットなのだろか?
『ランの里』は屋内だけで終わりではない。屋外には色とりどりのお花畑や吊り橋、堂ヶ島一と言われる展望台などがある。
その『堂ヶ島一と言われる展望台』からの展望風景である。ちょっと反則技だけど、DC-2E 水平方向パンさせて撮影の3枚を合成したもの。Netscape 2.x にはインラインJPEG展開にバグがあり、横方向 1024 Pixel 以上の画像は展開できないので、リンク画像は、『リンク先を別名で保存』して、別のソフトで見て貰いたい。なかなか見事な展望である。
展望台内には、『光の眼』という不思議なオブジェクトがある。
上のパノラマ風景撮影ポイントのすぐ脇に、NHK の送信設備を発見。ヘリで空輸された直後のよう。そのうち『堂ヶ島からの展望』が始まるのだろうか。もしそうだとしたら、ぜひ、全国版で放映してほしい。
『堂ヶ島一と言われる展望台』を後にして、吊り橋を渡って出口に向かう。
私はかなり新しもの好きである。ランの里名物『ランの花アイス』を発見した私は早速ゲット。味は、実にうまいぞ! なんつーか、まさに、ランの味。原材料に、ちゃんとランって書いてある。が、これだけではなかった・・・・
おみやげ屋さんには、さまざまなランにまつわるアイテムが。
まずはランのゼリー。ランの花がまるごと一つ入っている。即ゲット。
さらに、ランのレアチーズケーキ。私は酒飲みだけど、ケーキも好きで、しかも、レアチーズケーキがもっとも好きである。言うまでもなく即ゲットである。これは楽しみだ。
さらにさらに、ランの蕎麦である。アイスに続き、一気に3つもゲットしたせいか妻の視線も厳しく、これは泣く泣く断念・・・・
さらにしかもこれだけでは全然すまない。ランの塩である。う〜むうむうむ・・・・
そしてさらにしかも・・・ランの花茶である。まいった。
そしてシメは、『かにさんかにさんチーズだヨ!』
一体ランと何の関係があるのだろうか? 単に、蟹と聞くとひと事とは思えない私は、本能的に撮影していた。
以上の品があるおみやげ屋さんの全景。もちろんランの花も売っている。
そして近くのお店で昼食。
『もう海の幸はいいやぁ・・』という妻を後目に、ひたすら海の幸路線を激走する私。この『和定食』は、2千円也。味はもちろんうまい。値段は、若干観光地係数かかっているかなって気もするけど、都市部一般の相場に比べれば、その鮮度を考えてもパフォーマンスは実にいいぞ。
堂ヶ島を後にして、あとは海岸線伝いに帰路につく。
土肥町までは国道を使うが、その後は海沿いに走る曲がりくねった県道を走り、戸田村〜大瀬崎〜沼津というルートを選ぶ。
戸田漁港手前から、富士山を望む。
戸田漁港は小さな漁港である。海に出て漁をする。収穫がなければ何もなし。収穫があれば収穫あり。当たり前ではあるが自営業となった私にある面で重なる部分もあり、しみじみと海を眺める。
今回の旅の目的は、はじめに書いた通り妻との旅行であるが、内では実は、新たなる自分の発想を求めて・・・あるいは、内なる新たなる発見を期待もしていた。もう少し現実的な話をすると、たとえば次に私が開発したいと考えているソフトの具現化についての行くべき道であったり、ヒューマンインターフェースであったり。
CBI や CBI Neo を通して私は、極めて基本的な画像処理の手法について、理論的な面ではほぼ見通しがついた。これはすなわち、なにをどうやればどうなるから、こうすればいい・・・という点についてだ。
しかし、それを、具体的にソフトという形にして、ユーザーとのインターフェースを用意することとは完全に別問題であり、この具現化の部分で非常に悩むことも事実だ。
どんなに有用な、効果的な処理を実装したソフトであっても、その機能を使うためのインターフェースが腐っていたら全体としてはゴミ同然である。ユーザーにとって簡単なインターフェースでありながら、高度で確実な処理を簡単にできるようなものを作りたい。そのためにはどうすればよいか・・・・・
私はひとつの解の方向を今回の旅で得た。
理論なんて関係ないのだ。昔からの伝統、あるいは経験に則っての生活が少なくなりつつはあるが、ここにはある。
人間が絵を、写真を与えられた場合、どう思い、どうしたがるか。
そこには、理論なんてものの前に、経験に基づく直感的な感覚がある。その直感を、なるべくダイレクトに受け入れることの出来るソフトを作ればいいのだ。
パソコンのソフトを設計することの難しさは、それを使うのが人間であるところに起因する。
しかしだからこそ、実に楽しく面白く、人生を賭ける気にさえなれるのだ。
きっと、漁師さんも、根底に流れる思想は同じ・・・かな?
今の時代を冷静に考えると、私はなんだか急に心配になり、心細くなることがある。
なんとも言えない疎外感。
私の究極は、無人島で自給自足の生活をすることが理想なのかもしれない。パピルスに日記を書こう。誰にも読まれない日記を。
これが最後に撮影した駒。
このあと、ただひたすらに家路に急いだ・・・・・
おしまい。
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