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Kchibo KK-S500購入に際して


 お勧め度120%! その素晴らしいパフォーマンス。
2007年12月24日 青木 康雄
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Kchibo KK-S500が我が家にやってきたのは2007年12月18日(火)のお昼ご飯前。ワールド無線のWeb(*1)からオンライン注文後週末挟んでわずか4日で上海からやってきた。どこまでも便利な世の中になったものだ。国際EMS便送料消費税込みで\12,390-。

    *1:言うまでも無いが私はワールド無線とは一切なんの関係も無いただのいちお客にすぎない。たまたま検索エンジンで見つけてここから買ったというだけの話。しかし、なかなか対応もよく、次回中華ラジオを買う際には、またワールド無線から買おうと思っている。

さて、当日は午後から仕事で出かける予定だったので、明日にでもゆっくり開梱しようかと思っていたのであるが、はやる気持ちは抑えられず「少し見てみるだけ・・・」って、あけてしまったのである。
まぁ、値段からして質感という面ではあまり期待してはいない。ダイソーの100円AMラジオがすごくなった感じの質感だろうって思っていたのであるが、期待はあっさり裏切られることに。
まず箱。かなり高級感を感じる化粧箱である。梱包用のダンボール箱から製品の箱を取り出そうと、持った瞬間の手触りに思わず「ぉお」と唸ってしまう。

KK-S500化粧箱

箱は、蓋の縁に磁石が付いていて、「ぱたっ」って感じで閉まるなかなか高級感のあるもの。ぐるぐる巻きのロール蓋構造。なんのこっちゃ文章だけじゃわからないなこりゃ。よくある、箱の一部が切り欠きに刺さって固定するようなタイプでは無い。なんというのか、香水でも入っていそうな箱である(*2)。

    *2:実際に香水がこういう箱に入っているのかどうかはまったく知識ないので不明あるが、要は、短波ラジオが入っていそうな感じの箱では無いということをここでは表現したい。

箱を開けてみると、ビニールにパックされた本体が見える。

ぅお。思ったよりふた周り小さいぞ。この手のテンキー入力デジタル表示のPLL短波ラジオを買うのは実は今回が初めて。私にとってのこの手のラジオにはじめて触れたのはかれこれ30年ぐらい前、中学生のころに発売されたSONYのICF-2001である。チューニングダイヤルが無いとか、性能が云々という以前に見た瞬間「でけぇぞこれ」って驚いたものだ。だから、この手のラジオはカタログ等で写真を見たとき、見た目以上に「でかい」のが通常であるという印象が深く脳裏に刻まれているのだ。

そんなこともあって、思いのほか小さいこいつは、かなり予想外であった。

KK-S500本体

早速取り出してみると、思いのほか高級感漂う質感である。少なくとも私には安っぽさはまったく感じられない。はっきり言ってこれが国際便送料消費税込みで日本で\12,390-で買えるという事実はすごい。

ちょっとあけて見るだけだったハズが、なぜか無意識のうちに手元にあった単三電池を3本装填し、早速スイッチオンである。

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いきなり日付時刻が点滅を始める。きっと、日付と時刻を合わせろ・・・ということなのだろうが、ボタンの説明が残念ながら中国語で雰囲気はわかるもののいまひとつ理解が間違っているようで、全然合わせられない ^^) 適当にいじっていたら適当な時間が設定されてしまったが、なんとかラジオは稼動するようになった。

KK-S500本体 ロッドアンテナは結構長い。75cm程度はある。

チューニングダイヤルもちゃんと動く。1KHzステップであるがこれはなかなか快適。やはりラジオにはチューニングダイヤルがないとね。周波数が切り替わるときにPLLが発するノイズがプチプチ入るのが少し気になる。

外部アンテナ端子もあり、感度スイッチもLocal/DX切り替え付である。

音量VRにOFFの表示があるが、スイッチ付きVRでは無いためなにかの間違いかと思われる。あるいは、最初はスイッチ付きVR使用予定だったのかな? 日本ではありえないことだが、機能にまったく影響ないどころか私はこういうお茶目なところは案外好きだったりする。

音質切り替えスイッチもあるが、これは単にAF段にLPFが入るかどうかの切り替えのようである。どうも実際の選択度には影響してなさそう。後日検証したい。

泣かせてくれるのが、裏蓋から「スタンド」が出るところ。ちょっとした工夫だけど、なかなかイキな計らいじゃないの。夜の夜中に一人、裸電球からの間接照明に照らされた自室でウイスキィ片手に大陸からの短波放送に耳を傾けるとき、ラジオを少しもたげて電離層との対話をしなさいってことなのだろう。


KK-S500本体

試行錯誤しながら周波数の合わせ方も判明し、まずはベランダに出てラジオ日経でも受信してみるか・・・と、3925KHzに合わせながら室内を歩く。

と、いきなりまだ室内なのに、株式情報がラジオから流れてくる。感度はかなり高そうだ。
ベランダに出て、内蔵ロッドアンテナのみで数分間受信してみる。
受信日時:2007年12月18日 14時ごろ
受信地 :神奈川県横浜市(川崎寄り)


 3925KHz  ラジオ日経    SINPO 55544
 6055KHz  ラジオ日経    SINPO 55444
21660KHz  BBC           SINPO 55444
 1665KHz  東京マーチス  SINPO 55353
  765KHz  山梨放送      SINPO 45343 ※内蔵バーアンテナモード
  279KHz  GTRK Sakhalin SINPO 44433 ※内蔵バーアンテナモード
Sメータの振りはかなり甘そうな印象ではあるが、感度は大変良好である。少なくとも、現在の住居に住むようになってから、これほどまでにさくさくと放送波を受信できたのは今日がはじめてだ。

少し使ってみただけでも、やはりポータブル短波ラジオであるが故の基本性能面での問題が何点か表出したが、しかしそれでもこれはかなりショックな結果である。

あまりにもショックだったのでそのショックが真実なのかどうなのか、室内にすぐ戻り改めてIC-PCR1500 + 303WA-2 といういつもの常時Watchラインで確認とったほどだ。

例えば、東京マーチスはIC-PCR1500 + 303WA-2では了解度は高いもののSはまったく振れないが、KK-S500ではいきなりフルスケールでまさに「がんがん入る」って感じ。
765KHzのYBS山梨放送も、IC-PCR1500 + 303WA-2ではSINPO 15251って感じでノイズに埋もれてほとんど了解できない状態。しかしKK-S500では内蔵バーアンテナのみで番組内容を楽しめるほど。
279KHzのサハリンからの長波放送も、IC-PCR1500 + 303WA-2ではキャリア確認がやっとって感じであるが、KK-S500では番組内容が十分に了解できちゃうどころか、室内でも窓際にラジオをおけば、ノイズ多いもののR3ぐらいでなに言っているのか聴き取れる程度の品質で受信できる。

KK-S500で279KHz受信中

室内窓際で内蔵バーアンテナで279KHzのサハリン受信中。時計の時刻は滅茶苦茶。

IC-PCR1500 + 303WA-2 よりも、ベランダWatchでKK-S500内蔵ロッドアンテナのほうが、良好に受信できる。KK-S500のあまりのパフォーマンスの良さに、RF SystemsのDX-500買ってみたり、303WA-2設置してみたりしてきた今までの自分の努力は一体ナンだったのだろうか・・・と。ひょっとして、KK-S500買っとけばOKだったのか? みたいな幻惑を覚えるほどだ(*3)。

    *3:DX受信を可能にするためには受信感度以外にも重要な基本性能は多くあるので、こういう一面だけを持っていちいちショックを受ける必要は無いのであるが、しかし、期待以上の性能を目の当たりにしてショックを受けたということも事実である。

上で書いた通り、KK-S500はポータブル短波ラジオであるが故の基本性能由来と思われる問題が何点か確認された。

  • 混変調&IF飛び込み? JORF直撃での強電界の影響で、DXモードだとLW〜2MHzぐらいまでどこに合わせても背後でJORFが聴こえ、お化けっぽいスプリアスも出る。が、Localモードに切り替えればかなり落ち着く。
  • PLL周波数切り替えノイズ:チューニングダイヤルを回すと、KHzが切り替わるたびに「プチプチ」音がする。が、周波数を動かさなければもちろん音はしないので一旦tune onすれば問題無し。
の2点が4,5分間の使用で気づいた点だ。

しかし、とはいえ、IC-PCR1500 + 303WA-2では了解できない信号を、混変調のカオス状態になりながらもKK-S500は受信している様はある種痛快である。

これが開梱直後数分間の使用での雑感である。

マンションや鉄骨で建造された住居内で、外部アンテナを接続して受信しようと思った場合は、少し問題があるものの KK-S500 は誰にでもかなりお勧めできるパフォーマンスを持ったラジオだと思う。
木造建造物であればKK-S500本体のロッドアンテナだけでもかなり楽しめるだろう。

中波のAM放送が、AMラジオ本体のみで室内で普通に受信できる環境であれば、ロッドアンテナ受信でまぁまぁ大丈夫と言えるかもしれないが、そうでない場合、屋外アンテナが必須になる。

KK-S500に屋外アンテナを繋げる際には、少しやっかいな問題に遭遇することになる。詳細は別コーナーにて。
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